2023年に東京都内で開催される、アート展覧会のスケジュールを特集。上野や六本木など、都内の美術館や博物館での展覧会を、開催日順に紹介する。各詳細からは、会期や展示作品などもあわせて確認が可能だ。西洋美術や日本美術、現代アート、ファッション、建築、デザインなど、気になるジャンルの展覧会をチェックしてみてほしい。
東京・六本木の21_21 DESIGN SIGHTで開催される企画展「Material, or 」は、ものづくりにおいて、特定の意味を持たなかった「マテリアル」が、人や生物と関わりあうなかで「素材」へと意味付けされるという視点のもと、「マテリアル」と人の繋がりを探る展覧会。デザイナーによるプロダクト、アーティストが手がけた表現、祭具や民芸品、そして人の視点にとらわれない動植物や有機物によるアプローチなど、多様な事例を取りあげてゆく。
「Material, or 」
会期:2023年7月14日(金)〜11月5日(日)
会場:21_21 DESIGN SIGHT (東京都港区赤坂9-7-6 東京ミッドタウン ミッドタウン・ガーデン)
東京・上野の国立科学博物館で開催される特別展「海 ─生命のみなもと─」は、「海」の誕生から現在までに着目し、多様な生物や人との関わりに光をあてる展覧会。海の誕生と生命の起源から、生態系との繋がり、そして人類が海に与えている影響まで、さまざまな視点から「海」について考えてゆく。
「海 ─生命のみなもと─」
会期:2023年7月15日(土)〜10月9日(月・祝)
会場:国立科学博物館 (東京都台東区上野公園7-20)
東京都現代美術館で開催される企画展「デイヴィッド・ホックニー展」は、日本で27年ぶりとなる、デイヴィッド・ホックニーの大規模個展。イギリス各地やロサンゼルスで制作された代表作から、近年の風景画「春の到来」シリーズ、そしてiPadで描かれた全長90mに及ぶ新作まで、120点あまりの作品を一堂に集めて紹介する。
「デイヴィッド・ホックニー展」
会期:2023年7月15日(土)〜11月5日(日)
会場:東京都現代美術館 (東京都江東区三好4-1-1(木場公園内))
東京都現代美術館で開催される企画展「あ、共感とかじゃなくて。」は、「共感しないこと」を「新しい対話や思考の可能性を開くこと」であると捉え、現代アーティストの作品を紹介する展覧会。自分ではない、誰かほかの人について考え、理解しようと試みる5人の現代アーティスト、有川滋男、山本麻紀子、渡辺篤(アイムヒア プロジェクト)、武田力、中島伽耶子を取り上げる。
「あ、共感とかじゃなくて。」
会期:2023年7月15日(土)〜11月5日(日)
会場:東京都現代美術館 (東京都江東区三好4-1-1(木場公園内))
東京都写真美術館では、展覧会「TOPコレクション 何が見える?『覗き見る』まなざしの系譜」を開催。「覗き見る」ことをテーマとする本展では、「覗き見る」ことを可能にした装置とそれによって生み出されたイメージ、そして「覗き見る」ことから想像を広げた作家による作品を紹介する。
「TOPコレクション 何が見える?『覗き見る』まなざしの系譜」
会期:2023年7月19日(水)~10月15日(日)
会場:東京都写真美術館 (東京都目黒区三田1-13-3 恵比寿ガーデンプレイス内)
ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)が東京・表参道に展開するエスパス ルイ・ヴィトン東京では、ケリス・ウィン・エヴァンスの個展「L>espace)(...」を開催。ネオンを使った作品をはじめ、5点を展示する。
「L>espace)(...」
会期:2023年7月20日(木)〜2024年1月8日(月)
会場:エスパス ルイ・ヴィトン東京 (東京都渋谷区神宮前5-7-5 ルイ・ヴィトン表参道ビル 7F)
東京・虎ノ門の大倉集古館では、特別展「畠中光享コレクション 恋し、こがれたインドの染織 ─世界にはばたいた布たち─」を開催。交易によって世界中に広まり、変化を遂げていったインド布の伝搬に着目し、各地におけるインド染織の展開を紹介する。
「畠中光享コレクション 恋し、こがれたインドの染織 ─世界にはばたいた布たち─」
会期:2023年8月8日(火)〜10月22日(日)
会場:大倉集古館 (東京都港区虎ノ門2-10-3(オークラ東京前))
東京都写真美術館で開催される展覧会「風景論以後」は、1970年前後の日本に登場した「風景論」を起点として、風景のなかに反映された社会制度や事象にまで光をあてるもの。当時の議論を牽引した映画批評家・松田政男による風景論や、その理論と連動した写真・映像表現を紹介するとともに、現在に至るまでの作品をたどることで、風景論以後の写真と映像の可能性を探ってゆく。
「風景論以後」
会期:2023年8月11日(金・祝)〜11月5日(日)
会場:東京都写真美術館 (東京都目黒区三田1-13-3 恵比寿ガーデンプレイス内)
東京のワタリウム美術館で開催される展覧会「山田寅次郎展 茶人、トルコと日本をつなぐ」は、明治25年(1892年)にオスマン帝国(のちのトルコ)に渡り、トルコと日本の交流に携わった人物、山田寅次郎に着目。寅次郎がトルコと関わる契機となった「エルトゥールル号事故」と義捐金活動について紹介するほか、寅次郎と交友のあった建築家・伊東忠太にも光をあてる。
「山田寅次郎展 茶人、トルコと日本をつなぐ」
会期:2023年8月11日(金・祝)〜11月19日(日)
会場:ワタリウム美術館 (東京都渋谷区神宮前3-7-6)
東京の太田記念美術館で開催される展覧会「美人画 麗しきキモノ」では、装いに着目しつつ、江戸時代前期から昭和時代初期にかけての美人画約130点を展示。鈴木春信や鳥居清長、喜多川歌麿、月岡芳年、伊東深水などの作品から、時代とともに変化する装いの流行や着こなし、きものにあしらわれた吉祥文様、古くから親しまれてきた意匠を紹介する。
「美人画 麗しきキモノ」
会期:2023年9月1日(金)〜10月22日(日)
会場:太田記念美術館 (東京都渋谷区神宮前1-10-10)
東京の世田谷美術館で開催される企画展「土方久功と柚木沙弥郎 熱き体験と創作の愉しみ」は、立体や平面、絵本など、さまざまな仕事を手がけてきたふたりの作家、土方久功と柚木沙弥郎を紹介する展覧会。土方による彫刻、福音館書店が刊行する雑誌『母の友』のために描いた挿絵原画や、柚木が手がけた染色作品などを展示する。
「土方久功と柚木沙弥郎 熱き体験と創作の愉しみ」
会期:2023年9月9日(土)〜11月5日(日)
会場:世田谷美術館 (東京都世田谷区砧公園1-2)
東京のアーティゾン美術館では、展覧会「ジャム・セッション 石橋財団コレクション×山口晃 ここへきて やむに止まれぬ サンサシオン」を開催。山口晃と石橋財団コレクションの共演による本展では、雪舟《四季山水図》とポール・セザンヌ《サント=ヴィクトワール山とシャトー・ノワール》を題材に、日本の近代絵画を問うことを試みてゆく。
「ジャム・セッション 石橋財団コレクション×山口晃 ここへきて やむに止まれぬ サンサシオン」
会期:2023年9月9日(土)〜11月19日(日)
会場:アーティゾン美術館 (東京都中央区京橋1-7-2)
東京のアーティゾン美術館では、展覧会「創造の現場 ─映画と写真による芸術家の記録」を開催。アーティゾン美術館の前身であるブリヂストン美術館が発足した映画委員会による「美術映画シリーズ」と、現代美術の現場を記録し続けた写真家、安齊重男による写真作品を通して、日本の近現代美術の「創造の現場」を紹介する。
「創造の現場 ─映画と写真による芸術家の記録」
会期:2023年9月9日(土)〜11月19日(日)
会場:アーティゾン美術館 (東京都中央区京橋1-7-2)
明治時代には、高い技術を駆使し、「超絶技巧」と形容される精巧な工芸作品が手がけられていた。東京・日本橋の三井記念美術館で開催される特別展「超絶技巧、未来へ! 明治工芸とそのDNA」では、明治工芸の技巧を受け継ぎつつ、優れた工芸作品を手がける現代作家17人による作品を紹介する。
「超絶技巧、未来へ! 明治工芸とそのDNA」
会期:2023年9月12日(火)〜11月26日(日)
会場:三井記念美術館(東京都中央区日本橋室町2-1-1 三井本館 7F)
東京国立博物館 表慶館では、「横尾忠則 寒山百得」展を開催。中国・唐時代に生きた伝説上の詩僧・寒山と拾得をテーマとする「寒山拾得(かんざんじっとく)」シリーズの新作102点を初公開する。
「横尾忠則 寒山百得」
会期:2023年9月12日(火)〜12月3日(日)
会場:東京国立博物館 表慶館 (東京都台東区上野公園13-9)