2021年に東京都内で開催される、おすすめのアート展覧会のスケジュールを特集。美術館・博物館での開催情報を、開始日順・月別に一挙紹介する。会期や展示作品なども確認できるので、気になる展覧会をチェックしてみてはいかが。
明治から昭和にかけて活躍した風景画家・吉田博は、独自の自然観と高い技術でもって水彩・油彩を手がけたのち、西洋画の微妙な陰影を版画で表現するべく木版画の制作を始めた。東京都美術館の展覧会「没後70年 吉田博展」では、西洋の写実的な表現と日本の伝統的な木版画技法を統合した、繊細な木版画作品の数々を一挙公開する。
会期:2021年1月26日(火)~3月28日(日)
会場:東京都美術館 (東京都台東区上野公園8-36)
日本を代表するクリエイティブディレクター、佐藤可士和。ユニクロ(UNIQLO)やセブン-イレブンジャパンといった企業から教育施設に至るまで、佐藤が手がけてきた多彩なブランディング戦略の背景には、目にふれるものすべてをメディアとしてデザインする姿勢があった。東京・国立新美術館の展覧会「佐藤可士和展」では、約30年にわたる佐藤の活動を、ひとつの大きな「作品」として描きだす。
会期:2021年2月3日(水)~5月10日(月)
会場:国立新美術館 (東京都港区六本木7-22-2)
東京・ワタリウム美術館の展覧会「まちへ出よう展 〜それは水の波紋から始まった〜」は、同館が1995年、現代美術キュレーターのヤン・フートとの協働により開催した「水の波紋95」展を呼び起こす試みだ。その際に展示された作品とその源流をたどるとともに、2021年の現代アーティストが手掛けた作品も紹介する。
会期:2021年2月6日(土)〜6月6日(日)
会場:ワタリウム美術館 (東京都渋谷区神宮前3-7-6)
東京富士美術館の「絵画のドレス|ドレスの絵画」展は、18世紀から20世紀にかけての服飾作品などを幅広く所蔵する神戸ファッション美術館とのコラボレーションによる展覧会。18世紀から20世紀までを中心とする西洋絵画・写真作品の“衣装”に着目し、同時代の衣装とともに展示する。
会期:2021年2月13日(土)〜5月9日(日)
会場:東京富士美術館 (東京都八王子市谷野町492-1)
東京・文化学園服飾博物館の展覧会「ヨーロピアン・モード」では、19世紀末から1930年頃までの女性の装いに起きた変化を紹介。女性服にも活動的な要素や機能性が取り入れられるようになったこの時期のドレスやスポーツ服を展示する。
会期:2021年2月18日(木)~4月22日(木)
会場:文化学園服飾博物館 (東京都渋谷区代々木3丁目-22-7)
南薫造は、明治末から昭和にかけて官展の中心で活躍した洋画家であり、“日本の印象派”画家として評価されている。東京ステーションギャラリーの大規模回顧展「没後70年 南薫造」では、清澄な感受性と高い技術に支えられた代表的な油彩画のみならず、イギリス留学時代に描いた水彩画などから、南の全貌に迫る。
会期:2021年2月20日(土)〜4月11日(日) 会期中に一部展示替えあり
会場:東京ステーションギャラリー (東京都千代田区丸の内1-9-1)
ターナーとともにイギリスの風景画を刷新した画家、ジョン・コンスタブル。ターナーが国内外の景観の膨大な素描を残した一方で、コンスタブルは自らの生活や家庭環境に結びつく場所を描き続けた。東京・三菱一号館美術館の展覧会「テート美術館所蔵 コンスタブル展」では、英国・テート美術館所蔵の作品を中心に、初期から晩年までの風景画やターナーら同時代画家の作品など、全85点の作品から豊かな風景画の世界を紹介する。
会期:2021年2月20日(土)~5月30日(日)
会場:三菱一号館美術館(東京都千代田区丸の内2-6-2)
東京・練馬区立美術館の展覧会「電線絵画展 ─小林清親から山口晃まで」では、日本の明治初期から現代までの美術作品に描かれた、“電線・電柱”に着目。日本画や油彩画、版画、そして現代美術作品など約130点の作品から、各時代において電線や電柱が果たした役割と、そこに向けられた人びとのまなざしの変遷をたどる。
会期:2021年2月28日(日)〜4月18日(日) 会期中に展示替えあり
会場:練馬区立美術館 (東京都練馬区貫井1-36-16)
「内面と外見の関係」をテーマに、自らの姿や顔を被写体としたポートレイト作品を中心に手がけてきた写真家・澤田知子。東京都写真美術館の展覧会「澤田知子 狐の嫁いり」は、公立美術館初となる大規模個展だ。原点となる《Untiled》から最新作《Reflection》までの作品を網羅し、25年間にわたるその活動を回顧する。
会期:2021年3月2日(火)〜5月9日(日)
会場:東京都写真美術館 (東京都目黒区三田1-13-3 恵比寿ガーデンプレイス内)
ライゾマティクス(Rhizomatiks)は、人とテクノロジーの関係性を一貫して探求してきたクリエイティブ集団だ。初の大規模個展となる、東京都現代美術館の企画展「ライゾマティクス_マルティプレックス」では、斬新な時間/空間的表現、リアルとバーチャルの交錯を特色とするライゾマティクスの活動を複合的に紹介。領域横断的なクリエイションの数々を展望するとともに、現代に対するアクチュアルな提言を投げかける新作も展示する。
会期:2021年3月20日(土)~6月20日(日)
会場:東京都現代美術館 (東京都江東区三好4-1-1(木場公園内))
ベルギーを拠点に活動する現代美術家マーク・マンダースが、国内美術館初の個展を開催。東京都現代美術館の企画展「マーク・マンダース ─マーク・マンダースの不在」では、作家本人の構想に基づいて会場全体を1つの作品として構成し、“架空の芸術家”の自画像としの「建物」のインスタレーションを展開する。
会期:2021年3月20日(土)~6月20日(日)
会場:東京都現代美術館 (東京都江東区三好4-1-1(木場公園内))
東京国立近代美術館の企画展「あやしい絵展」は、日本近代美術に見られる、「美しさ」には括れない「あやしい」魅力を湛えた表現に着目する展覧会だ。上村松園《焰》や鏑木清方《妖魚》をはじめ、幕末から昭和初期にかけて制作された絵画、版画、雑誌や書籍の挿絵などから、当時の人びとの欲望が絡み合う神秘的で奇怪な表現を紹介する。
会期:2021年3月23日(火)〜5月16日(日) 会期中に一部作品の展示替えあり
会場:東京国立近代美術館 (東京都千代田区北の丸公園3-1)
水平垂直線と原色平面による厳格な構図をもつ抽象絵画でよく知られる画家、ピート・モンドリアン。東京のSOMPO美術館で開催される展覧会「生誕150年記念 モンドリアン展 純粋な絵画をもとめて」では、初期に手掛けた風景画から晩年の抽象画に至る約70点の作品から、その芸術の軌跡と広がりを紹介する。
会期:2021年3月23日(火)〜6月6日(日)
会場:SOMPO美術館 (東京都新宿区西新宿1-26-1)
明治から大正にかけて活躍した日本画家・渡辺省亭は、繊細で洒脱なその花鳥画により欧米で高い評価を獲得した。東京藝術大学大学美術館の展覧会「渡辺省亭─欧米を魅了した花鳥画─」は、省亭の全貌を詳らかにする初の回顧展。初来日となる作品を含む花鳥画や洗練された画風の美人画などから、その全画業を紹介する。
会期:2021年3月27日(土)〜5月23日(日)
会場:東京藝術大学大学美術館 (東京都台東区上野公園12-8)
写実主義の代表的画家ギュスターヴ・クールベは、故郷であるフランシュ゠コンテ地方の森や、ノルマンディーの海を繰り返し取り上げた。東京・パナソニック汐留美術館の展覧会「クールベと海 展──フランス近代 自然へのまなざし」では、クールベが手がけた海などの風景画に加えて、モネやミレーらの作品も含めた約60点を通して、クールベの作品の独自性と同時代性を浮き彫りにする。
会期:2021年4月10日(土)〜6月13日(日)
会場:パナソニック汐留美術館 (東京都港区東新橋1-5-1 パナソニック 東京汐留ビル 4階)