エトロ(ETRO)は、イタリアを代表するラグジュアリーブランド。

イタリア・ミラノ本社を拠点に、ジェローラモ・エトロによって創業された。ジェローラモ・エトロは1940年、ミラノ生まれ。アンティークの収集家で、68年インドのカシミール・ショールの紋様を自身の手で再現すべく、テキスタイルメーカーとしてミラノに「エトロ」社を設立。19世紀後半には完全に姿を消していたカシミール紋様を独自の技法とセンスで現代に蘇らせる。

テキスタイルメーカーとして評価を得る中で、1981年、ジェローラモ・エトロは自らが創り出した「ペイズリー」の名称でお馴染みのカシミール紋様をあしらった生地や家具、カーテン等を発表。ここで、製品に「エトロ(ETRO)」というブランド名をつける。

85年には2000種以上にも及ぶカシミール紋様をあしらったホームコレクション(ベッドカバー、テーブルクロス、毛布、ガウンなど)を発表する。

89年、ペイズリー柄をジャカード織で表現したバッグを完成させ、ネクタイ、ショール、小物類を加えたのアクセサリー分野にも進出。89年に香水を発表し、さらにメンズ・ウィメンズウェアを含めたトータルブランドに成長。

1997年春夏、ミラノで初のウィメンズコレクションを発表。

1997年秋冬には、次男キーン・エトロ(Kean ETRO)がクリエイティブ・ディレクターを務め、メンズコレクションも発表。キーン・エトロは、 1964年ミラノ生まれ。ケンブリッジ大学とミラノ大学で中・近世史を学ぶ。 86年、エトロ社に入社。90年よりシーズンカタログのアートディレクターとしてイメージ戦略を総括。1997年からウィメンズ・メンズコレクションのクリエイティヴ・ディレクターを務めた。

2000年春夏より長女ヴェロニカ・エトロ(Veronica Etro)がウィメンズウェアのチーフデザイナーに就任し、兄キーンとの共同製作としてコレクションを発表。ヴェロニカ・エトロは、1974年、ミラノ生まれ。イギリスのセントマーチンズを卒業。 2000年春夏シーズンからウィメンズのチーフデザイナーに就任。

2022年6月、デザイナー交代。クリエイティブ・ディレクターにマルコ・デ・ヴィンチェンツォが就任。ウィメンズ、メンズ、及びホームコレクションを手がける。デビューコレクションは、2022年9 月にミラノファッションウィークにて発表する 2023年春夏ウィメンズコレクションとなる。マルコ・デ・ヴィンチェンツォの もとで、新たな道を進む第一歩となるマニフェスト「エトロピア(ETROPÍA)」を発表。エトロピアとは、ファッションは身体と色彩の対話であり、ウェアとしての概念を超えて個性を探求するために大事なものである、と伝えるサイケデリックな旅である。

尚、エトロの経営はジェローラモ・エトロの子どもである、ヤコポ、キーン、イッポリト、ヴェロニカの4人が「L キャタルトン」と協力し担っている。引き続き、エトロファミリーとしてエトロのブランド発展に向け携わっていく。

マルコ・デ・ヴィンチェンツォは、2022年6月よりエトロのクリエイティブ・ディレクターに就任。ウィメンズ、メンズ、ホームコレクションを手がける。

マルコ・デ・ヴィンチェンツォはローマのヨーロッパ・デザイン学院を卒業後、2000年にフェンディのアクセサリーラインのデザイナーとしてキャリアをスタート。2009年には自身の名を冠したウィメンズのレディ・トゥ・ウェアブランド「マルコ デ ヴィンチェンツォ(Marco De Vincenzo)」を発表し、ヴォーグイタリアとアルタローマによる新人デザイナーコンテスト "Who is on Next?” において優勝を勝ち取った。