展覧会「モーリス・ユトリロ展」が、東京・新宿のSOMPO美術館にて、2025年9月20日(土)から12月14日(日)まで開催される。
パリの街並みを描いた風景画で知られるエコール・ド・パリの画家、モーリス・ユトリロ。幼少期からのアルコール依存症の治療の一環として絵画を始めたユトリロは、パリの街の白壁を独自の技法で表現し、伝統的な絵画とは一線を画する画風を確立、晩年は鮮やかな色彩を使用した作品を数多く残した。
「モーリス・ユトリロ展」は、約70点の作品をとおしてユトリロの全貌を紹介する展覧会。初期の「モンマニー時代」から、さまざまな素材を用いてパリの白壁を描きだした「白の時代」、晩年の「色彩の時代」まで、20世紀前半に活躍したユトリロの足跡をたどってゆく。
画家シュザンヌ・ヴァラドンの私生児として生まれたユトリロは、幼少期よりアルコールに依存しており、その治療の一環として絵画制作を行うようになった。この「モンマニー時代」には、カミーユ・ピサロやアルフレッド・シスレーといった印象派の画家からの影響のもと、風景を描いた作品を手がけている。第1章では、小高い場所から屋根の連なる風景を描いた《モンマニーの屋根》や、《サン=ドニ運河》など、初期の作品を紹介する。
第2章で焦点を合わせるのが、ユトリロがもっとも充実した創作を繰り広げたとされる「白の時代」。パリの街並みに目を向けたユトリロは、石膏や砂などを素材に用いて、漆喰でできた壁の質感を巧みに表現した。会場では、代表作である《可愛い聖体拝受者、トルシー=アン=ヴァロワの教会(エヌ県)》、《マルカデ通り》や《廃墟の修道院》など、ユトリロならではの白色の表現で描かれた作品を目にすることができる。
また、ユトリロが繰り返し描いたモンマルトルのキャバレー「ラパン・アジル」にも着目。異なる時期にユトリロが手がけた複数の《ラパン・アジル》を比較することで、写生に基づく忠実な再現から、記憶や感情を交えた詩的な表現へと至る、ユトリロの風景に対する捉え方の変化を探ってゆく。
ユトリロはやがて、鮮やかな色彩を駆使した風景画を描くようになった。この「色彩の時代」にユトリロは、街並みの写真を参照しつつ、定規やコンパスを使って下描きをし、鮮やかな色彩で制作を行ったのであった。そこには、風景を描きつつも現実から距離をとり、空間や人物を抽象化する様子を窺うことができる。第3章では、《シャラント県アングレム、サン=ピエール大聖堂》など、ユトリロが晩年に手がけた作品を展示する。
展覧会「モーリス・ユトリロ展」
会期:2025年9月20日(土)〜12月14日(日)
会場:SOMPO美術館
住所:東京都新宿区西新宿1-26-1
開館時間:10:00~18:00(金曜日は20:00まで)
※入場はいずれも閉館30分前まで
休館日:月曜日(10月13日(月・祝)、11月3日(月・祝)・24日(月・振)は開館)、10月14日(火)、11月4日(火)・25日(火)
観覧料:一般(26歳以上) 1,800円(1,700円)、25歳以下 1,200円(1,100円)、高校生以下 無料
※( )内は事前購入券
※事前購入券は7月22日(火)10:00より、公式電子チケット「アソビュー!」、イープラス、ローソンチケット(Lコード 33492)、チケットぴあ(Pコード 687-258)などで販売
※身体障がい者手帳、療育手帳、精神障がい者保健福祉手帳の提示者本人および介助者1名は無料、被爆者健康手帳の提示者本人は無料
【問い合わせ先】
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