バレンシアガ(BALENCIAGA)の2026年春コレクションが発表された。
2015年よりアーティスティックディレクターに就任し、ファッション界のみならず多くの人に衝撃を与え続けてきたデムナによる、プレタポルテとしては最後のコレクションとなった2026年春。過去35にもわたるコレクションからピックアップした要素と、パーソナルなワードローブからチョイスした新たなアイテムやディテールを組み合わせ、バレンシアガでの集大成ともいえるコレクションを創り上げた。
デムナ手掛けるバレンシアガといえば、極端なほどボリューミーなシルエット。特にテーラードでは、これまでも繰り返し大きく肩パッドが張り出たパワーショルダーシルエットを提案してきた。今季もそのシルエットは健在。ぐっと肩が盛り上がるジャケット、足首が隠れるほどのロングコートがその好例だ。
イブニングドレスのようなトレーンが特徴のトレンチコートなどからは、デイリーウェアにクチュールの感覚を取り入れてきたこれまでのデムナの取り組みを感じることができる。2021年にクチュールコレクションを復活させ、2025年冬コレクションに至るまでも、その手法を取り入れ続け、クリストバル・バレンシアガへの敬意を表し続けた。
また、2018年ウィンターコレクションにて提案したレイヤードのアイデアは、今季もダウンを複数重ねることで復刻。人々が実際に何を着ているのか、どのように着ているのか、服の着こなしには無限の可能性があることを改めて示した。
このほかにも、2021年サマープレコレクションでのクラフトとチュールの技術を融合させた“アップサイクル”レザージャケットや、2017年秋冬コレクションの子ども服をイメージしたミニドレスなど、過去のコレクションに登場したルックが勢揃い。まさにこれまでのデムナによるバレンシアガの歴史が詰まったコレクションとなった。
コレクションでは、世界的なポップミュージックアーティスト、ブリトニー・スピアーズとのコラボレーションも発表。ブリトニー・スピアーズのお気に入りだというアーカイブのポートレートに手書き風サインをプリントしたTシャツ、ラインストーンやスタッズを配したキャップなどが揃う。