展覧会「アール・デコとモード 京都服飾文化研究財団(KCI)コレクションを中心に」が、東京・丸の内の三菱一号館美術館にて、2025年10月11日(土)から2026年1月25日(日)まで開催される。
1920年代を中心に世界に広まった装飾様式、アール・デコ。幾何学的・直線的なデザインを特徴とするアール・デコは、生活全般に及び、ファッションの領域にも影響が現れることとなる。簡潔なシルエットへと変化した当時の装いは、伝統的な慣習とは一線を画する、活動的な女性たちが好む新たなスタイルとなったのであった。
アール・デコ期のファッションに着目する展覧会「アール・デコとモード 京都服飾文化研究財団(KCI)コレクションを中心に」では、世界屈指のファッションアーカイブを誇る京都服飾文化研究財団(KCI)のコレクションから、シャネル(CHANEL)やランバン(LANVIN)など、選りすぐりのドレス約60点などを公開。また、同時代の絵画や工芸、グラフィック作品などもあわせて展示し、約310点の展示資料をとおして当時の服飾の流行を総合的に紹介する。
第一次世界大戦後のフランスでは、都市の消費文化が活発化し、新しいライフスタイルを楽しむようになった女性のファッションには、新たな局面が訪れることになった。より活動的になった女性の生活に合わせて、衣服は、従来の曲線的なシルエットから簡潔なものへと変化。また、時と場に応じて細分化され、1日に数回にわたって着分けられていた装いは、軽やかな昼用と華やかな夜用、そしてスポーツ服へと集約されてゆくことになった。
装いのこうした変化の背景には、たとえば女性の身体観の変容を挙げることができる。19世紀末から20世紀初頭にかけてアール・ヌーヴォーが流行していた時期、ファッションでは、身体をコルセットで締めつけ、曲線的なシルエットを描く装飾的なドレスが主流であった。しかし、スポーツや旅行が一般化するなど、より活動的なライフスタイルへと変化したアール・デコ期には、ストレートなラインで仕立てられた、簡潔なシルエットのドレスへと変わっていったのだ。
本展では、アール・デコ期の新たな装いを体現した、当時の服飾品の数々を一挙公開。のちに「リトル・ブラック・ドレス」と呼ばれることになるシャネルのデイ・ドレスを筆頭に、ランバン、パトゥ(Patou)、ヴィオネ(Vionnet)などのドレスを展示するほか、指輪型の時計やカルティエ(Cartier)のリングなど、装いにまつわる小物も紹介する。
簡潔なシルエットが主流となったアール・デコ期のファッションでは、芸術家とのコラボレーションがデザインに新たな息吹を吹きこんだ。ラウル・デュフィやソニア・ドローネーなど、画家や工芸家によるデザインを積極的に取り入れ、芸術性と装飾性に富んだスタイルを打ち出したのだ。会場では、デュフィのデザインによるテキスタイルを用いたドレスなど、芸術家とのコラボレーションから生まれたファッションにも光を当てる。
展覧会「アール・デコとモード 京都服飾文化研究財団(KCI)コレクションを中心に」
会期:2025年10月11日(土)〜2026年1月25日(日)
会場:三菱一号館美術館
住所:東京都千代田区丸の内2-6-2
開館時間:10:00〜18:00
※1月2日(金)を除く金曜日、会期最終週平日、第2水曜日は20:00閉館
※入館はいずれも閉館30分前まで
休館日:月曜日(祝日・振替休日除く)、12月31日(水)、1月1日(木・祝)
※トークフリーデー(10月27日(月)、11月24日(月・振)、12月29日(月))および1月19日(月)は開館
観覧料:一般 2,300円(2,100円)、大学生・専門学校生 1,300円(1,000円)、高校生 1,000円
※( )内は前売料金(オンラインにて10月10日(金)まで販売)
※障害者手帳の所持者は半額、付添者1名までは無料
【問い合わせ先】
ハローダイヤル
TEL:050-5541-8600