特別展「THE 新版画 版元・渡邊庄三郎の挑戦」が、ひろしま美術館にて、2022年7月16日(土)から8月28日(日)まで開催される。神奈川、高知、京都ほかでも開催される巡回展だ。
新版画とは、大正期から昭和期にかけて、伝統的な浮世絵版画の木版技術を用いて制作された、新時代の木版画だ。江戸時代に花開いた浮世絵版画は、明治以降の近代化に伴なって衰退しつつあった。そうしたなか、江戸時代以来の絵師・彫師・摺師による版元体制に則しつつ、西洋の写実表現などを取り入れ、同時代の画家たちの近代的な絵画を木版画で表現しようと試みたのが新版画であった。
新版画を考案、牽引したのが、渡邊庄三郎とその版元・渡邊版画店である。若い頃から外国人を相手とした浮世絵の販売や復刻浮世絵版画の制作に関わった渡邊庄三郎は、浮世絵、とりわけ木版画独自の美しさに魅了され、木版画の復興を志すことに。1909年(明治42)に独立すると、1915年(大正4)からは外国人画家の作品の版画化に取り組むとともに、当時の新進気鋭の画家たちを絵師として起用、高品質な材料と伝統にとらわれない彫りや摺りを駆使し、木版画作品を世に送り出していったのだった。
特別展「THE 新版画 版元・渡邊庄三郎の挑戦」では、新版画の生みの親である渡邊庄三郎と渡邊版画店に焦点を合わせつつ、新版画作品を紹介。伊東深水らによる美人画、山村耕花らによる役者絵、川瀬巴水や笠松紫浪らによる風景画、小原祥邨による花鳥画などの日本人画家ばかりでなく、フリッツ・カペラリなど、当時日本に関心を寄せて新版画の発展に貢献した外国人画家による作品も紹介する。
特別展「THE 新版画 版元・渡邊庄三郎の挑戦」
会期:2022年7月16日(土)~8月28日(日) 会期中無休
会場:ひろしま美術館
住所:広島県広島市中区基町3-2
開館時間:9:00~17:00(入館は16:30まで)
入館料:一般 1,300円(1,100円)、高大生 1,000円(800円)、小中学生 500円(300円)、未就学児童 無料
※( )内は前売および20名以上の団体料金
※本展の入館券でコレクション展示も観覧可
※障がい者手帳の持参者本人と同伴者1人は無料
※65歳以上は1,100円(当日受付にて年齢の確認できるものを提示)
※画像転載ならびにコピー禁止
■巡回情報
・茅ヶ崎市美術館
会期:2022年9月10日(土)〜11月6日(日)
住所:神奈川県茅ヶ崎市東海岸北1-4-45
・高知県立美術館
会期:2023年1月28日(土)〜3月19日(日)
住所:高知県高知市高須353-2
・美術館「えき」KYOTO
会期:2023年6月24日(土)〜7月30日(日)
住所:京都府京都市下京区烏丸通塩小路下ル東塩小路町 ジェイアール京都伊勢丹7階隣接
・島根県立美術館
会期:2024年1月26日(金)~3月18日(月)
住所:島根県松江市袖師町1-5
【問い合わせ先】
ひろしま美術館
TEL:082-223-2530