展覧会「橋口五葉のデザイン世界」が、福岡の久留米市美術館にて、2025年9月13日(土)から10月26日(日)まで開催される。栃木の足利市立美術館などでも開催された巡回展だ。
近代日本におけるブックデザインやグラフィックデザインの先駆者であるとともに、新版画でも活躍した、橋口五葉(はしぐち ごよう)。「橋口五葉のデザイン世界」展は、装幀本、絵画や新版画など、約220点の作品や資料をとおして、五葉の活動を紹介する展覧会だ。
五葉が注目を集める契機となったのは、夏目漱石の小説家デビュー作『吾輩ハ猫デアル』の出版に際し、その装幀を手がけたことだ。鹿児島に生まれた五葉は、東京美術学校(現・東京藝術大学)西洋画科に在学中、漱石と知り合い、装幀の依頼を受けることとなる。五葉はその後、漱石ばかりでなく、泉鏡花や森鷗外といった文豪の書籍装幀に携わっていったのであった。
五葉はまた、日本画や洋画、図案、版画を幅広く手がける美術家であった。三越呉服店のための華やかなポスターを制作するほか、伝統的な浮世絵版画の木版技術を用い、絵師・彫師・摺師の協業で作られる「新版画」においても、美人画の数々を残している。
本展では、グラフィックデザインを軸に、五葉の作品を紹介。漱石の『吾輩ハ猫デアル』をはじめ、五葉が装幀を手がけた書籍の数々を筆頭に、三越呉服店の懸賞広告で1等を獲得した《此美人》、《髪梳ける女》や《化粧の女》といった新版画など、多岐にわたる五葉の作品を目にすることができる。
展覧会「橋口五葉のデザイン世界」
会期:2025年9月13日(土)〜10月26日(日)
会場:久留米市美術館
住所:福岡県久留米市野中町1015 石橋文化センター内
開館時間:10:00〜17:00(入館は16:30まで)
休館日:月曜日(9月15日(月・祝)、10月13日(月・祝)は開館)
観覧料:一般 1,200円(1,000円)、65歳以上 900円(700円)、大学生 600円(400円)、高校生以下 無料
※( )内は15名以上の団体料金
※障害者手帳などの持参者および介護者1名は無料
【問い合わせ先】
久留米市美術館
TEL:0942-39-1131