展覧会「幕末土佐の天才絵師 絵金」が、東京・六本木のサントリー美術館にて、2025年9月10日(水)から11月3日(月・祝)まで開催される。大阪のあべのハルカス美術館などでも開催された巡回展だ。
幕末から明治時代初期にかけて、数多くの芝居絵屏風を手がけた土佐の絵師、金蔵(きんぞう)。地元の高知では「絵金さん」として親しまれてきた金蔵は、歌舞伎や浄瑠璃の物語を鮮やかな色彩で描きだした。その屏風は、現在でも夏祭りの際、神社や商店街の軒下に飾られている。
金蔵による芝居絵屏風の多くは、神社や自治会などが分蔵しているため、まとめて目にすることができる機会はきわめて限られている。「幕末土佐の天才絵師 絵金」展は、高知県外では約50年ぶりとなる、金蔵の展覧会。金蔵の作品を一堂に集めて公開するほか、高知の夏祭りでの芝居絵屏風の展示を再現する。
金蔵は、極彩色の芝居絵屏風を数多く残した。その芝居絵は金蔵の没後も継承され、金蔵風でありつつも絵師それぞれの個性が見られる屏風が作られた。こうして、高知県では現在、約200点の芝居絵屏風類が現存するという。会場では、金蔵の基準作として名高い芝居絵屏風を公開。《伊達競阿国戯場 累》や《花衣いろは縁起 鷲の段》といった作品を目にすることができる。
高知では現在、約10か所の神社で、屏風を「絵馬台」と呼ばれる台に飾る昔ながらの夏祭りが行われているものの、その数は徐々に減少している。本展では、高知市朝倉の朝倉神社や、高知市春野町芳原の愛宕神社の絵馬台を再現し、高知の夏祭りの雰囲気を紹介。また、高知の夏祭りを象徴する絵馬提灯も展示する。
会場ではそのほか、風俗、歴史人物、芝居の物語を描いた、金蔵の掛軸や絵巻などを公開するほか、金蔵と深い関わりのあった絵師の作品も紹介。金蔵に師事し、坂本龍馬とも交流のあった河田小龍(かわだ しょうりゅう)や、野口左巌(のぐち さがん)などによる作品を展示する。
展覧会「幕末土佐の天才絵師 絵金」
会期:2025年9月10日(水)~11月3日(月・祝) 会期中に展示替えあり
会場:サントリー美術館
住所:東京都港区赤坂9-7-4 東京ミッドタウン ガレリア 3階
開館時間:10:00~18:00
※金曜日、11月1日(土)・2日(日)は20:00閉館、9月26日(金)・27日(土)は21:00閉館
※入館はいずれも閉館30分前まで
休館日:火曜日
※9月23日(火)、10月28日(火)は18:00まで開館
入館料:一般 1,800円(1,600円)、大学生 1,200円(1,000円)、高校生 1,000円(800円)、中学生以下 無料
※( )内は前売料金(7月2日(水)から9月9日(火)まで販売)
※チケットは、サントリー美術館受付(開館日のみ)、サントリー美術館公式オンラインチケット、ローソンチケット、セブンチケットにて販売
※団体割引:20名以上の団体は各100円割引
※あとろ割:国立新美術館、森美術館の企画展チケット提示で100円割引
※割引の併用不可
【問い合わせ先】
サントリー美術館
TEL:03-3479-8600