関西で2021年に開催されるおすすめの展覧会を特集。大阪・京都・兵庫・三重の美術館や博物館で予定されている開催スケジュールをまとめて紹介する。詳細からは、チケット情報に加え、展示アート作品などのみどころも確認が可能だ。気になる展覧会をチェックして、お出かけの参考にしてみてはいかが。
大阪歴史博物館にて開催される企画展「あやしい絵展」では、日本近代美術における、「美しさ」には括れない「あやしい」魅力を湛えた表現に着目。鏑木清方《妖魚》をはじめ、幕末から昭和初期にかけて制作された絵画、版画、雑誌や書籍の挿絵などから、当時の人びとの欲望が絡み合う神秘的で奇怪な表現を紹介する。
会期:2021年7月3日(土)〜8月15日(日) 会期中に一部作品の展示替えあり
会場:大阪歴史博物館 (大阪府大阪市中央区大手前4丁目1-32)
現代スペインを代表する美術家ミケル・バルセロは、多彩な素材で独創的な絵画や彫刻を制作するとともに、パルマ大聖堂のテラコッタによる壁画装飾を手掛けるなど、大規模なプロジェクトも手掛けている。大阪・国立国際美術館にて開催される日本初の大規模個展では、初期の作品から最新作まで約100点を展示し、その創作活動の全貌を紹介する。
会期:2021年3月20日(土・祝)〜5月30日(日)
会場:国立国際美術館 地下3階展示室 (大阪府大阪市北区中之島4-2-55)
織田信長の遺志を継ぎ全国統一を果たした豊臣秀吉とその一族は、きらびやかな桃山美術をリードする原動力でもあった。大阪市立美術館の特別展「豊臣の美術」では、肖像画や蒔絵調度、狩野派の絵画など、今日まで伝わる豊臣ゆかりの美術工芸品を通して、激動の時代を映しだすきらびやかな造形を紹介する。
会期:2021年4月3日(土)〜5月16日(日)
会場:大阪市立美術館 (大阪府大阪市天王寺区茶臼山町1-82 天王寺公園内)
50年代からニューヨークでファッション・フォトグラファーとして活躍したのち、晩年は"カラー写真のパイオニア"と呼ばれた写真家ソール・ライター。京都の美術館「えき」KYOTOで開催される「ニューヨークが生んだ伝説の写真家 永遠のソール・ライター」では、《薄紅色の傘》などのカラー写真を含む未発表作品約200点を展示。その創作の秘密をひもとく。
会期:2021年2月13日(土)~3月28日(日)
会場:美術館「えき」KYOTO (京都府京都市下京区烏丸通塩小路下ル東塩小路町 京都駅ビル内ジェイアール京都伊勢丹7階隣接)
染色工房「染司 よしおか」の五代目当主であり、染織史家でもあった吉岡幸雄。伝統的な日本の色を求め、古来の文献や染織遺品などの研究を重ねるとともに、社寺の祭祀や古典文学などにみる色彩や装束の再現・復元も手掛けた。京都・細見美術館の特別展「日本の色─吉岡幸雄の仕事と蒐集─」では、日本古来の染色方法による再現衣裳や、布の骨董品“古裂”などから、その軌跡を紹介する。
会期:2021年1月5日(火)〜4月11日(日)
会場:細見美術館 (京都府京都市左京区岡崎最勝寺町6-3)
京都・福田美術館の企画展「栖鳳の時代 ~匂いまで描く」は、京都の巨匠・竹内栖鳳とその時代を紹介する展覧会。匂いや音、湿気までもが感じられると評された、栖鳳の動物画と風景画の大作を中心に、師匠の幸野楳嶺、四天王と称された同輩、そして個性豊かな教え子の作品など、近代京都画壇の作品60点を展示する。
会期:2021年2月13日(土)〜4月11日(日) 会期中に一部展示替えあり
会場:福田美術館 (京都市右京区嵯峨天竜寺芒ノ馬場町3-16)
写真家・鋤田正義は、1972年にロックアーティストのデヴィッド・ボウイと出会い、以後およそ40年にわたる交友を結んだ。京都の美術館「えき」KYOTOで開催される展覧会「時間~TIME BOWIE×KYOTO×SUKITA 鋤田正義写真展」では、親日家であったボウイが京都を訪れたさいに鋤田が撮影した写真と、現在の京都の撮り下ろし作品をあわせて展示する。
会期:2021年4月3日(土)~5月5日(水・祝)
会場:美術館「えき」KYOTO (京都府京都市下京区烏丸通塩小路下ル東塩小路町 京都駅ビル内ジェイアール京都伊勢丹7階隣接)
分離派建築会は、日本初とされる大正時代の建築運動であり、明治の様式建築を1930年以降のモダニズム建築へと接続する役割を果たした。京都国立近代美術館の展覧会「分離派建築会100年展 建築は芸術か?」では、図面や模型、写真、映像など160点を通して、分離派建築会が追い求めた建築の芸術とその歩みを紹介する。
会期:2021年1月6日(水)〜3月7日(日) 会期中に一部展示替えあり
会場:京都国立近代美術館 (京都府京都市左京区岡崎円勝寺町)
京都市京セラ美術館の展覧会「平成美術:うたかたと瓦礫(デブリ) 1989-2019」は、平成年間の日本の現代美術を総覧する初の大規模展だ。企画・監修を美術批評家の椹木野衣が務める本展では、「平成」の美術を、自然災害や事件、事故、経済危機が多発した時代における美術家たちの活動の集積と捉え、テクノクラートやChim↑Pomなど14のアーティストグループや集合体を紹介する。
会期:2021年1月23日(土)〜4月11日(日)
会場:京都市京セラ美術館 (京都府京都市左京区岡崎円勝寺町124)
近代京都画壇を代表する日本画家、上村松園は、絵画の伝統を踏まえたうえで女性画家ならではの女性像を追求し、気品あふれる美人画の数々を手掛けた。京都市京セラ美術館の開館1周年記念展「上村松園」では、最初期から絶筆にいたるまでの代表作約100点を一堂に集め、近代京都画壇の傑出した画家・松園の芸術の全貌を紹介する。
会期:2021年7月17日(土)〜9月12日(日)
会場:京都市京セラ美術館 本館 (京都府京都市左京区岡崎円勝寺町124)
京都市京セラ美術館 開館1周年記念展「モダン建築の京都」は、同館初となる大規模建築展覧会。京都に現存するモダン建築を取り上げ、オリジナル図面や模型、写真などの豊富な資料を通して、古建築だけにとどまらない京都のもうひとつの魅力に迫る。
会期:2021年9月25日(土)〜12月26日(日)
会場:京都市京セラ美術館 (京都府京都市左京区岡崎円勝寺町124)
京都・嵯峨嵐山文華館の企画展「絵でよむ百人一首と源氏物語」は、嵯峨嵐山ゆかりの百人一首をテーマに、和歌の情景を描いたかのような日本画を紹介する展覧会だ。あわせて、百人一首に選ばれた歌人のひとりである紫式部にちなみ、『源氏物語』に関連する屏風や巻物作品も展示する。
会期:2021年2月13日(土)〜4月11日(日) 会期中に一部作品の展示替えあり
会場:嵯峨嵐山文華館 (京都府京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町11)
“戒律”とは仏教徒が守るべき倫理的規範であり、戒律を学ぶことそれ自体が、僧侶や仏教のあり方を示すものとして捉えられてきた。中国で大成された戒律は、のちに鑑真によって日本に伝えられ、仏教革新運動を先導する重要な役割をも担った。京都国立博物館の凝然国師没後700年 特別展「鑑真和上と戒律のあゆみ」では、鑑真の功績を唐招提寺の寺宝を通して紹介するとともに、仏教彫刻・絵画の展示により明治時代に至るまでの戒律の歩みをたどる。
会期:2021年3月27日(土)~5月16日(日) 会期中に一部作品の展示替えあり
会場:京都国立博物館 平成知新館 (京都府京都市東山区茶屋町527)
「ハリー・ポッター」シリーズの背景には、イギリスをはじめ世界各国に伝わる魔法や呪文、占いといった文化が存在している。科学が十分に確立していなかった時代には、薬草による治療や占星術は魔術のように捉えられていたのだ。兵庫県立美術館の展覧会「ハリー・ポッターと魔法の歴史」では、物語の舞台・ホグワーツ魔法学校のカリキュラムに沿って、錬金術や天文学、幻獣などにまつわる資料を展示し、その文化的土壌を探る。
会期:2021年9月11日(土)~11月7日(日)
会場:兵庫県立美術館 (兵庫県神戸市中央区脇浜海岸通1丁目1-1)
近代日本画の巨匠・東山魁夷が、10年もの歳月を費やして完成させた代表作が、奈良・唐招提寺の御影堂の大障壁画だ。兵庫・神戸市立博物館の展覧会「東山魁夷 唐招提寺御影堂障壁画展」では、この障壁画全68面を、唐招提寺御影堂の内部をほぼ再現するかたちで一挙公開する。
会期:2021年4月24日(土)〜6月6日(日) 会期中に一部展示替えあり(障壁画は通期展示)
会場:神戸市立博物館 (兵庫県神戸市中央区京町24番地)