東海地方で2021年に開催される、おすすめのアート展覧会を特集。愛知や静岡の美術館・博物館での開催スケジュールを紹介する。各詳細からは、会期や展示アート作品などの開催情報も確認できるので、気になる展覧会をチェックしてみてはいかが。
愛知県美術館の「トライアローグ 横浜美術館・愛知県美術館・富山県美術館 20世紀西洋美術コレクション」は、3館の所蔵作品を組み合わせ、20世紀西洋美術の歴史をたどる展覧会だ。パブロ・ピカソなど20世紀美術の幕開けに始まり、サルバドール・ダリといったシュルレアリスム、ジャクソン・ポロックらが活躍した抽象表現主義を経て、アンディ・ウォーホルらポップアート、そしてフランシス・ベーコンやゲルハルト・リヒターなどの多元化する20世紀後半の美術に至るまで、絵画を中心に約120点を展示する。
会期:2021年4月23日(金)〜6月27日(日)〈予定〉
会場:愛知県美術館 (愛知県名古屋市東区東桜一丁目13番2号)
フランソワ・ポンポンは、20世紀初頭に人気を集めた動物彫刻家だ。なかでも巨大彫刻《シロクマ》でよく知られるが、そのほかにも多彩な動物をモデルに、シンプルでなめらかな造形の彫刻を数多く手がけた。京都市京セラ美術館ほかにて開催される、日本初の回顧展「フランソワ・ポンポン展 ~動物を愛した彫刻家~」では、さまざまな動物彫刻の作品からその制作の全貌を紹介する。
会期:2021年9月18日(土)〜11月14日(日)
会場:名古屋市美術館 (愛知県名古屋市中区栄2-17-25(芸術と科学の杜・白川公園内))
名古屋・ヤマザキマザック美術館の特別展「名古屋城からはじまる植物物語」は、名古屋城本丸御殿を彩った狩野派の障壁画を起点に、“植物”表現の系譜を紹介する展覧会。尾張の絵師が継承してきた花鳥画をルーツとして、その伝統が西洋植物学と融合し、ボタニカルアート、ジャポニスム、そしてアール・ヌーヴォーへとつながっていった流れをたどる。
会期:2021年4月24日(土)〜8月29日(日)
会場:ヤマザキマザック美術館 (愛知県名古屋市東区葵1-19-30)
愛知・豊田市美術館の企画展「ボイス+パレルモ」は、第二次世界大戦以降でもっとも重要な芸術家のひとりであるヨーゼフ・ボイスと、その教え子のひとりであり、静謐な絵画作品を残したブリンキー・パレルモの二人展。主に1960-70年代に手がけられた両者の作品から、社会と芸術の関係性を再考する。
会期:2021年4月3日(土)〜6月20日(日) 会期途中に展示替えを予定
会場:豊田市美術館 (愛知県豊田市小坂本町8-5-1)
明治から大正にかけて活躍した日本画家・渡辺省亭は、繊細で洒脱な花鳥画により欧米で高い評価を獲得した。愛知・岡崎市美術博物館の展覧会「渡辺省亭─欧米を魅了した花鳥画─」は、省亭の全貌を詳らかにする初の回顧展。初来日となる作品を含む花鳥画や洗練された画風の美人画などから、その全画業を紹介する。
なお、本展は静岡・佐野美術館にも巡回する。
・愛知展
会期:2021年5月29日(土)〜7月11日(日)〈予定〉
会場:岡崎市美術博物館 (愛知県岡崎市高隆寺町字峠1)
・静岡展
会期:2021年7月17日(土)〜8月29日(日)
会場:佐野美術館 (静岡県三島市中田町1-43)
“モーゼスおばあさん(グランマ・モーゼス)”の愛称で親しまれるアメリカの国民的画家、アンナ・メアリー・ロバートソン・モーゼスは、自然や農村の暮らしを素朴な作風で描き、当時のアメリカ人から高い人気を集めた。名古屋市美術館で開催される生誕160年記念「グランマ・モーゼス展─素敵な100年人生」では、初期作から絶筆まで約130点の作品を通して、身近な出来事や自然への温かなまなざしを感じられるグランマ・モーゼスの世界を紹介する。
なお、本展は静岡市美術館にも巡回する。
・名古屋会場
会期:2021年7月10日(土)〜9月5日(日)
会場:名古屋市美術館 (愛知県名古屋市中区栄2丁目17-25 芸術と科学の杜・白川公園内)
・静岡会場
会期:2021年9月14日(火)〜11月7日(日)
会場:静岡市美術館 (静岡県静岡市葵区紺屋町17-1 葵タワー 3階)
イギリスのロンドン郊外にあるキューガーデンは、ユネスコ世界遺産にも登録されている世界最大級の植物園だ。静岡市美術館の展覧会「キューガーデン 英国王室が愛した花々 シャーロット王妃とボタニカルアート」では、キューガーデンのコレクションを中心に、18世紀から19世紀初頭に描かれたボタニカルアートなどを通して、西洋において世界の見方が転換を迎えた時代に、先端性の一翼を担うとともに人びとの暮らしを華やかに彩ったボタニカルアートの世界を紹介する。
会期:2021年4月15日(木)〜6月6日(日)
会場:静岡市美術館 (静岡県静岡市葵区紺屋町17-1 葵タワー3F)
江戸時代初期に活躍した絵師・岩佐又兵衛は、豊かな頬と長い顎を持つ「豊頬長頤(ほうぎょうちょうい)」と形容される人物表現や、和漢が混合した独自の画風で人気を集めた。静岡・熱海のMOA美術館で開催される展覧会「伝説の絵師 岩佐又兵衛 三大絵巻」では、又兵衛の画業を代表する極彩色絵巻群から三絵巻を展示する。
会期:2021年3月12日(金)〜4月20日(火)
会場:MOA美術館 (静岡県熱海市桃山町26-2)