企画展「伊藤彦造展~美剣士の血とエロティシズム~」が、東京の弥生美術館にて、2025年9月20日(土)から12月21日(日)まで開催される。
大正時代末にデビューし、昭和40年代まで活躍した挿絵画家、伊藤彦造(いとう ひこぞう)。雑誌を中心に活躍した彦造は、殺気あふれる戦いの場面や魅惑的な美剣士をペン画によって濃密に描きだし、官能的な陶酔感と死の渇望が交わる表現で人気を博した。
企画展「伊藤彦造展~美剣士の血とエロティシズム~」は、死と美を重ねあわせ、耽美的な少年や青年を描いた彦造を紹介する展覧会。原画、昭和時代初期の印刷物、日本画など、初公開を含む約200点の作品を一堂に集めて展示する。
彦造は、闘う武士を題材に、細密な描写で耽美的に描いた。本展では、アメリカ大陸を舞台に、インカの財宝をめぐって繰り広げられる冒険物語「豹の眼(ジャガーのめ)」、「つくばおろし」、丸橋忠弥めし捕り」、初公開となる《上杉謙信(仮題)》など、彦造による作品の数々を目にすることができる。
彦造の作風には、凄惨な主題を得意とした幕末から明治時代の浮世絵師・月岡芳年の影響を感じることができる。また、彦造によるペン画の超絶技巧は、後世の漫画家をも魅了した。彦造はこのように、幕末の浮世絵と現代の漫画やアニメを繋ぐ位置を占めるといえる。本展では、こうした点にも着目しつつ、彦造の活動を紹介する。
彦造はまた、さまざまなタイプの女性も描いていた。アール・デコ調のドレスを身に纏う妖艶な女性を描いた《ニューカルトンの夜》や、「豹の眼(ジャガーのめ)」の可憐な少女の姿などを紹介する。
企画展「伊藤彦造展~美剣士の血とエロティシズム~」
会期:2025年9月20日(土)~12月21日(日)
会場:弥生美術館 1・2階展示室
住所:東京都文京区弥生2-4-3
開館時間:10:00〜17:00(入館は16:30まで)
休館日:月曜日(10月13日(月・祝)、11月3日(月・祝)・24日(月・振)は開館)、10月14日(火)、11月4日(火)・25日(火)
入館料:一般 1,200円、高校・大学生 1,000円、小・中学生 500円
※竹久夢二美術館と2館あわせて観覧可
【問い合わせ先】
弥生美術館
TEL:03-3812-0012