企画展「もてなす美 —能と茶のつどい」が、東京・六本木の泉屋博古館東京にて、2025年11月22日(土)から12月21日(日)まで開催される。
住友家旧蔵の美術品を擁する、泉屋博古館東京の住友コレクション。住友家の歴代当主は、教養として能楽や茶の湯を嗜むとともに、能や茶の会を自ら主催し、客人をもてなすことで、幅広い交流関係を築いてきた。企画展「もてなす美 —能と茶のつどい」は、このようにもてなしの場で用いるために集められた、能や茶にまつわる作品約60点を紹介する展覧会だ。
住友コレクションの能にまつわる諸道具は、その多くが住友家の15代当主、住友吉左衞門友純(号・春翠)によって集められたものである。春翠は能を好み、自らも嗜んでおり、コレクションには春翠が実際に身に着け舞を舞ったと考えられる装束も含まれる。そして、春翠の能道具収集を助けたのが、能楽師の大西亮太郎だ。大西は春翠の能の師であり、住友家で催された宴席などにおいてもしばしば能を披露している。
会場では、住友コレクションの能装束、能面や楽器を一挙公開。とりわけ能装束は、単に鑑賞用としてではなく、演能で使用するために集められたものが多いため、きらびやかな装束のみならず、落ち着いた美しさを持つものも数多く含まれる。本展は、《紅白萌黄段青海波笹梅枝垂桜模様唐織》や《白地松青海波模様袷狩衣》など、住友コレクションの多様な能装束を一挙公開する、約20年ぶりの機会となる。
また、「染織品と金属」に着目するテーマ展示も。染織品ではしばしば、金属が用いられることがある。たとえば、金箔を使った糸を織りこむ「金襴(きんらん)」や、金箔などを張り付けて文様を表す「摺箔(すりはく)」、繊維に染着しにくい染料を染まりやすく促す「媒染剤」を挙げることができる。会場では、こうした視点から、《紅地時鳥薬玉模様縫箔》や《紺地桐卍字散模様袷狩衣》といった能装束を紹介する。
一方、春翠の能道具収集を助けた大西亮太郎は、茶の湯の友でもあり、春翠が催した茶会にもしばしば参加している。本展では、《小井戸茶碗 銘 筑波山》や、酒井抱一の下絵をもとに作られた《椿蒔絵棗》など、大西が参加した茶会で使われた茶道具を目にすることができる。
企画展「もてなす美 —能と茶のつどい」
会期:2025年11月22日(土)〜12月21日(日)
会場:泉屋博古館東京
住所:東京都港区六本木1-5-1
開館時間:11:00~18:00(金曜日は19:00閉館)
※入館はいずれも閉館30分前まで
休館日:月曜日(11月24日(月・振)は開館)、11月25日(火)
入館料:一般 1,200円(1,000円)、学生 600円(500円)、18歳以下 無料
※20名以上の団体は( )内の割引料金
※障がい者手帳などの提示者本人および同伴者1名までは無料
【問い合わせ先】
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TEL:050-5541-8600