ヌメロ ヴェントゥーノ(N21)の2026年春夏コレクションが、2025年9月24日(水)、イタリア・ミラノで発表された。
今季のヌメロ ヴェントゥーノからは、ロマンティックな反逆が感じられる。ベースとなるのは、センシュアルなスリップドレスやレースブラ、ミニスカートといった、女性らしさの象徴とも言えるアイテムの数々。それらを多彩なテクスチャーとレイヤードで再解釈し、クラシックな型を打ち破っているように思われる。
特筆すべきは、ほとんどすべてのルックで提案されたレイヤードの表現だ。シャツとカーディガンのレイヤーは重ね着で少し乱れ、はだけたサテンドレスの下には別のスリップドレスが隠れている。サイドスリットを大きく配したゴールドのプリーツスカートは、モデルが歩みを進める度、中に忍ばせたホワイトの生地がひらりと顔を出す。
これらの表情豊かなレイヤードは、軽やかな素材使いによってさらにバリエーションを広げている。シースルーのスカートに、シフォン生地のドット柄ドレスを重ね着し、刺繍入りのレースブラや煌めくブロケード素材のパンツを透かしたルックがその好例。このようにして、親密なランジェリーをシアー素材のヴェールで曖昧に見え隠れさせたルックが数多く提案された。
シルエットは、流麗なものと構築的なものとをミックスしてリズムを創出。レースやシフォンを用いたしなやかなドレスを基調に、厚手のサテン生地に硬めのプリーツを施したスカートや、ハラコ素材のテーラリング、マイクロミニ丈のバルーンスカートといった立体感のあるピースで輪郭を描き出した。
ジュエリーのような煌めき放つシューズにも目を向けたい。ラウンドドゥのスリングバックと、バックルを配したダービーシューズは、シルバースタッズで華麗に装飾。それぞれ、ホワイト、ブラック、ライトブルー、ブラウンと多彩なカラーで展開され、コレクションを足元から彩った。