特別展「愛でたい美術 —絵画とやきものに見る幸せのかたち—」が、神奈川・箱根の岡田美術館にて、2025年12月14日(日)から2026年6月7日(日)まで開催される。
東洋の美術作品には、延命長寿や子孫繁栄、家内安全など、幸せへの願いを込めたモチーフが表されてきた。その例として、縁起物とされた「松竹梅」、長寿の鳥とされる「鶴」、不老長寿の「仙人」などを挙げることができる。特別展「愛でたい美術 —絵画とやきものに見る幸せのかたち—」は、こうしたおめでたいモチーフを愛らしく表現した絵画ややきものを紹介する展覧会だ。
たとえば、松竹梅をモチーフとした作品。松・竹・梅は、いずれも冬の寒さに耐えることから「歳寒三友」と呼ばれ、やがて縁起物として表されるようになった。本展では、金地を背景に、紅白の花を咲かせる梅の老木を描いた《紅白梅図屏風》、松竹梅に菊などを添えることで、めでたさを強調した《色絵松竹梅文徳利》などを紹介する。
また、鳥は、自由に空を飛ぶことから、人間が到達できない神々の世界からの使者として、神聖視されてきた。会場では、優れた君主の兆しとして姿を現すという、鳳凰を描いた狩野探幽の《舜王・娥皇・女英図》、千年生きると言われる鶴を取り上げた木村武山の《松に鶴図屏風》、9つの徳を備える鳥とされる孔雀と、富貴を象徴する牡丹を組み合わせた岡本秋暉の《孔雀図》などを展示する。
人智を超えた存在である神や仏は、畏怖の対象である一方、その存在を身近に感じられる、親しみのある姿でも表された。本展では、口を開けて笑う寿老人を描いた尾形光琳の《寿老人図》、龍と鳳凰を描いた景徳鎮窯の《五彩龍鳳文合子》などを目にすることができる。
特別展「愛でたい美術 —絵画とやきものに見る幸せのかたち—」
会期:2025年12月14日(日)~2026年6月7日(日)
会場:岡田美術館
住所:神奈川県足柄下郡箱根町小涌谷493-1
開館時間:9:00〜17:00(入館は16:30まで)
休館日:12月31日(水)、1月1日(木・祝)
入館料:一般・大学生 2,800円(2,550円)、小学・中学・高校生 1,800円
※( )内は前売料金
※特集展示「金屏風 —馬とサムライ—」も同時開催
【問い合わせ先】
岡田美術館(代表)
TEL:0460-87-3931