fashionpress[ファッションプレス]

fashionpress x fashionpress instagram 検索
menu

fashionpress[ファッションプレス]

  1. トップ   /  
  2. ニュース   /  
  3. アート   /  
  4. イベント

日本を代表する漆工品「根来」の展覧会が東京・サントリー美術館で、“赤と黒の漆”重ねた名品が一堂に

  •  twitter
  • 42 170
  •  facebook logo
  • LINE
  • LINK リンクをコピー
記事のURLをコピーしました

展覧会「NEGORO 根来 — 赤と黒のうるし」が、東京・六本木のサントリー美術館にて、2025年11月22日(土)から2026年1月12日(月・祝)まで開催される。大阪市立美術館でも開催される巡回展だ。

赤と黒の漆が織りなす「根来」

《湯桶》 一合 サントリー美術館 [11月22日(土)〜12月15日(月)展示]
《湯桶》 一合 サントリー美術館 [11月22日(土)〜12月15日(月)展示]

「根来(ねごろ)」とは、下地を施した木地に、黒漆の中塗と朱漆を重ねた漆器だ。赤や黒の漆で塗られた器は、日本で古来使われてきたものの、中世に和歌山の根來寺(ねごろじ)で作られた良質の朱漆器は「根来塗(ねごろぬり)」と呼ばれ、特別視されることとなる。力強い佇まいを持つ根来は、寺院や神社といった信仰の場で使われるばかりでなく、民衆の生活においても大切にされてきたのであった。

《瓶子》 一口 サントリー美術館 [通期展示]
《瓶子》 一口 サントリー美術館 [通期展示]

展覧会「NEGORO 根来 — 赤と黒のうるし」では、日本を代表する漆器である根来を紹介。根來寺が繁栄を極めた中世の漆工品を中心に、名品や名宝を一堂に集めて公開する。

「根来」という名称が生まれる前

重要文化財 《瓶子》 貞和2年(1346年)銘 一対二口のうち一口 惣社水分神社 写真提供:宇陀市教育委員会事務局 文化財課 [通期展示(入替あり)]
重要文化財 《瓶子》 貞和2年(1346年)銘 一対二口のうち一口
惣社水分神社 写真提供:宇陀市教育委員会事務局 文化財課 [通期展示(入替あり)]

赤や黒の漆で塗られた木製品は、先史時代から使われてきた。赤は、太陽の色や生命の色など、神秘的で呪術的な意味合いが込められたとされる一方、黒はすべてを包みこむ闇の色であり、いずれも人々の原初的な感覚に根ざした色であったといえる。とりわけ、赤く彩った朱漆器は、神仏に捧げられるばかりでなく、権力の象徴ともなった。第1章では、赤と黒の漆工品のなかから、「根来」という名称が定着する以前の名品に着目し、重要文化財《瓶子》や、国宝の熊野速玉大社古神宝類のうち《唐櫃》などを紹介する。

和歌山・根來寺とその周辺

重要文化財 《布薩盥》 寛正3〜天文8年(1462〜1539年)頃 二対四口のうち一口 水戸大師 六地蔵寺 撮影:山崎兼慈 [12月17日(水)〜1月12日(月・祝)展示]
重要文化財 《布薩盥》 寛正3〜天文8年(1462〜1539年)頃 二対四口のうち一口
水戸大師 六地蔵寺 撮影:山崎兼慈 [12月17日(水)〜1月12日(月・祝)展示]

「根来」という名称が生まれたのは、中世に大寺院として隆盛した和歌山の根來寺において、質の高い朱漆器が生産されたという伝承に基づいている。根来塗と同様の様式による漆器は、根來寺にとどまらず各地で作られ、宗教儀礼から日常の場へと広まっていった。第2章では、重要文化財《布薩盥》や《湯桶》など、根來寺とその周辺で作られた朱漆器を一堂に集めて展示する。

愛でられる「根来」

《輪花盆》 一枚 黒澤明旧蔵 北村美術館 [通期展示]
《輪花盆》 一枚 黒澤明旧蔵 北村美術館 [通期展示]

赤と黒の漆で塗られた器が「根来」と呼ばれるようになるのは、江戸時代以降のこと。また、第二次世界大戦後には、無名の日用品に美を見出そうとした民藝の思想も相まって、生活に根差した「根来」は、美術工芸品としての位置も確立するようになった。第3章では、白洲正子や黒澤明ら著名人が愛好した根来を展示するとともに、黒田辰秋の《根来塗平棗》といった作品にも光を当てる。

展覧会概要

展覧会「NEGORO 根来 — 赤と黒のうるし」
会期:2025年11月22日(土)〜2026年1月12日(月・祝) 会期中に展示替えあり
会場:サントリー美術館
住所:東京都港区赤坂9-7-4 東京ミッドタウン ガレリア 3F
開館時間:10:00~18:00
※金曜日、1月10日(土)は20:00閉館
※入館はいずれも閉館30分前まで
休館日:火曜日、12月30日(火)〜1月1日(木・祝)
※1月6日(火)は18:00まで開館
入館料:一般 1,800円(1,600円)、大学生 1,200円(1,000円)、高校生 1,000円(800円)、中学生以下 無料
※( )内は前売料金(9月10日(水)から11月21日(金)まで販売。ただし、サントリー美術館受付での販売は、9月10日(水)から11月3日(月・祝)までの開館日のみ)
※団体割引:20名以上の団体は各100円割引
※あとろ割:国立新美術館、森美術館の企画展チケット提示で100円割引
※割引の併用不可

【問い合わせ先】
サントリー美術館
TEL:03-3479-8600

Photos(7枚)

日本を代表する漆工品「根来」の展覧会が東京・サントリー美術館で、“赤と黒の漆”重ねた名品が一堂に|写真1 日本を代表する漆工品「根来」の展覧会が東京・サントリー美術館で、“赤と黒の漆”重ねた名品が一堂に|写真2 日本を代表する漆工品「根来」の展覧会が東京・サントリー美術館で、“赤と黒の漆”重ねた名品が一堂に|写真3 日本を代表する漆工品「根来」の展覧会が東京・サントリー美術館で、“赤と黒の漆”重ねた名品が一堂に|写真4 日本を代表する漆工品「根来」の展覧会が東京・サントリー美術館で、“赤と黒の漆”重ねた名品が一堂に|写真5 日本を代表する漆工品「根来」の展覧会が東京・サントリー美術館で、“赤と黒の漆”重ねた名品が一堂に|写真6 日本を代表する漆工品「根来」の展覧会が東京・サントリー美術館で、“赤と黒の漆”重ねた名品が一堂に|写真7

Photos(7枚)

日本を代表する漆工品「根来」の展覧会が東京・サントリー美術館で、“赤と黒の漆”重ねた名品が一堂に|写真1 日本を代表する漆工品「根来」の展覧会が東京・サントリー美術館で、“赤と黒の漆”重ねた名品が一堂に|写真2 日本を代表する漆工品「根来」の展覧会が東京・サントリー美術館で、“赤と黒の漆”重ねた名品が一堂に|写真3 日本を代表する漆工品「根来」の展覧会が東京・サントリー美術館で、“赤と黒の漆”重ねた名品が一堂に|写真4 日本を代表する漆工品「根来」の展覧会が東京・サントリー美術館で、“赤と黒の漆”重ねた名品が一堂に|写真5 日本を代表する漆工品「根来」の展覧会が東京・サントリー美術館で、“赤と黒の漆”重ねた名品が一堂に|写真6 日本を代表する漆工品「根来」の展覧会が東京・サントリー美術館で、“赤と黒の漆”重ねた名品が一堂に|写真7

キーワードから探す

関連ショップ・スポット

商業施設・エリア