展覧会「大吉原展」が、東京藝術大学大学美術館にて、2024年3月26日(火)から5月19日(日)まで開催される。

吉原遊廓、文化と芸術の全貌

「吉原遊廓(よしわらゆうかく)」は、広大な敷地に約250年にわたって続いた、江戸幕府公認の遊廓だ。江戸時代のほかの遊廓とは一線を画する、格式と伝統を備えた吉原遊廓では、洗練された教養と鍛え抜かれた芸事で客をもてなし、季節ごとの催しが行われた。文化発信の中心地となったこの遊廓は、武士ばかりでなく、多くの江戸庶民や地方から江戸に来た人々をも惹きつけ、数多くの浮世絵師によって描かれている。

展覧会「大吉原展」では、現代にあって失われた吉原遊廓に花開いた文化と芸術を紹介。アメリカのワズワース・アテネウム美術館やイギリスの大英博物館からの里帰り作品を含む、国内外の名品約250件を一堂に集め、吉原遊廓の全貌に光をあてる。

吉原にまつわる絵画が一堂に

本展では、近世から近代まで、吉原遊廓にまつわる作品を一挙公開。たとえば、喜多川歌麿の《吉原の花》は、引手茶屋の1階と2階の様子を、圧倒的な描写力で大画面に描きだした作品だ。歌麿の肉筆画のなかでも最大級の作品である同作は、《深川の雪》、《品川の月》とあわせて、歌麿の三部作として知られている。

また、会場では、菱川師宣(ひしかわ もろのぶ)や喜多川歌麿(きたがわ うたまろ)、歌麿と同時代に活躍した鳥文斎栄之(ちょうぶんさい えいし)など、江戸時代の絵師が描いた風俗画や美人画を紹介。遊女のファッションなど、吉原ならではの文化と風習にもふれることができるだろう。加えて、洋画家・高橋由一(たかはし ゆいち)が明治時代に手がけた《花魁》(重要文化財)を修復後初公開する。

妓楼の立体模型や江戸風俗人形も

さらに、日本を代表する人形作家・辻村寿三郎(つじむら じゅさぶろう)の江戸風俗人形が並ぶ、吉原の妓楼「三浦屋」の立体模型を展示。それぞれの人形は体高20cmに満たないものの、1体ごとに精巧に作られており、花や鳥などを刺繍で施した衣装を身に着けている。

展覧会概要

展覧会「大吉原展」
会期：2024年3月26日(火)〜5月19日(日) 会期中に展示替えあり
［前期 3月26日(火)〜4月21日(日) / 後期 4月23日(火)〜5月19日(日)］
会場：東京藝術大学大学美術館
住所：東京都台東区上野公園12-8
開館時間：10:00〜17:00(入館は閉館30分前まで)
休館日：月曜日(4月29日(月・祝)、5月6日(月・振)は開館)、5月7日(火)
観覧料：一般 2,000円(1,800円)、高校・大学生 1,200円(1,000円)、中学生以下 無料
※障がい者手帳の所持者および付添者1名は無料(入館時に障がい者手帳などを提示)
※前売券は2月1日(木)から3月25日(月)まで販売
※チケットは、公式チケット(ARTPASS)、イープラス、 チケットぴあ、ローソンチケット、セブンチケット、Boo-Woo チケットほかにて販売

【問い合わせ先】
TEL：050-5541-8600(ハローダイヤル)