2022年に開催される西洋美術のおすすめ展覧会を特集。東京を中心に、関西・関東ほか全国の美術館・博物館でのスケジュール、会期などの開催情報を紹介する。各詳細からは、絵画の名品など展示されるアート作品や、観覧料などもあわせてチェックすることが可能だ。
東京・六本木の国立新美術館で開催される展覧会「メトロポリタン美術館展 西洋絵画の500年」では、世界各地の文化遺産を包括的に所蔵しているメトロポリタン美術館の所蔵作品から、初期ルネサンスからポスト印象派まで西洋絵画史の500年を紹介。フェルメールの《信仰の寓意》を筆頭に、ラファエロ、カラヴァッジョ、ブーシェ、モネなどの珠玉の名画が一堂に会する。
「メトロポリタン美術館展 西洋絵画の500年」
会期:2022年2月9日(水)〜5月30日(月)
会場:国立新美術館 (東京都港区六本木7-22-2)
東京・新宿のSOMPO美術館で開催される「シダネルとマルタン展 ─最後の印象派、二大巨匠─」は、「最後の印象派」と称される世代の中心的存在であった画家、アンリ・ル・シダネルとアンリ・マルタンを紹介する展覧会。世紀末からモダニズムに至るベル・エポック期に、穏やかで神秘的な光の表現を追求したふたりの画家の足跡を、約70点の油彩・素描・版画からたどる。
「シダネルとマルタン展 ─最後の印象派、二大巨匠─」
会期:2022年3月26日(土)~6月26日(日)
会場:SOMPO美術館 (東京都新宿区西新宿1-26-1)
東京・パナソニック汐留美術館の「イスラエル博物館所蔵 ピカソ展 ―ひらめきの原点―」は、エルサレム・イスラエル博物館所蔵のピカソ・コレクションから、パブロ・ピカソの選りすぐりの作品を一挙に紹介する展覧会だ。会場では、版画を中心に油彩画や写真など、初期から亡くなる3年前の1970年まで、合計約130点の作品を年代順に紹介。青の時代から、バラ色の時代、キュビスム、新古典主義、シュルレアリスムへと向かうピカソの画風の変遷をたどる。
「イスラエル博物館所蔵 ピカソ展 ―ひらめきの原点―」
会期:2022年4月9日(土)~6月19日(日)
会場:パナソニック汐留美術館 (東京都港区東新橋1-5-1 パナソニック東京汐留ビル4F)
東京・上野の国立西洋美術館で開催される小企画展「調和にむかって:ル・コルビュジエ芸術の第二次マシン・エイジ ─ 大成建設コレクションより」は、ル・コルビュジエによる晩年の絵画と素描を紹介する展覧会。人間と機械、感情と合理性、そして芸術と科学の調和を目指した芸術傾向を、絵画作品の大作や制作過程を示す素描などから探る。
「調和にむかって:ル・コルビュジエ芸術の第二次マシン・エイジ ─ 大成建設コレクションより」
会期:2022年4月9日(土)〜9月19日(月・祝)
会場:国立西洋美術館 (東京都台東区上野公園7-7)
上野の東京都美術館で開催される展覧会「スコットランド国立美術館 THE GREATS 美の巨匠たち」では、上質で幅広い西洋絵画コレクションを有するスコットランド国立美術館のコレクションから、選りすぐりの絵画作品を紹介。ラファエロやベラスケス、レンブラント、ルノワール、そしてレノルズやターナーなど、ルネサンス期から19世紀後半までの巨匠画家による作品が一堂に会する。
「スコットランド国立美術館 THE GREATS 美の巨匠たち」
会期:2022年4月22日(金)~7月3日(日)
会場:東京都美術館 (東京都台東区上野公園8-36)
東京のアーティゾン美術館で開催される展覧会「Transformation 越境から生まれるアート」では、国境を超えた作家や作品の移動、そして知見や評価の伝播といった「越境」に着目し、19世紀半ばから第二次大戦後までにかけてのヨーロッパ、日本、アメリカの美術を展望。ピエール゠オーギュスト・ルノワール、藤島武二、パウル・クレー、そしてザオ・ウーキーという、活動の時期も地域も異なる4人の画家を中心に、各々の「越境」がもたらした「変化」に光をあてる。
「Transformation 越境から生まれるアート」
会期:2022年4月29日(金・祝)〜7月10日(日)
会場:アーティゾン美術館 (東京都中央区京橋1-7-2)
国立西洋美術館が、ドイツ・フォルクヴァング美術館とコラボレーション。展覧会「国立西洋美術館リニューアルオープン記念 自然と人のダイアローグ フリードリヒ、モネ、ゴッホからリヒターまで」では、西欧近代美術における自然をめぐる表現に着目し、カスパー・ダーヴィト・フリードリヒ、クロード・モネ、フィンセント・ファン・ゴッホ、そしてゲルハルト・リヒターなどの作品を紹介する。
「国立西洋美術館リニューアルオープン記念 自然と人のダイアローグ フリードリヒ、モネ、ゴッホからリヒターまで」
会期:2022年6月4日(土)〜9月11日(日)
会場:国立西洋美術館 (東京都台東区上野公園7-7)
東京国立近代美術館で開催される展覧会「ゲルハルト・リヒター展」は、東京の美術館では初となるゲルハルト・リヒターの大規模個展。ショアー(ホロコースト)を題材とし、近年の重要作品とされる《ビルケナウ》を日本初公開するほか、初期のフォト・ペインティング、アブストラクト・ペインティングやオイル・オン・フォトなど、リヒターの画業をテーマ別に紹介する。
「ゲルハルト・リヒター展」
会期:2022年6月7日(火)〜10月2日(日)
会場:東京国立近代美術館 (東京都千代田区北の丸公園3-1)
東京・六本木の国立新美術館では、展覧会「ルートヴィヒ美術館展 20世紀美術の軌跡─市民が創った珠玉のコレクション」を開催。20世紀から現代までの美術作品を所蔵するドイツ・ケルンにあるルートヴィヒ美術館のコレクションから、ヨーロッパ最大とも評されるポップ・アートのコレクション、表現主義や新即物主義などドイツの近代美術、世界屈指のパブロ・ピカソのコレクション、ロシア・アヴァンギャルドの名品、そして写真コレクションの作品を紹介する。
「ルートヴィヒ美術館展 20世紀美術の軌跡─市民が創った珠玉のコレクション」
会期:2022年6月29日(水)~9月26日(月)
会場:国立新美術館 (東京都港区六本木7-22-2)
東京・新宿のSOMPO美術館では、展覧会「スイス プチ・パレ美術館展 印象派からエコール・ド・パリへ」を開催。スイス・ジュネーヴにあるプチ・パレ美術館のフランス近代絵画コレクションから、ルノワールやカイユボット、ドニ、ユトリロ、藤田嗣治など、19世紀後半から20世紀初頭に至る画家による絵画作品を一挙公開する。
「スイス プチ・パレ美術館展 印象派からエコール・ド・パリへ」
会期:2022年7月13日(水)~10月10日(月・祝)
会場:SOMPO美術館 (東京都新宿区西新宿1-26-1)
東京・丸の内の三菱一号館美術館で開催される展覧会「ヴァロットン─黒と白」では、19世紀末のパリで活躍したフェリックス・ヴァロットンによる“黒と白”の版画作品を紹介。三菱一号館美術館が世界に誇るヴァロットン版画コレクションから、希少性の高い連作「アンティミテ」「これが戦争だ!」など、約180点の作品を一挙公開する。
「ヴァロットン─黒と白」
会期:2022年10月29日(土)〜2023年1月29日(日)
会場:三菱一号館美術館 (東京都千代田区丸の内2-6-2)
大阪中之島美術館の開館記念特別展「モディリアーニ ─愛と創作に捧げた35年─」は、国内外のモディリアーニ作品約40点が一堂に会する展覧会。モディリアーニ芸術の真骨頂といえる肖像画とヌードを一挙に紹介するほか、モディリアーニと親交を深めたパリの芸術家の作品もあわせて紹介する。
「モディリアーニ展 ─愛と創作に捧げた35年─」
会期:2022年4月9日(土)〜7月18日(月・祝)
会場:大阪中之島美術館 (大阪府大阪市北区中之島4-3-1)
企画展「アンニュイの小部屋 アルフォンス・ミュシャと宇野亞喜良」が、大阪の堺 アルフォンス・ミュシャ館にて開催。グラフィック領域で女性や少女を題材に独自の作品を手がけてきた2人のアーティストの作品を、“アンニュイ”をキーワードに紹介する初の展覧会となる。
「アンニュイの小部屋 アルフォンス・ミュシャと宇野亞喜良」
会期:2022年4月9日(土)〜7月31日(日)
会場:堺 アルフォンス・ミュシャ館 (大阪府堺市堺区田出井町1-2-200 ベルマージュ堺弐番館)
大阪市立美術館で開催される特別展「ドレスデン国立古典絵画館所蔵 フェルメールと17世紀オランダ絵画展」は、ドイツ・ドレスデン国立古典絵画館が所蔵するバロック絵画を紹介する展覧会。フェルメール初期の傑作《窓辺で手紙を読む女》修復後の姿を公開するほか、レンブラントやライスダールなど、珠玉の作品を一挙公開する。
「ドレスデン国立古典絵画館所蔵 フェルメールと17世紀オランダ絵画展」
会期:2022年7月16日(土)~9月25日(日)
会場:大阪市立美術館 (大阪府大阪市天王寺区茶臼山町1-82 天王寺公園内)
箱根のポーラ美術館では、企画展「ポーラ美術館開館20周年記念展 モネからリヒターへ ─ 新収蔵作品を中心に」を開催。ポーラ美術館のコレクション作品を、近年新たに収蔵した作品とともに紹介する初の展覧会となる本展では、ゲルハルト・リヒターやヴィルヘルム・ハマスホイ、クロード・モネなど、同館が誇る名品の数々を楽しむことができる。
「ポーラ美術館開館20周年記念展 モネからリヒターへ ─ 新収蔵作品を中心に」
会期:2022年4月9日(土)~2022年9月6日(火)
会場:ポーラ美術館 (神奈川県足柄下郡箱根町仙石原小塚山1285)