企画展「生誕120年 棟方志功展 メイキング・オブ・ムナカタ」が、東京国立近代美術館にて、2023年10月6日(金)から12月3日(日)まで開催される。富山県美術館でも開催され、7月29日(土)から9月24日(日)までは青森県立美術館にて開催される巡回展だ。

戦後日本を代表する版画家・棟方志功の回顧展

棟方志功(むなかた しこう)は、ヴェネチア・ビエンナーレでの受賞など、国際的に高く評価された版画家だ。1903年青森に生まれた棟方は、24年に上京し、1945年富山に疎開している。青森、東京、富山というこれら3つの地域は、棟方の芸術の形成に大きな影響を及ぼすことになった。

また、棟方の活動は、「メディア」を自在に横断した活発さにも特徴付けられる。自作の木版画「板画(はんが)」、自作の肉筆画「倭画(やまとが)」、あるいは油画(あぶらが)といったさまざまな表現媒体を用いるほか、本の装幀や挿絵、包装紙といった商業デザインを手がけ、映画やテレビ、ラジオに出演するなど、この時代に特有のメディアを舞台に多岐にわたる活動を展開したのだった。

企画展「生誕120年 棟方志功展 メイキング・オブ・ムナカタ」は、棟方と青森、東京、富山の各地域の関わりに着目しつつ、その活動を紹介する回顧展。代表的な板画作品ばかりでなく、最初期の油画、生涯にわたって手がけた倭画を展示するとともに、本の装幀や、人びとに親しまれた包装紙の図案などを通して、デザイナーとしての側面にも光をあてる。

なかでも、縦3mの巨大な屛風《幾利壽當頌耶蘇十二使徒屛風》は、約60年ぶりの展示。また、躅飛山光徳寺が所蔵し、これまで寺外ではほとんど公開されることのなかった倭画の名作《華 厳松》を、非公開の裏面とともに公開する。

展覧会概要

企画展「生誕120年 棟方志功展 メイキング・オブ・ムナカタ」
会期：2023年10月6日(金)〜12月3日(日)
会場：東京国立近代美術館 1F 企画展ギャラリー
住所：東京都千代田区北の丸公園3-1
開館時間：10:00〜17:00(金・土曜日は20:00まで)
※入館はいずれも閉館30分前まで
休館日：月曜日(10月9日(月・祝)は開館)、10月10日(火)
観覧料：一般 1,800円(1,600円)、大学生 1,200円(1,000円)、高校生 700円(500円)
※( )内は前売および20名以上の団体料金
※前売券は、8月22日(火)から10月5日(木)まで販売
※中学生以下、障がい者手帳の提示者および付添者(1名)は無料
※本展の観覧料で入館当日にかぎり、同時開催の所蔵作品展「MOMATコレクション」も観覧可

【問い合わせ先】
TEL：050-5541-8600(ハローダイヤル)