春季特別展「広重の旅風景 雨・雪そして人」が、名古屋の徳川美術館・蓬左文庫にて、2022年4月10日(日)から5月22日(日)まで開催される。
「広重の旅風景 雨・雪そして人」は、風景画の名手・歌川広重の代表作である保永堂版「東海道五拾三次之内」を筆頭に、各種の東海道絵や街道絵の代表作「木曽海道六拾九次之内」などを展示し、広重の風景画の世界を紹介する展覧会だ。
「東海道五拾三次之内」は、名所絵師として注目されつつあった広重に、版元の保永堂が依頼して制作された揃物だ。一般に「保永堂版」と呼ばれるのは、版元の名にちなんだもの。葛飾北斎が「富嶽三十六景」で切り拓いた風景版画の世界を、広重自身の感性で捉え直したものであり、旅路の風景が詩情豊かに展開されている。
本展では、《日本橋 朝之景》や《蒲原 夜之雪》、《庄野 白雨》など、保永堂版「東海道五拾三次之内」全55点を一挙に紹介。広重が独特の感性で施した、時間帯や天候の別などの演出や脚色を存分に楽しみたい。
広重による保永堂版東海道が人気を博すと、多くの版元から依頼が舞い込み、広重は20種類以上もの東海道絵揃物を手がけた。会場では、洗練された筆致と美しい色彩で風景を穏やかに描いた隷書版や、東海道をテーマにした広重唯一の大判竪絵の揃物である竪絵東海道など、広重によるさまざまな東海道絵を紹介する。
さらに本展では、「東海道五拾三次之内」と並ぶ風景版画の代表作「木曽海道六拾九次之内」に加えて、「近江八景」や「名所江戸百景」など各地の名所絵も一堂に展示する。
春季特別展「広重の旅風景 雨・雪そして人」
会期:2022年4月10日(日)〜5月22日(日)
会場:徳川美術館 本館展示室、名古屋市蓬左文庫 展示室
住所:愛知県名古屋市東区徳川町1017(徳川美術館)、愛知県名古屋市東区徳川町1001(蓬左文庫)
開館時間:10:00〜17:00(入館は16:30まで)
休館日:月曜日
※ゴールデンウィーク期間(4月29日(金・祝)〜5月8日(日))は休まず開館
観覧料:一般 1,400円(1,200円)、高校・大学生 700円(600円)、小・中学生 500円(400円)
※( )内は20名以上の団体料金
※土曜日は高校生以下無料
【問い合わせ先】
徳川美術館
TEL:052-935-6262