企画展「開館30周年記念 江戸の名プロデューサー 蔦屋重三郎と浮世絵のキセキ」が、千葉市美術館にて、2025年5月30日(金)から7月21日(月・祝)まで開催される。
喜多川歌麿や東洲斎写楽といった名だたる浮世絵師を見出したことで知られる、「蔦重」こと蔦屋重三郎。重三郎が活躍したのは、複数の色を使った浮世絵版画「錦絵」が大きく発展した時期であり、なかでも天明から寛政にかけては、のちに「浮世絵の黄金期」と呼ばれることになる。重三郎は、こうした浮世絵の隆盛に貢献した人物のひとりだといえる。
企画展「開館30周年記念 江戸の名プロデューサー 蔦屋重三郎と浮世絵のキセキ」は、重三郎が活躍した浮世絵の黄金期を軸に、浮世絵の展開をたどる展覧会。浮世絵の祖・菱川師宣から、錦絵を創始した鈴木春信、重三郎が発掘した喜多川歌麿や東洲斎写楽、そして風景画を手がけた葛飾北斎や歌川広重まで、約160点の名品を紹介する。
重三郎は、「版元」として浮世絵の展開に携わった。版元とは、出版業者や書店などの役割を兼ねた存在であり、社会の動向や流行を鋭敏に捉え、書籍や版画を手がけたのであった。重三郎は、老舗の版元が数多く存在するなか、新興の版元として登場し、斬新な作品を続々と発表していったのだ。
本展では、重三郎の仕事に焦点を合わせつつ、浮世絵史を総覧。千葉市美術館が誇る珠玉の浮世絵コレクションを中心に、写楽《三代目大谷鬼次の江戸兵衛》や歌麿《当時三美人 富本豊ひな 難波屋きた 高しまひさ》、北斎《冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏》、広重《名所江戸百景 亀戸天神境内》、鈴木春信《(三十六歌仙)藤原仲文》などを一挙公開する。
また、特別出品として、近年発見された歌麿の初期肉筆画《祭りのあと》を、本展で初公開。初期の肉筆画はあまり作例がないため、貴重な機会となる。
企画展「開館30周年記念 江戸の名プロデューサー 蔦屋重三郎と浮世絵のキセキ」
会期:2025年5月30日(金)〜7月21日(月・祝)
会場:千葉市美術館
住所:千葉県千葉市中央区中央3-10-8
開館時間:10:00〜18:00(金・土曜日は20:00まで)
※入場受付はいずれも閉館30分前まで
休室日:月曜日(7月21日(月・祝)は開室)
観覧料:一般 1,500円(1,200円)、大学生 1,000円(800円)、小学・中学・高校生 無料
※障害者手帳の所持者および介護者1名は無料
※( )内は、前売および市内在住65歳以上の料金
※前売券は、5月29日(木)まで、千葉市美術館ミュージアムショップ、ローソンチケット(Lコード 32706)、セブン-イレブン(セブンチケット)ほかにて販売
※ナイトミュージアム割引:金・土曜日の18:00以降は観覧料半額
※本展チケットで7階「開館30周年記念 日本美術とあゆむ—若冲、蕭白から新版画まで」、5階常設展示室「千葉市美術館コレクション選」も観覧可
【問い合わせ先】
千葉市美術館(代表)
TEL:043-221-2311