石川の金沢21世紀美術館では、コレクション展「コレクション展2 文字の可能性」を、2025年9月27日(土)から2026年1月18日(日)まで開催する。
日常生活では、本やポスター、メール、SNSなど、情報伝達のさまざまな場面で文字を使用している。このように人々の生活に溶けこんできた文字は、美術作品にもしばしば見出すことができる。そこで文字は、作品に新たな意味を加えたり、逆に作品の意味を掻き乱したり、あるいは書くこと、読むこととといった、文字をめぐる営みを浮かびあがらせたりするのだ。
コレクション展「コレクション展2 文字の可能性」は、現代美術における「文字」に光を当てつつ、金沢21世紀美術館の所蔵作品を紹介する展覧会。文字そのものが持つ造形に着目した作品、文字をつうじて揺れ動く世界が想起される作品、文字が今ここの空間を変容させる作品など、表現としての文字に着目した作品の数々を展示する。
本展では、横尾忠則、井上有一、マルセル・ブロータース、ジョセフ・コスースなど、16人のアーティストを取り上げ、絵画から版画、ポスター、書、陶、映像、インスタレーションまで、幅広い作品を紹介。たとえば、第二次世界大戦後の日本のグラフィックデザインを牽引した粟津潔は、文字や活字の美しさに目を向け、さまざまな文字表現を展開してきた。会場では、古代中国の象形文字を題材とした《見》などを公開する。
文字は通常、情報を伝えるために用いられるものの、しばしば意味を読み取る可能性と不可能性のあいだに立ち現れる。本展では、文字を介して創造へと誘う作品を紹介。作品上の文字を読むことをとおして鋭い批評性が立ち上がる、マルセル・ブロータースの《ミュージアム・ミュージアム》を収蔵後初公開するほか、自作の詩を密に刻みこみ、可読性に抗するルパート・スパイラの《詩の器》などを展示する。
そのほか、十数年ぶりの公開となる作品も。柿沼康二による圧倒的な書の作品《不死鳥》は、約12年ぶりの公開となる。また、横尾忠則の《What's yours is mine. What's mine is mine.》は、2009年の展覧会で公開制作されて以来、16年ぶりの展示となる。
コレクション展「コレクション展2 文字の可能性」
会期:2025年9月27日(土)〜2026年1月18日(日)
[前期 9月27日(土)〜11月16日(日) / 後期 11月18日(火)〜1月18日(日)]
会場:金沢21世紀美術館 展示室1〜6
住所:石川県金沢市広坂1-2-1
開場時間:10:00〜18:00
※金・土曜日は20:00閉場、1月2日(金)・3日(土)は17:00閉場
※観覧券販売はいずれも閉場30分前まで
休場日:月曜日(10月13日(月・祝)・27日(月)、11月3日(月・祝)・24日(月・振)、1月12日(月・祝)は開場)、10月14日(火)・28日(火)、11月4日(火)・25日(火)、12月30日(火)〜1月1日(木・祝)、1月13日(火)
観覧料:一般 450円(360円)、大学生 310円(240円)、小学・中学・高校生 無料、65歳以上 360円
※( )内は20名以上の団体料金
※市民無料の日(金沢市民は本展の観覧無料):美術奨励の日(会期中の毎月第2土曜日(10月11日、11月8日、12月13日、1月10日))、市民美術の日(オープンまるびぃ2025 11月3日(月・祝))
■出展作家
セシル・アンドリュ、粟津潔、マルセル・ブロータース、ギムホンソック、シルパ・グプタ、井上有一、泉太郎、柿沼康二、北出不二雄、ジョセフ・コスース、中村錦平、邱志杰(チウ・ジージエ)、サイトウ・マコト、塩見允枝子、ルパート・スパイラ、横尾忠則
【問い合わせ先】
金沢21世紀美術館
TEL:076-220-2800