東京・丸の内の静嘉堂文庫美術館(静嘉堂@丸の内)では、展覧会「修理後大公開! 静嘉堂の重文・国宝・未来の国宝」を、2025年10月4日(土)から12月21日(日)まで開催する。
「修理後大公開! 静嘉堂の重文・国宝・未来の国宝」展は、静嘉堂が誇る東洋絵画の逸品を一挙公開する展覧会だ。修復後初公開となる、室町時代の屛風や中国宋・元の掛軸をはじめ、国宝や重要文化財を数多く含む作品を目にすることができる。
本展では、近年修復を行なった東洋絵画の数々を、修理後初公開。たとえば、室町時代後期に活躍した水墨画家・式部輝忠(しきぶ てるただ)の重要文化財《四季山水図屛風》を16年ぶりに公開するほか、雪舟らの師であった画僧・周文の作と伝わる重要文化財《四季山水図屛風》を展示する。
東洋絵画の特徴のひとつが、しばしば絵画の画面に、「賛」と呼ばれる題や詩文が添えられている点である。これは、中国の「詩画一致」の思想によるところが大きく、宋以降には、詩・書・画が一体となって鑑賞されてきた。会場では、餞別に贈られた「送別図」の名品《蜀山図》や、「書斎図」と称される山水画の《聴松軒図》など、詩画一致の絵画を修理後初公開する。
また、幕末から明治時代にかけて活躍した日本画家・菊池容斎(きくち ようさい)による巨大掛軸を展示。容斎は、画壇の重鎮であり、明治時代中期から後期にかけて隆盛した「歴史画」の先駆者であった。会場では、中国古代の奇怪な説話を描いた《呂后斬戚夫人図》、《馮昭儀当逸熊図》、《阿房宮図》を、明後期の画家・謝時臣(しゃ じしん)による四幅対《四傑四景図》とともに一挙公開する。
さらに、20世紀初頭の博覧会に出品された作品も。博覧会に出品された文物は、それぞれのジャンルにおける日本の代表作であった。こうしたなか、静嘉堂を育んだ岩﨑家は、博覧会や海外展の出品に協力している。本展では、酒井抱一《麦穂菜花図》や野口幽谷《菊鶏図屛風》、色鮮やかな有田焼《色絵五艘船文鉢》など、静嘉堂が所蔵する博覧会出品作を目にすることができる。
2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)開催記念
展覧会「修理後大公開! 静嘉堂の重文・国宝・未来の国宝」
会期:2025年10月4日(土)~12月21日(日) 前後期でほぼすべての作品を入れ替え
[前期 10月4日(土)~11月9日(日) / 後期 11月11日(火)~12月21日(日)]
会場:静嘉堂文庫美術館(静嘉堂@丸の内)
住所:東京都千代田区丸の内2-1-1 明治生命館 1F
開館時間:10:00~17:00
※第4水曜日(10月22日、11月26日)は20:00閉館、12月19日(金)・20日(土)は19:00閉館(予定)
※入館はいずれも閉館30分前まで
休館日:月曜日10月13日(月・祝)、11月3日(月・祝)・24日(月・振)は開館)、10月14日(火)、11月4日(火)・25日(火)
入館料:一般 1,500円、高校・大学生 1,000円、中学生以下 無料
※障がい者手帳の所持者は700円、同伴者1名は無料
【問い合わせ先】
ハローダイヤル
TEL:050-5541-8600