石川の金沢21世紀美術館では、コレクション展「コレクション展1 マテリアル・フィーバー」を、2025年5月24日(土)から9月15日(月・祝)まで開催する。
コレクション展「コレクション展1 マテリアル・フィーバー」は、金沢21世紀美術館の所蔵作品を、物資性に着目して紹介する展覧会だ。ここで、物質はアーティストの手によって飼い慣らされる対象ではない。熱を加えたガラスが融解して自在な形へと変容するというように、アーティストをとおして物質が立ち現れるプロセスに目を向けてゆく。
本展では、物質が持つ表現の可能性に光をあてつつ、地村洋平やカールステン・ニコライなど、11人の作家を紹介。漆や樹皮、ガラス、ブリキ、サイケデリックな映像表現、そして音が織りなす幾何学的なパターンなど、さまざまな物質の性質や物理現象をモチーフとした作品を紹介する。
たとえば、招へい作家の地村洋平は、火にかけた金属が溶け流れる動きや、熱をやり取りするなかでガラスやプラスチックが歪み固まる過程など、物質が変容するプロセスそのものを取り込んだ作品を手がけてきた。会場では、ガラスや錫などを用いたシリーズ「始まりの実験」から、6点の作品を公開する。
また、山崎つる子の大型立体作品を再制作して展示。第二次世界大戦後の日本を代表する前衛美術集団「具体美術協会」草創期のメンバーであった山崎は、その後も一貫して、実像と虚像、視覚・認知・再現をテーマに、さまざまな作品を手がけてきた。本展では、鮮やかな染料が施された高さ3.3m・幅6.6mのブリキ板を繋いだ《三面鏡ではない》を、16年ぶりに展示する。
そのほか、近年は鑑賞者を視覚的・音響的な体験へと誘う実験室のような作品を発表しているカールステン・ニコライ、天然素材の繊維をほぐし、指先の感覚によって軟らかくなった素材から作品を紡ぎだす八田豊、ヴィデオ・フィードバックの手法を駆使しつつ、デジタルとアナログの境界を探ってきたヴィデオ・アーティスト、河合政之らが出品する。
コレクション展「コレクション展1 マテリアル・フィーバー」
会期:2025年5月24日(土)〜9月15日(月・祝)
会場:金沢21世紀美術館 展示室1〜6
住所:石川県金沢市広坂1-2-1
開場時間:10:00〜18:00(金・土曜日は20:00まで)
※観覧券販売はいずれも閉場30分前まで
休場日:月曜日(7月21日(月・祝)、8月11日(月・祝)、9月15日(月・祝)は開場)、5月7日(水)、7月22日(火)、8月12日(火)
観覧料:一般 450円(360円)、大学生 310円(240円)、小学・中学・高校生 無料、65歳以上 360円
※( )内は20名以上の団体料金
※美術奨励の日:会期中の毎月第2土曜日(6月14日、7月12日、8月9日、9月13日)は、金沢市民は本展の観覧無料(証明書を要提示)
■出品作家
地村洋平(招へい作家)、アンジェロ・フィロメーノ、八田豊、板橋廣美、河合政之、ヴィック・ムニーズ、楢原寛子、カールステン・ニコライ、豊海健太、津守秀憲、山崎つる子
【問い合わせ先】
金沢21世紀美術館
TEL:076-220-2800