特別展「ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢」が、東京都美術館にて、2025年9月12日(金)から12月21日(日)まで開催される。大阪市立美術館や愛知県美術館でも開催される巡回展だ。

ファン・ゴッホ作品を受け継いできた家族たち

ひまわりや糸杉を描いた作品で知られる画家、フィンセント・ファン・ゴッホ。特別展「ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢」は、ファン・ゴッホの初期から晩年までの画業をたどるとともに、ファン・ゴッホ作品を受け継いできた家族のコレクションに着目する、日本初の展覧会だ。

ファン・ゴッホの画業をたどる

1853年オランダに生まれたファン・ゴッホは、27歳の時に画家を志すようになり、当初は暗い色調で農民の姿を描いた。しかし、1886年フランスのパリに出て、印象派の作品を初めて目にすると、新しい色彩と筆遣いを取り入れ、独自の作風を生みだすことになる。

1888年南フランスに移ったファン・ゴッホは、アルルやサン＝レミ＝ド＝プロヴァンスで過ごし、色彩の対比と激しい筆触による自らの表現を打ち立てていった。その後、ポール・ゴーガンとの共同生活とその破綻を経て、1890年にはパリ近郊のオーヴェール＝シュル＝オワーズに移住。新たな表現を模索するも、37歳で世を去っている。その画業は約10年という短い期間であったものの、膨大な数の作品を残した。

ファン・ゴッホ作品30点以上が一堂に

会場では、オランダ・アムステルダムにあるファン・ゴッホ美術館の所蔵作品を中心に、ファン・ゴッホの作品30点以上を紹介。色彩の対比を効果的に用いた《画家としての自画像》を筆頭に、色彩を平面的に扱った《浜辺の漁船、サント＝マリー＝ド＝ラ＝メールにて》、ゴーガンと共同生活していた時期に制作された《種まく人》、晩年の《麦の穂》などを一挙公開する。

ファン・ゴッホ家のコレクションにも着目

また、本展では、ファン・ゴッホ家のコレクションにも着目。フィンセント・ファン・ゴッホの画業を支え、大部分の作品を保管したのが、弟のテオである。兄が亡くなり、その半年後にテオが世を去ったのちには、テオの妻ヨーがそのコレクションを管理した。ヨーは、作品を展覧会に貸し出すとともに販売し、また膨大な手紙を整理して出版するなど、フィンセントの名声を高めることに尽力している。そして、テオとヨーの息子フィンセント・ ウィレムは、フィンセント・ファン・ゴッホ財団を創設し、美術館設立に力を注いだ。

こうして1973年に開館したのが、ファン・ゴッホ美術館だ。同館は、ファン・ゴッホの油彩画約200点や素描約500点に加えて、弟テオに宛てた手紙、関連作家の作品や日本の浮世絵などを所蔵している。会場では、ポール・ゴーガンの《雪のパリ》や三代歌川豊国(歌川国貞)《花源氏夜の俤》など、ファン・ゴッホが集めた作品を展示するほか、ファン・ゴッホの手紙4通を日本初公開する。

展覧会概要

特別展「ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢」
会期：2025年9月12日(金)〜12月21日(日)
会場：東京都美術館
住所：東京都台東区上野公園8-36
開室時間：9:30〜17:30(金曜日は20:00閉室)
※入室はいずれも閉室30分前まで
休室日：月曜日(9月15日(月・祝)・22日(月)、10月13日(月・祝)、11月3日(月・祝)・24日(月・振)は開室)、9月16日(火)、10月14日(火)、11月4日(火)・25日(火)
観覧料：一般 2,300円(2,100円)、大学生・専門学校生 1,300円(1,100円)、65歳以上 1,600円(1,400円)、18歳以下・高校生以下 無料
※土・日曜日、祝日および12月16日(火)以降は日時指定予約制(チケットの詳細については追って告知)
※当日空きがあれば入場可
※( )内は前売料金
※身体障害者手帳、愛の手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳、被爆者健康手帳の所持者および付添者(1名まで)は無料

■巡回情報
・大阪会場
会期：2025年7月5日(土)〜8月31日(日)
会場：大阪市立美術館
住所：大阪府大阪市天王寺区茶臼山町1-82 天王寺公園内
・名古屋会場
会期：2026年1月3日(土)〜3月23日(月)
会場：愛知県美術館
住所：愛知県名古屋市東区東桜1-13-2

【東京会場の問い合わせ先】
ハローダイヤル
TEL：050-5541-8600