“スウェーデン美術の黄金期”絵画の展覧会が東京都美術館で、北欧ならではの表現に迫る名品
東京都美術館では、特別展「東京都美術館開館100周年記念 スウェーデン絵画 北欧の光、日常のかがやき」を、2026年1月27日(火)から4月12日(日)まで開催する。その後、山口県立美術館、名古屋の愛知県美術館に巡回予定だ。
スウェーデン絵画の名品を一挙公開
Photo: Bodil Beckman / Nationalmuseum
※東京会場のみ出品
特別展「東京都美術館開館100周年記念 スウェーデン絵画 北欧の光、日常のかがやき」は、北欧の国・スウェーデンにおける美術黄金期の絵画を本格的に紹介する展覧会だ。質・量ともに充実したコレクションを誇るウェーデン国立美術館の全面協力のもと、19世紀末から20世紀にかけての名品80点が一堂に会する機会となる。
自然、光、日常のかがやきをキーワードに

油彩、カンヴァス スウェーデン国立美術館蔵
Photo: Anna Danielsson / Nationalmuseum
本展では、スウェーデン美術の黄金期とされる、1880年代から1915年にかけての作品を中心に紹介。展示作品は、すべてスウェーデン人の作家によるものだ。「自然」、「光」、「日常のかがやき」をキーワードに、カール・ラーションが家族と暮らす温かな暮らしの様子を描き出した《カードゲームの支度》をはじめ、アウグスト・ストリンドバリ《ワンダーランド》、アンデシュ・ソーン《故郷の調べ》などの絵画作品をとおして、北欧ならではの表現に迫る。
フランスからの影響
Photo: Erik Cornelius / Nationalmuseum
スウェーデンでは1880年代以降、若い世代の芸術家たちがフランスで学ぶようになり、人間や自然をありのままに描く写実主義や自然主義から大きな影響を受けた。カール=フレードリック・ヒルがパリ・セーヌ河畔のボワ=ル=ロワに滞在していた際に、明るく澄んだ光に照らされたリンゴの木を描いた《花咲くリンゴの木》や、ブリューノ・リリエフォッシュがカケスの一瞬の動きをとらえた《カケス》など、透明感のある色彩で目の前の光景をありのままに描いた作品を目にすることができる。
スウェーデン独自の表現を追求

油彩、厚紙 スウェーデン国立美術館蔵
Photo: Erik Cornelius / Nationalmuseum
やがて祖国に戻ったスウェーデンの芸術家たちは、自国ならではの芸術を追求し、自身の感情や叙情的な雰囲気を重視した独自の表現を確立したのであった。彼らは絵画の主題として、自国スウェーデンにまつわる宗教や文学、歴史、寓話などに着目し、実際には目に見えない内面的な世界を表現することに力を注いでいる。
たとえば、北欧の民間伝承に登場する水の精ネッケンを描いたアーンシュト・ヨーセフソンの《水の精(ネッケン)》では、フィドルという弦楽器を弾く姿を描写。民間伝承では、ネッケンの奏でる音色に魅了されたものは、水の中に引きずり込まれてしまうとされている。
スウェーデンの自然と繊細な光の表現
Photo: Anna Danielsson / Nationalmuseum
森林や湖、未開の原野や山岳地帯といったスウェーデンならではの自然を描く作品にも注目だ。ぜひじっくりと鑑賞したいのは、淡く繊細な光の表現。グスタヴ・フィエースタードが描く《冬の月明かり》では、星空のもとに広がる森と、ひんやりとした冷たい輝きを放つ雪が精緻に描写されている。また、エウシェーン王子の《静かな湖面》や、ニルス・クルーゲルの《夜の訪れ》では、北欧の夏の夜に特徴的な、長い時間続く薄明の光を見て取ることができる。
展覧会概要
特別展「東京都美術館開館100周年記念 スウェーデン絵画 北欧の光、日常のかがやき」
会期:2026年1月27日(火)〜4月12日(日)
会場:東京都美術館
住所:東京都台東区上野公園8-36
開室時間:9:30〜17:30(金曜日は20:00閉室)
※入室はいずれも閉室30分前まで
休室日:月曜日(2月23日(月)は開室)、2月24日(火)
観覧料:一般 2,300円(2,100円)、大学・専門学校生 1,300円(1,100円)、65歳以上 1,600円(1,400円)、18歳以下、高校生以下無料
※( )内は前売料金
※身体障害者手帳・愛の手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳・被爆者健康手帳を持参した本人とその付添い1名までは無料
※18歳以下、高校生、大学・専門学校生、65歳以上、各種手帳を所持している場合、いずれも証明できるものの提示が必要
※1月27日(火)~2月20日(金)までの平日のみ、大学・専門学校生は無料
チケット発売日:2025年11月28日(金)~
■巡回情報(予定)
・山口会場
会期:2026年4月28日(火)~ 6月21日(日)
会場:山口県立美術館
住所:山口県山口市亀山町3-1
・愛知会場
会期:2026年7月9日(木)~10月4日(日)
会場:愛知県美術館
住所:愛知県名古屋市東区東桜1-13-2
【東京会場の問い合わせ先】
ハローダイヤル
TEL:050-5541-8600
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