企画展「旅するジョウモンさん —5千年前の落とし物—」が、愛知の豊田市博物館にて、2024年10月12日(土)から12月8日(日)まで開催される。
2024年4月に開館した豊田市博物館。その最初の展覧会となる企画展「旅するジョウモンさん —5千年前の落とし物—」では、日本各地で花開いた縄文時代の文化に着目し、国宝1点、重要文化財22点を含む約420点の資料を紹介する。
「縄文」の捉え方は、その時々の日本人の視点を反映してきた。かつて、縄文土器の独特の造形は、野蛮なものとして捉えられていた。その背景には、植物採集や狩猟を基盤に生活を営んだ縄文人が、農耕を暮らしの中心とする人々に比べ、劣った存在として評価されていたためだ。これは、日本が稲作と米の存在のもとで進歩したという古い歴史観に基づいている。
第二次世界大戦後には、しかし、芸術家の岡本太郎のように、縄文土器を日本独自の存在として評価する人々が現れた。それは、縄文土器が仏教といった外来の美術様式の影響にとらわれない、という視点によるものだ。そして近年においては、曲線を中心とする土器の有機的な文様や、土偶の愛らしい表情は、親しみやすい魅力を持つものとして受けいれられている。
こうして時代ごとに異なる視点で受容されてきた縄文時代は、それ自体、日本各地の多様な自然環境と地方文化を背景に、地方色豊かな文化を育んだ時代であった。本展では、各地の縄文時代の資料を一堂に集めて紹介。北は青森県、南は鹿児島県まで、さまざまな形式の土器などを目にすることができる。
また、装身具として使用されていた翡翠など、各地で出土した翡翠や琥珀を展示するほか、土偶をはじめ、縄文時代の人々の心性を示す遺物にも光をあてる。
企画展「旅するジョウモンさん —5千年前の落とし物—」
会期:2024年10月12日(土)〜12月8日(日)
会場:豊田市博物館 展示室1・2
住所:愛知県豊田市小坂本町5-80
開館時間:10:00~17:30(入室は閉館30分前まで)
休館日:月曜日(祝日の場合は開館)
観覧料:一般 1,200円(1,000円)、高校・大学生 1,000円(800円)、中学生以下 無料
※( )内は20名以上の団体料
※無料対象者:中学生以下、豊田市内在住・在学の高校生、18歳以下・70歳以上の豊田市内在住者、身体障害者手帳などの所持者
【問い合わせ先】
豊田市博物館
TEL:0565-85-0900