企画展「カルン・タカール・コレクション インド更紗 世界をめぐる物語」が、東京ステーションギャラリーにて、2025年9月13日(土)から11月9日(日)まで開催される。その後、全国を巡回予定だ。
インドで生まれた織物「更紗(さらさ)」は、数千年におよぶ歴史のなかで、衣服、宗教儀式、室内装飾など、さまざまな用途に用いられてきた。その特徴は、色鮮やかで濃密な文様。天然の茜と藍を使い、木綿布を染めあげることで作られる更紗は、主要な交易品として世界中に輸出され、装飾美術から服飾までさまざまな芸術に影響を及ぼしている。
企画展「カルン・タカール・コレクション インド更紗 世界をめぐる物語」は、力強く鮮やかなインド更紗を紹介する展覧会。世界屈指のコレクター、カルン・タカールのコレクションを日本で初めて紹介する本展では、最長約8mにおよぶ更紗の優品、交易の影響を伝える服飾品や掛布、日本での展開を伝える貴重な作例などを一堂に集めて公開する。
インド更紗は、遅くとも1世紀には東南アジアやアフリカへと渡り、17世紀には、ヨーロッパ各国が相次いで東インド会社を設立したことを背景に、世界中へと広まることになった。こうしたなかでインド更紗は、自国の美意識を保ちつつ、貿易をとおして他国の要望に応じたデザインを自在に展開していったのだ。
本展では、インド国内向けに作られた更紗ばかりでなく、アジアとヨーロッパの交易で生まれたデザインも紹介。たとえば、中央に立木の模様を描いた布「パランポア」は、インド全土で何百年にもわたって作られてきたものの、会場では、ヨーロッパ人の好みに合わせて白地で製作した掛布を目にすることができる。
また、チューリップと虫を組みあわせた更紗は、オランダ向けに生産されたと考えられる作例。赤と紫の2色のチューリップは、17世紀前半にヨーロッパで人気を博した栽培種であり、更紗の生産者がさまざまな国の需要に合わせてデザインを行っていたことが窺える。
そのほか、インド更紗の小さな断片を繋ぎあわせ、インドネシアで作られた上衣や、貴重なインド更紗を残らず使いきるため、小さな端切れを組みあわせた子ども用の帽子、インドやスリランカのカトリック教会で、祭壇の装飾に使われたと考えられる儀礼用布など、さまざまな文様や用途のインド更紗を紹介する。
企画展「カルン・タカール・コレクション インド更紗 世界をめぐる物語」
会期:2025年9月13日(土)〜11月9日(日)
会場:東京ステーションギャラリー
住所:東京都千代田区丸の内1-9-1 JR東京駅 丸の内北口 改札前
開館時間:10:00~18:00(金曜日は20:00閉館)
※入館はいずれも閉館30分前まで
休館日:月曜日(9月15日(月・祝)、10月13日(月・祝)、11月3日(月・祝)は開館)、9月16日(火)、10月14日(火)
入館料:一般 1,500円(1,300円)、高校・大学生 1,300円(1,100円)、中学生以下 無料
※( )内は前売料金(8月1日(金)から9月12日(金)までオンラインチケットにて販売)
※障がい者手帳などの持参者は200円引き、介添者1名は無料
※本展は全国を巡回予定
【問い合わせ先】
東京ステーションギャラリー
TEL:03-3212-2485