2001-2002年秋冬のパリコレクションから発足。2019春夏コレクションより、ウィメンズラインとともに「ディオール(DIOR)」として生まれ変わることになった。
ディオール オム(DIOR HOMME)は、2001-2002年秋冬のパリコレクションからクリスチャン ディオールのメンズウェアラインとして発足。イヴ・サンローランでメンズウェアラインのデザイナーを担当していたエディ・スリマンがブランド立上げのアーティスティック ディレクターを担当した。
ディオール オムの発足以前はディオール・ムッシュというメンズラインがあり、パトリック・ラヴォワがデザインを担当していた。
ファーストシーズンからディオール オムは世界にセンセーションを巻き起こした。「男たちにもっと洗練され、もっと魅力的なものになって欲しい」と語るアーティスティック ディレクターのスリマンは、黒を基調にレザータキシード、細身のジャケットを中心とした非常にタイトなシルエットの作品を発表した。細身のデニム、スキニージーンズも大ヒットとなった。
ディオール オムのスタイルは世界中のデザイナーに影響を与え、一つのトレンドを生み出し、日本でも多くの雑誌に取り上げられた。この勢いは現在に至るまで続いている。エディ スリマンはこれらの活躍を受けて、2002年、CFDAにより「デザイナー・オブ・ジ・イヤー」に選出された。
2004年、初のメンズウォッチ「シフル ルージュ」を発表。シフル ルージュとはフランス語で「紋章と赤」という意味がある。以後、時計ラインも積極的に展開し、ゼニスの「エル・プリメロ」を使ったモデルも発表されている。なお、時計に関してはディオール オムではなく「Dior Watch」とブランド表記がされている。
2007年、スリマンは輝かしい功績を残し、惜しまれつつも、ディオール オムのアーティスティック ディレクターを辞任。
2007年4月、ディオール オムのクリエイティブ ディレクターにクリス ヴァン アッシュの就任が発表された。クリス ヴァン アッシュはディオール オムの立上げ当時、スリマンのアシスタントをしており、自身のブランドの設立の2004年の9月までディオール オムに在籍した経験を持つ。アッシュの手がけるディオール オムは2008年春夏からスタート。彼のファーストシーズンはクラッシクでエレガントな要素を取り入れ注目を集めた。
2018年、11年に渡ってクリエイティブ ディレクターを担当していたクリス ヴァン アッシュの辞任が決定。後任として、7年間に渡ってルイ・ヴィトンを引っ張てきたキム・ジョーンズが抜擢。また、アーティスティック ディレクターになったキム・ジョーンズが、アンブッシュ(AMBUSH)のYOONをジュエリー デザイナーに任命。2018年6月、キム・ジョーンズによる新生ディオール オムの初コレクションとともに、YOONのジュエリーも発表予定。
なお、2019春夏コレクションより、「ディオール オム(DIOR HOMME)」が、ブランド名を改め、ウィメンズラインとともに「ディオール(DIOR)」として生まれ変わることになった。