ハイク(HYKE)の2026年春夏コレクションを紹介。
現代的なモードを突き進みつつ、時にエレガントとクラシック、またある時はミリタリーとワークといった古着的要素が往来するハイクのコレクション。ブランドデビュー時から磨き上げてきたその技を大切に守りつつ、今季は都会的なマリンのエッセンスを落とし込んでいるのが特徴だ。
要となるマリンルックは、いかりモチーフを配したサマーニットや、ボーダー柄のスカートで表現されている。中でもキーピースとして繰り返し提案されたのが、40年代のアメリカ海軍のセーラーパンツから着想を得たバレルシルエットのパンツ。ウエスト周りにボタンをあしらったこのパンツは、素材や丈感、ボタンの色をアレンジしながら多彩なバリエーションで披露された。
セーラーパンツに見られる整列したボタンのディテールは、華奢なストラップのオールインワンや、袖をオーガンザで切り替えたブラウス、Vネックのジャンプスーツにも応用。コレクション全体に統一感を出すとともに、爽やかなムードをもたらした。
本来カジュアルな印象のマリンルックをエレガントに引き上げているのが、優美なドレーピングである。船乗りの作業着として知られるバスクシャツからインスピレーションを得たマリンストライプのブラウスは、ネックラインを弛ませ、スリーブにスリットを入れることで、柔らかな曲線美を演出。随所で見られる結び目のデザインもまた、女性らしいドレープを生み出している。
シルエットは緩急を大切に。肩先が綺麗に出るシャープなジャケットやクロップド丈のブラウス、ストラップレスのトップスなどを中心に、上半身はすっきりとしたものをチョイス。一方でボトムスにはゆったりとしたスラックスやバレルデニムなどを選び、全体を洗練された印象にまとめ上げている。
春夏らしい、軽やかな素材使いにも注目したい。ハイクの定番であるデニムジャケットはスリーブをふんわりとしたオーガンザ素材で切り替え、大人のフェミニンさをプラス。アメリカ海軍のフライトジャケットをモチーフにしたスタンドカラーのブルゾンは、シアーなメッシュ素材でエレガントにアレンジしている。このほかにも、シフォンプリーツのワンショルダードレスや、ローゲージのニットタンクトップなど、透け感のあるピースが多数提案された。