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ドキュメンタリー映画『世界で一番美しい少年』“ベニスに死す”ビョルン・アンドレセンの天国と地獄

映画『世界で一番美しい少年』が、2021年12月17日(金)より、ヒューマントラストシネマ渋谷、新宿シネマカリテ他にて全国順次公開される。

『ベニスに死す』ビョルン・アンドレセンのドキュメンタリー映画

『世界で一番美しい少年』場面カット|写真3

映画『世界で一番美しい少年』は、巨匠ルキノ・ヴィスコンティ監督作『ベニスに死す』で主人公を破滅に導く少年タジオを演じた俳優ビョルン・アンドレセンの衝撃の真実を描いたドキュメンタリー。巨匠に才能を見出された15歳のビョルン・アンドレセンは、“世界で一番美しい少年”として当時一大センセーションを巻き起こした。

“世界で一番美しい少年”の天国と地獄

『世界で一番美しい少年』場面カット|写真2

『ベニスに死す』は、1971年カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品され<25周年記念賞>を受賞。日本でも、1972年の<キネマ旬報ベスト・テン第1位>になるなど高い評価を得た名作だ。観る者の目を釘付けにする圧倒的な存在感を放ったビョルン・アンドレセンは、『ベニスに死す』の日本公開年などに来日。CM出演などの芸能活動も行い、日本のカルチャーにも影響を及ぼした。

『世界で一番美しい少年』場面カット|写真1

『世界で一番美しい少年』の中で、マンガ『ベルサイユのばら』の作者・池田理代子が語るのは、彼が主人公“オスカル”のモデルであったという事実。そして50年後、かつて伝説のアイコンまでになった彼は、日本でもヒットを記録したアリ・アスター監督のスリラー映画『ミッドサマー』の老人ダン役を演じ、驚愕の変貌ぶりが話題になる。

『世界で一番美しい少年』場面カット|写真5

『世界で一番美しい少年』から50年の時を経て、ビョルン・アンドレセンが語るのは、巨匠ヴィスコンティとの出会い、“世界一の美少年、タジオ”を探すために壮大な規模で行われたオーディションや映画『ベニスに死す』撮影の裏側、カンヌの華やかな狂騒から来日時の熱狂など。“世界で一番美しい少年”と呼ばれその後の人生を運命づけられてしまったひとりの人間の栄光と破滅、心の再生とは?“世界で一番美しい少年”が見た、天国と地獄とは?

豊富なアーカイブ映像

豊富なアーカイブ映像と共に、傑作映画の裏側やビョルン・アンドレセンに向けられていたまなざしなどを浮き彫りにしているのも映画『世界で一番美しい少年』の特徴。

日本版予告編は、『ベニスに死す』の“世界一の美少年、タジオ”を探すため、ヴィスコンティがおこなった大規模オーディションのひとコマからスタート。多くの少年の中からアンドレセンの姿を見つけたヴィスコンティは、彼に歩み寄り、「美しい」と言葉をかける。アンドレセンの運命を変えた瞬間をカメラは捉えていたのだ。

『世界で一番美しい少年』場面カット|写真4

アンドレセン家が残してきたホームビデオや音源なども多く使用。『ベニスに死す』出演前に記録した、行動的でありながら音楽好きといった彼のごく普通の少年としての一面も映し出す。また、『ミッドサマー』出演時のメイキング映像も収録。

5年の月日をかけてビョルン・アンドレセンに密着

『世界で一番美しい少年』場面カット|写真6

映画『世界で一番美しい少年』の監督を務めたのはクリスティーナ・リンドストロムとクリスティアン・ペトリ。再び歩き出そうとするビョルン・アンドレセンに寄り添い、5年の月日をかけて映画を完成させた。

監督は連名で、製作意図について「多くの層が重なった物語を伝えることで、ビョルン自身の複雑で深みのある人間性がさらに前に向かっていくことを信じているのです」とコメント。さらに「私たちは、この映画があの少年が他人によって作られたイメージ、アイコン、ファンタジニーとなり、青年期の人生を奪われた物語に耳を傾ける機会を観る者に伝えることが出来ればと願っています」とも語っている。

サンダンス映画祭でプレミア上映され話題に

映画『世界で一番美しい少年』は、2021年アメリカ・ユタ州で開催されたサンダンス映画祭でプレミア上映されると、評論家たちの間で話題に。オスロ・ピックス映画祭、クリーブランド国際映画祭、セドナ国際映画祭などでも上映された。

【詳細】
映画『世界で一番美しい少年』
公開日:2021年12月17日(金)
監督:クリスティーナ・リンドストロム、クリスティアン・ペトリ
出演:ビョルン・アンドレセン、池田理代子、酒井政利
製作国:スウェーデン/英語・スウェーデン語・仏語・日本語・伊後/2021/シネスコ/5.1chデジタル/98分/字幕翻訳:松浦美奈/映倫G

<映画『世界で一番美しい少年』あらすじ>
“世界で一番美しい少年”と称賛され、一大センセーションを巻き起こした少年がいた。巨匠ルキノ・ヴィスコンティに見出され、映画『ベニスに死す』(71)に出演したビョルン・アンドレセン。来日時には詰めかけたファン達の熱狂で迎えられ、日本のカルチャーに大きな影響を及ぼした。だが彼の瞳には、憂いと怖れ、生い立ちの秘密が隠されていた…。そして50年後。伝説のアイコンは、『ミッドサマー』(19)の老人ダン役となって私達の前に現れ、その驚愕の変貌ぶりは話題となる。彼の人生に何があったのか。今、ビョルンは、熱狂の“あの頃”に訪れた東京、パリ、ベニスへ向かう。それは、ノスタルジックにして残酷な、自らの栄光と破滅の軌跡をたどる旅。

© Mantaray Film AB, Sveriges Television AB, ZDF/ARTE, Jonas Gardell Produktion, 2021

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