映画『宝島』が2025年9月19日(金)に公開される。原作は真藤順丈による直木賞小説「宝島」で、大友啓史が監督を務め実写映画化する。
真藤順丈による小説「宝島」は、2018年下半期を対象にした第160回直木賞に選出された作品。
舞台となるのは沖縄。まだ沖縄がアメリカだった戦後、全てを失った中で、米軍から物資を盗み住民らに分け与える「戦果アギヤー」という若者たちがいた。アメリカに全てを支配された環境の中で、オン、グスク、ヤマコ、レイらメンバーはいつか「でっかい戦果」を上げることを夢見る。その中心人物オンが「予定外の戦果」を手に入れ、突然消息を絶つ...…という本格ミステリーから始まる。
『宝島』は、混沌とした時代を全力で駆け抜けた若者たち‟戦果アギヤー“の姿、グスク、ヤマコ、レイと別々の道に進んでいった若者たちの物語を青春、恋愛、冒険とジャンルミックスに、そして史実も配置しながら繋いでいく。
実際に起きた事件を背景に物語が展開されるため、実写映画化に当たっては当時の状況を徹底的に調べリアルな沖縄を再現。クライマックスには延べ2,000人超のエキストラを投入し、群衆1人1人にまで演出を加え、当時の人々の息遣いまでを映像に記録した。圧倒的熱量と壮大なスケールで描く、エンタテインメント作品に仕上がっている。
「戦果アギヤー」のメンバーであるグスク、ヤマコ、レイは想いを胸に、憧れの存在オンの失踪の謎を追う。
主人公グスク...妻夫木聡
警察官。失踪したオンを探すため刑事となった。一縷の望みにしがみつきつつ、英雄オンの痕跡を追う。
ヤマコ...広瀬すず
小学校の教師。恋人オンの帰りを信じて待ち続ける。オンがいなくなり、喪失感を抱えながらも、人に愛情を与えたくましい生きる。教師になることもオンとの約束だった。
レイ...窪田正孝
オンの弟。消えた兄の影を追い続ける。レイは刑務所に入ってオンに関する情報を収集。出所後はヤクザになる。オンを探すという同じ目的を持つが、警察官となったグスクとはすれ違い、やがて距離は広がっていく。
オン...永山瑛太
‟戦果アギヤー“のリーダー的な存在。米軍基地への襲撃の夜、「予定外の戦果」を手に入れ、突然消息を絶つ。20年の歳月を経て明らかになる、オンの衝撃の真実とは?
徳尚(とくしょう)…塚本晋也
刑事。グスクの相棒。孤児だったグスクたちを幼い頃からずっと見守り続けてきた。グスクがコザ署に入るのを支えたのも徳尚。
小松…中村蒼
米軍の高官アーヴィンの通訳。日本本土から米民政府への出向者。日米の間に立ち、グスクと対峙する。
チバナ…瀧内公美
Aサインバーの女給。混沌の時代を特飲街で逞しく生き抜く女性。ヤマコが慕う女性で、チバナの元でバイトしながら勉強し、ヤマコは教師になった。
ウタ…栄莉弥(エリヤ)
米国人の父、日本人の母を持つ、謎に包まれた孤児。。特飲街で花売りをする中、ヤマコとレイに出会う。物語のカギを握る人物。
タイラ…尚玄
民族運動家で、レイの刑務所仲間。沖縄空手が得意。コザ派に敵対するナハ派。
喜舎場(きしゃば)…ピエール瀧
コザ派の親分。レイに特飲街の仕切りを任せる。
ダニー岸…木幡竜
ある事件の内容を探るためグスクに近づくCIA要員。
謝花(じゃはな)ジョー…奥野瑛太
密貿易団クブラのリーダー。オンが消えた日、一緒に基地に忍び込んだ戦果アギヤー。
辺土名(へんとな)…村田秀亮(とろサーモン)
コザ派ヤクザ。オンの行方にも関わっている鼻の曲がった男。
アーヴィン・マーシャル…デリック・ドーバー
米軍の高官。グスクの刑事としての才能を買い、チームを組んで何件もの事件を解決する。グスクはオンの手がかりを掴むためアーヴィンの捜査に協力する。
主人公グスク役は、沖縄を舞台にした『涙そうそう』でも主演を務めた妻夫木聡、オンの帰りを信じるヤマコ役は広瀬すず、弟レイ役は『るろうに剣心』、『東京喰種 トーキョーグール』の窪田正孝、オン役は永山瑛太がそれぞれ演じる。