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Q.30代の目標は?

いま28歳なので、あと1年以上あるんですけど、30代という年齢に対しては想像以上に意識をしていて。それは自分のせいだけでなくて、時代の転換期が来ているからだと思うんですけど。期待と同時に不安もある。

いまの世の中で、自分が何ができるか考えなくては、そしてプラスα、20代でやるべきだったことを次の時代に持ち込むようなことは絶対したくないんです。30代では、30代だからこそやるべき役、作品と向き合って、その時代その時代となんとか手を組んでやっていかなきゃなって。具体的なプランを決められたらいいんですけど、まだなくて。でも、せっかくなら一生懸命生きていこうっていうのは決めています。

日本アカデミー賞に4度輝く演技派蒼井優が、農家の娘役に

池松壮亮, 蒼井優, 塚本晋也 インタビュー|写真7

池松演じる杢之進の隣人である、農家の娘・ゆうを演じるのは『彼女がその名を知らない鳥たち』に出演の蒼井優。『フラガール』『おとうと』『東京家族』『アズミ・ハルコは行方不明』で、日本アカデミー賞に4度輝いた演技派女優が、不穏な時代に精一杯生きる農家の娘を凛とした美しさを体当たりで表現する。

本作で、初めて塚本作品に参加した"実力派”池松と蒼井のぶつかり合うような演技合戦に注目だ。

塚本晋也監督が初の時代劇に挑む

監督は、劇場映画デビュー作となる『鉄男』(1889)で、ローマ国際ファンタスティック映画祭グランプリを受賞した、塚本晋也。以後国際映画祭の常連となり、『六月の蛇』ではヴェネツィア国際映画祭ロコレンテ部門で審査員特別大賞、『KOTOKO』ではヴェネツィア国際映画祭オリゾンティ部門最高賞となるオリゾンティ賞を受賞し、世界中に多くのファンを持つ人気監督だ。

一行のアイデアから生まれた、幕末の若き侍の本能にまつわる物語

2014年に発表した映画『野火』は、戦争の恐怖をあぶり出し、究極の状況下での人間の姿を描き出した。時を経て2018年、『野火』から時代を逆行し、塚本晋也監督が初の時代劇に挑む。はじまりは「一本の刀を過剰に見つめる若い浪人」の一行から。ここから考えを膨らませ、人を斬ることに苦悩する一人の侍を主人公にした、人の本能・本質に迫る物語を完成させた。開国するか否かで揺れ動く江戸末期、若き武士を取り巻く生と死の問題を描く。

塚本監督自ら出演、剣の達人に

池松壮亮, 蒼井優, 塚本晋也 インタビュー|写真3

映画『斬、(ざん、)』で塚本は、監督に加え、脚本、撮影、編集、製作に携わり完全オリジナル作品を製作した。自らも出演し、池松壮亮演じる杢之進を江戸、京都の動乱へ誘う、剣の達人・澤村次郎左衛門を担当する。

中村達也&映画初出演の新人・前田隆成も参加

池松壮亮, 蒼井優, 塚本晋也 インタビュー|写真4

また『バレット・バレエ/BULLET BALLET』『野火』に続き、塚本作品への参加となった中村達也は、杢之進が江戸末期の農村で出会う浪人集団の頭、源田瀬左衛門を担当。ロックバンド「ブランキー・ジェット・シティ(BLANKEY JET CITY)」」でドラマーを務める中村だが、"時代劇を撮るときはぜひ出ていただきたい”と、塚本監督のラブコールから実現したキャスティングだ。

さらに、オーディションで抜擢された映画初出演の新人・前田隆成が、蒼井優演じるゆうの弟・市助役に抜擢されている。

3度目のヴェネツィア国際映画祭 コンペティション部門出品

『斬、(ざん、)』は、第75回ヴェネチア国際映画祭コンペティション部門に正式出品し、塚本監督は本作で3度目のコンペティション部門出品を果たす。さらに、北米最大の国際映画祭・第43回 トロント国際映画祭、第23回 釜山国際映画祭への出品も決定している。

あらすじ

250 年にわたり平和が続いてきた国内が、開国するか否かで大きく揺れ動いていた江戸時代末期。貧窮して藩を離れ、農村で手伝いをしている浪人の杢之進(池松壮亮)は、隣人のゆう(蒼井優)やその弟・市助(前田隆成)たちと、迫り来る時代の変革を感じつつも穏やかに暮らしていた。

ある日、剣の達人である澤村(塚本晋也)が現れ、杢之進の腕を見込んで京都の動乱に参戦しようと誘いをかける。旅立つ日が近づくなか、無頼者(中村達也)たちが村に流れてくる・・・・。時代の波に翻弄されながらも、人を斬ることに疑問をもつ侍と彼に関わる人々を通して、生と暴力の問題に迫る。観る者の心に刃(ヤイバ)を突きつける衝撃作。

【詳細】

映画『斬、(ざん、)』
公開日:2018年11月24日(土)よりユーロスペースほか全国ロードショー
監督、脚本、撮影、編集、製作:塚本晋也
出演:池松壮亮、蒼井優、中村達也、前田隆成、塚本晋也
2018 年/日本/80 分/アメリカンビスタ/5.1ch/カラー
製作:海獣シアター
配給:新日本映画会社

©SHINYA TSUKAMOTO/KAIJYU THEATER

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