ヨシオクボ(yoshiokubo)の2026年春夏コレクションが、2025年9月2日(火)、東京・渋谷ヒカリエにて発表された。
吉本新喜劇と一体化したショーや、浅草花やしきを舞台にしたショーを手がけ、観客を驚きの渦に巻き込み続けてきたヨシオクボ。2026年春夏シーズンに仕掛けるのは、世界最大規模のブレイキンソロバトル「レッドブル ビーシーワン(Red Bull BC One)」とのコラボレーションによる、ファッションとブレイキンがぶつかり合う異色のコレクション。中央でバトルをするダンサーたちをぐるりと囲うようにウォーキングする様が、「ポツンと咲く一輪挿しのようでおもろいな」と感じた久保嘉男が、新たなファッションの魅せ方を提案した。
「レッドブル ビーシーワン」とのコラボレーションにあたり目を向けたのが、「自分がダンサーのための洋服を作るなら?」ということ。ダンス専用の洋服がないことに気付き、エクストリームスポーツで活躍するプレイヤーが快適に着用できるパターンを模索した。そこで生まれたのが、ドレープが主役のトップス。激しく動き、服が揺れ皺が寄る。ダンスシーンにて洋服自体も踊るように揺れ動き、技を決めた際に風をはらみぶわっとトップスが膨らむ様に着想を得て、ドレープは作れば作るほど美しいのではとの考えに至った。特にスウェットは、ドレープにより全体が丸みを帯びたシルエットに。
「レッドブル」主催により開催される大会にちなみ、ウェアにあしらわれたロゴの数々は、ダンサーたちが纏うスポンサードアイテムになぞらえている。同時に、ヨシオクボ新たなアプローチとしてハンドメイドにこだわり、手刺繍のジャカードアイテムとしてスポンサーのロゴに見せかけたサインの数々を表現した。アウターやシャツ、トップス、ショートパンツといったウェアを覆う、たばこのマールボロ(Marlboro)のように見せかけたメルボルン(Melbourne)ロゴなど、久保らしい遊び心にあふれたロゴたち。細かく1つひとつ見てみるのも面白そうだ。
職人の手仕事は、アロハプリントに見せかけた手刺繍や、チュールといったディテールからも見て取れる。花や葉っぱ部分は手刺繍で縫い込まれているそうで、一見プリントかと見間違う。シャツを走るチュールも、細かなアロハデザインとなっており、トロピカルなムードが漂っている。
レッドブルのロゴに描かれた赤い牛、すなわち獣に着想した“牙”モチーフも登場。主にフルジップスウェットのジッププルに採用され、ワントーンのセットアップが席巻するコレクションの中にアクセントをプラスした。
なお、ブレイキンには、2024年パリオリンピックのブレイキン競技に出場したShigekixこと半井重幸も出演。2チームの面々みな、ブレイキンの代名詞ともいえるフリーズを次々と決め、客席を沸かせた。ダンサーたちはもちろん、DJ、MC全員コレクションのルックを着用。ダンサーは、各々が愛用するキャップや帽子と合うスタイリングを久保自らが考えたスポーティなウェアを纏った。