展覧会「漫画家生活30周年 こうの史代展 鳥がとび、ウサギもはねて、花ゆれて、走ってこけて、長い道のり」が、2025年8月2日(土)から10月2日(木)まで、千葉県の佐倉市立美術館で開催される。石川県の金沢21世紀美術館などでも開催された巡回展だ。
こうの史代は、2017年に映画化され話題を呼んだ漫画作品「この世界の片隅に」や、原爆による被害とその後に続く“終わっていない”日常を描いた「夕凪の街 桜の国」などで知られる漫画家。1995年のデビュー以来、4コマ漫画やコミックエッセイ、漫画図鑑といった様々なスタイルでの漫画表現を試みてきた。扱うテーマも、戦争や神話から日常を温かく描いたショートストーリーまで幅広い。
一方で、背景やキャラクターを柔らかく愛らしいタッチで表現する作風は一貫しており、こうの作品の特徴となっている。
今回開催される「漫画家生活30周年 こうの史代展」は、こうののデビューから現在に至るまでの活動を振り返る過去最大規模の展覧会だ。漫画原画を展示するほか、数多くの挿絵原画や絵本原画、作品のコンテや制作メモ、ブログ「こうのの日々」に掲載されたスケッチブック、さらには制作現場を記録した初公開映像などを紹介。こうのが手掛けてきた多彩な作品群を一挙に鑑賞できる貴重な機会となる。
展覧会の見どころは、「この世界の片隅に」や「長い道」などを含む500点以上の漫画原画。こうの史代は原稿制作から着彩までの作業を1人で手掛けており、スクリーントーンさえもほとんど使用しない。そのため、展示される原画では、こうの本人が描いた生き生きとした線や新鮮な色彩そのものを目にすることができる。
また原画は、鑑賞者がストーリーをしっかりと“読める”よう工夫して展示される。連載作品は1話ごとに、短編作品は基本的に全ページの原画を展示するため、こうのが創り出した漫画世界の魅力を途切れることなく辿ることができる。
さらに、高校時代に描いた漫画原画を含むデビュー前の原稿も特別に公開。「星月夜」や「ありがた屋のよいちべえ」などの貴重な作品を通して、当時からすでに現れている「こうの史代」ならではのタッチや個性を見つけることができるだろう。
【詳細】
「漫画家生活30周年 こうの史代展 鳥がとび、ウサギもはねて、花ゆれて、走ってこけて、長い道のり」
会期:2025年8月2日(土)〜10月2日(木)
会場:佐倉市立美術館
住所:千葉県佐倉市新町210
開館時間:10:00〜18:00(入館は17:30まで)
休館日:月曜日(ただし、8月11日(月・祝)、9月15日(月・祝)は開館、8月12日(火)、9月16日(火)は休館)
入館料:一般 1,000円(800円)、大学生 800円(640円)、高校生以下 無料
※( )内は、前売り及び20名以上の団体料金。
※障害者手帳を提示すると本人および介助者1名は無料。
前売券販売期間:2025年8月1日(金)まで
※前売券の発売開始日は未定(決定次第、美術館ホームページで告知)。
【問い合わせ先】
佐倉市立美術館
TEL:043-485-7851