企画展「土とともに 美術にみる〈農〉の世界 ─ミレー、ゴッホ、浅井忠から現代のアーティストまで─」が、茨城県近代美術館にて、2023年7月8日(土)から9月3日(日)まで開催される。
企画展「土とともに 美術にみる〈農〉の世界 ─ミレー、ゴッホ、浅井忠から現代のアーティストまで─」は、農民や農村といった〈農〉をテーマに美術作品を紹介する展覧会だ。近代以降のフランスと日本における絵画や彫刻、そして現代アート作品など、日本各地の美術館から選りすぐった約100点の作品から、〈農〉の世界を探ってゆく。
絵画作品には昔から、農作業をする人びとの姿が描かれてきた。とりわけ19世紀には、現実を理想化せずありのままに描く自然主義芸術のモチーフとして、あるいは産業革命後には都会の人びとを癒すものとして、田園や農民により光があてられることになった。一部の画家たちは、とりわけ働く農婦の姿に労働の尊さと健康美を見出している。
本展では、バルビゾン派のジャン=フランソワ・ミレーによる《落ち穂拾い(版画)》や、印象派のカミーユ・ピサロによる《立ち話》、フィンセント・ファン・ゴッホがオランダ時代に手がけた《座る農婦》など、農婦を描いた作品の数々を目にすることができる。
農村は理想郷のように描かれる一方、実際の農民は生活のうえで困難に直面することも多かった。画家のなかには、農村における貧困や農民運動などを題材に作品を制作する者もいた。会場では、日本の版画家に大きな影響を及ぼしたケーテ・コルヴィッツの連作「農民戦争」全点に加えて、北関東を中心とする日本の版画運動家たちによる木版画も展示する。
第二次世界大戦後、高度経済成長を経た日本では、あらためて人間と自然の関係に目を向け、独自の視点で〈農〉を扱う作家が現れるようになった。本展では、こうした現代アートにも着目し、草間彌生、米谷健+ジュリア、雨宮庸介、スプツニ子!といったアーティストの作品を紹介する。
企画展「土とともに 美術にみる〈農〉の世界 ─ミレー、ゴッホ、浅井忠から現代のアーティストまで─」
会期:2023年7月8日(土)〜9月3日(日) 会期中に一部作品の展示替えあり
会場:茨城県近代美術館
住所:茨城県水戸市千波町東久保666-1
開館時間:9:30〜17:00(入場は16:30まで)
休館日:月曜日(7月17日(月・祝)は開館)、7月18日(火)
観覧料:一般 1,100円(1,000円)、満70歳以上 550円(500円)、高校・大学生 870円(730円)、小・中学生 490円(370円)
※( )内は20名以上の団体料金
※夏休み期間(7月26日(水)〜8月26日(土))を除く土曜日は高校生以下無料
※障害者手帳、指定難病特定医療費受給者証などの持参者は無料
※8月19日(土)は満70歳以上無料
【問い合わせ先】
茨城県近代美術館
TEL:029-243-5111