企画展「スペインのイメージ:版画を通じて写し伝わるすがた」が、東京・上野の国立西洋美術館にて、2023年7月4日(火)から9月3日(日)まで開催される。長崎県美術館でも開催される巡回展だ。
フラメンコや闘牛、ドン・キホーテといったスペインにまつわる「イメージ」の多くは、19世紀にこの国を訪れた旅行者によってかたち作られたものであった。こうしたイメージを形成し、流通させるうえで重要な役割を担ったのが、複製性に優れて持ち運びも容易な版画である。
長崎と東京を巡回する企画展「スペインのイメージ:版画を通じて写し伝わるすがた」は、版画という表現媒体によって、スペインの文化や美術にまつわるイメージがどのように形成され、伝えられていったのかに迫る、日本初の展覧会。国内各地に所蔵されるスペイン版画の傑作が一堂に会する、貴重な機会となる。
会場では、17世紀から20世紀に至る約400年を視野に収め、約240点の作品を紹介。フランシスコ・ホセ・デ・ゴヤを経て、パブロ・ピカソやジョアン・ミロ、サルバドール・ダリなどへと受け継がれるスペイン版画の展開をたどるとともに、ウジェーヌ・ドラクロワやエドゥアール・マネなど、19世紀フランスやイギリスの画家によるスペイン趣味の版画作品にも光をあてる。
また、国立西洋美術館が2022年度に新規収蔵した、スペインの画家ホアキン・ソローリャの油彩画《水飲み壺》を初公開。ソローリャは、1863年スペインのバレンシアに生まれ、祖国の風土と人びとを描いて当時国内外で名声を博した画家だ。本展に特別出品される《水飲み壺》は、バレンシアの海岸を舞台に、少女が小さな子供に水を飲ませる場面を描いたもの。1964年には、ソローリャの生誕100年を記念して、スペインの記念切手の図柄にも選ばれている。
企画展「スペインのイメージ:版画を通じて写し伝わるすがた」
会期:2023年7月4日(火)〜9月3日(日) 会期中に一部作品の展示替えあり
会場:国立西洋美術館 企画展示室
住所:東京都台東区上野公園7-7
開館時間:9:30〜17:30(金・土曜日は20:00まで)
※入館はいずれも閉館30分前まで
休館日:月曜日(7月17日(月・祝)、8月14日(月)は開館)、7月18日(火)
観覧料:一般 1,700円、大学生 1,300円
※高校生以下・18歳未満、心身障害者および付添者1名は無料
※観覧当日にかぎり、本展観覧券で常設展も観覧可
※詳細や最新情報については美術館公式サイトを確認のこと
【問い合わせ先】
TEL:050-5541-8600(ハローダイヤル)