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彫刻家・舟越桂の展覧会が渋谷区立松濤美術館で - 木彫の人物像などから探る“創作の内なる源泉”

展覧会「舟越 桂 私の中にある泉」が、東京の渋谷区立松濤美術館にて、2020年12月5日(土)から2021年1月31日(日)まで開催される。

“私の中にある泉”──内なる源泉

舟越桂《水に映る月蝕》2003年 楠に彩色、大理石 作家蔵 撮影:今井智己
舟越桂《水に映る月蝕》2003年 楠に彩色、大理石 作家蔵 撮影:今井智己

楠を素材に木彫彩色の人物像を手掛けてきた彫刻家、舟越桂。一貫して人間の姿を表すことにこだわる舟越は、「自分の中の水の底に潜ってみるしかない」と語るように、創作にあたってまず自分自身と向き合う姿勢をとってきた。そこには、創作の源となる作者の内面を見つめることが、ひいては普遍的に人間や社会を語ることに繋がるのだという思いがあった。

舟越桂《戦争をみるスフィンクスII》2006年 楠に彩色、大理石、革 個人蔵 撮影:内田芳孝
舟越桂《戦争をみるスフィンクスII》2006年 楠に彩色、大理石、革 個人蔵 撮影:内田芳孝

こうした作家の心のありようを「私の中にある泉」と捉えよう。展覧会「舟越 桂 私の中にある泉」では、1980年代から今日までの代表的な彫刻作品を中心に、ドローイングや版画などを通して、作品を生み出す舟越自身の“内なる源泉”の姿を探る。

初期の木彫半身像

舟越桂《妻の肖像》1979-80年 楠に彩色 作家蔵 撮影:落合高仁
舟越桂《妻の肖像》1979-80年 楠に彩色 作家蔵 撮影:落合高仁

彫刻を学んでいた舟越桂は、20代の初め、函館のトラピスト修道院から聖母子像の制作を依頼される。以後、楠を主要な材料として木彫での人物像の制作を本格的に開始した。本展では、最初期の《妻の肖像》や、《夏のシャワー》のように日常の衣装を纏わせた1980年代の作品など、静謐な雰囲気を漂わせる木彫の人物半身像を目にすることができる。

「異形」の人物像

舟越桂《山を包む私》2000年 楠に彩色、大理石 個人蔵 撮影:内田芳孝
舟越桂《山を包む私》2000年 楠に彩色、大理石 個人蔵 撮影:内田芳孝

舟越が手掛ける人物彫刻の多くは、動きを抑制されて直立する半身像として表現されている。初期の作品は実在のモデルを基に制作されることが多かったものの、それは徐々に減っていき、1990年代前後からは、体の一部を変形した「異形」と呼ばれる人物像を制作するようになる。会場では、《山を包む私》や、約20年ぶりの裸婦像となった《水に映る月蝕》など、自在に展開されてゆく「異形化」の表現を紹介する。

「スフィンクス・シリーズ」へ

舟越桂《スフィンクスには何を問うか?》2020年 楠に彩色、大理石、革 作家蔵 撮影:岡野圭
舟越桂《スフィンクスには何を問うか?》2020年 楠に彩色、大理石、革 作家蔵 撮影:岡野圭

2000年以降にますます自由な「異形化」を推し進めた舟越は、2004年、古代神話に登場する怪物“スフィンクス”をモティーフとした作品の制作を開始。以後、現在に至るまでその制作が続けられている。本展では、半人半獣・両性具有の身体と長い耳をもつ「スフィンクス・シリーズ」から、新作《スフィンクスには何を問うか?》などの作品を展示する。

創作の源泉を多角的に探る

本展では、舟越が手掛けた彫刻作品のみならず、自らの思考を書き留めたメモ、《板きれの人形》といった自身の家族のために自作したおもちゃなども展示。舟越桂の創作の源泉を多角的に探る。

展覧会概要

展覧会「舟越 桂 私の中にある泉」
会期:2020年12月5日(土)~2021年1月31日(日) 会期中に一部展示替えあり
会場:渋谷区立松濤美術館
住所:東京都渋谷区松濤2-14-14
開館時間:10:00〜18:00(入館は17:30まで)
※本展会期中、毎週金曜日の夜間開館および館内建築ツアーは中止
休館日:月曜日(1月11日(月・祝)は開館)、12月29日(火)~1月3日(日)、1月12日(火)
入館料:一般 500円(400円)、大学生 400円(320円)、高校生・60歳以上 250円(200円)、
小中学生 100円(80円)
※( )内は団体10名以上および渋谷区民の入館料
※土・日曜日・祝休日は小中学生無料
※毎週金曜日は渋谷区民無料
※障がい者および付添1名は無料
※展覧会の会期・開館時間・イベントなどは変更となる場合あり(最新情報は美術館ホームページまたはSNSなどを確認のこと)

【問い合わせ先】
渋谷区立松濤美術館
TEL:03-3465-9421

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