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西島秀俊 インタビュー|写真15

Q.佐々木さんはどのように役作りを進めたのでしょうか。

佐々木:僕も、撮影前に護衛艦を拝見させていただきました。艦内に出退勤のカードがあったのですが、「外出」と表示することが、船を出て(自分の)家に帰ること、「帰り」と表示することが、自宅から出て船に戻ることを意味することを学んで。これが海自の考え方なんだ、本当にこうやって暮らしているんだって気付かされました。

海自は家族。なので仲間同士の温かみ、家族、命を大切にする。日本の海自だけの話ではなくて、国境を超えて他の国の海軍も一緒。海で何か事故があればすぐに、人命救助に走る。国境、人種隔たりなく、命を大切にする姿を演じようと考えていて。

劇中で死傷者が出るシーンがあるのですが、台本に記されていたのは「死傷者が出た」という言葉のみ。新波なら、何人死傷者が出たかではない、名前を知りたい、誰かが知りたいと思うはずだと思い「誰だ?」っていうセリフを付け加えさせていただきました。敵機を撃って海に落ちたときも「絶対命を助けろ」と、言わせてくださいと相談しました。

役を演じているのですが、役から何が大切なのかということを教えて貰いました。新波という役に出会ったからこそ、思いついた言葉だなって思いますね。

西島秀俊 インタビュー|写真7

Q.護衛艦見学は、役作りを手助けしてくれましたか。

西島:はい、いずも(護衛艦)の見学を踏まえて役を作っていきました。一番大きい護衛艦に乗せていただいて、甲板がどのくらいの大きさ・長さなのか、どれだけの人数の人が乗っているのかというのを知りました。普段入れないところまで見せていただき、少し訓練にも参加させて頂きました。

Q.実際に見学して、想像と違うことはありませんでしたか。

西島:みなさんとても人間的だなって。艦長をはじめ、さまざまな人に話を聞いたのですが、聞きづらい質問も快く答えてくださった。お酒を飲みにいくのか、どこに飲みにいくのか、奥様はいらっしゃるのか、お子さんはいらっしゃるのか…といったプライベートなことはもちろん、実際の任務に対する意見も伺えました。

上官の方の前でも、みなさんすごく率直に「私はこう思います」っておっしゃいますし、任務によっては「(その行動が)自分の本心とは違います」とはっきりと口にされる。「これ大丈夫なのかな?」って思うほどそれぞれ意見が違うときもあったのですが、上官の方も「うん、そうか」と部下の意見を聞いていて。

過酷な任務につきながらも、そこで生活をして生きている。みんな冗談も言いますしね(笑)。当たり前のことなんですけど、実際にその人間らしさに触れて見つめ直す部分もありました。

西島秀俊 インタビュー|写真4

Q.佐々木さんは、護衛艦見学の中で印象に残っていることはありますか?

佐々木:攻撃を受けたときにどうするのか?防御と攻撃の話ばかりだな…と。魚雷が来た時にどうするのか、ミサイルをどう打つのか。「あ…これが自衛隊員の任務なんだ」って改めて気付かされました。護衛艦見学の中で色々と説明をしていただいたのですが、これが仕事かと、目の当たりにすると衝撃的でした。

Q.実生活では経験できないことを演じる中で、苦悩したことはありましたか。

佐々木:自衛隊員の方々が経験したことのないセリフを発することです。劇中で出てくる「防衛出動、発令」ってセリフは、おそらく自衛隊員は発したことがない。

僕が演じた新波も、このシーンでおそらく初めてこの言葉を言う。訓練ではないんですから。そういう感覚をどう芝居にのせるかを常に考えていました。

西島秀俊 インタビュー|写真9

西島:そうですよね、「この衝撃はどのくらいですか」って尋ねても、実は誰も正解はわからない。だって、実際に(護衛艦にミサイルが)当たったことはないんですから。防衛出動にしても戦後一度も発令されたことはない。誰も経験したことのないことを実際に演じるってそういうことですよね。

映画『空母いぶき』では、それをどれだけリアルに描くかというところにかかっていたと思います。近未来だけどもリアル、SFではない。防衛出動が発令されたら、何が起きて、自衛隊員はどういう問題に直面して、政府やマスコミ、そして一般国民はどのようなことにぶち当たっていくのか。

実際なかなか見えないことですけど、自衛隊員たちは何と直面し、何を考えてどう乗り越えようとするのか。同時にマスコミ、政府、国民とそれぞれの立場から、平和のために何をすべきかというところに向かっていく。

色々な人の意見を聞きながら、みんなで丁寧に作り上げて、手に汗握るそれぞれの戦いをとてもリアルに描けたと思います。

ジャケット、シャツ、ネクタイ 全て ダンヒル、その他スタイリスト私物
ジャケット、シャツ、ネクタイ 全て ダンヒル、その他スタイリスト私物

Q.佐々木さんは、振り返ってみて映画『空母いぶき』をどんな作品だと感じていますか。

佐々木:この作品への出演を通して、戦闘と戦争の違い、専守防衛がどういうことなのかなど、国防について考えるきっかけを与えてくれました。ただ、私は観客の方に、日本の国防に関してどう考えて欲しい…とかそういった大きなことを言うつもりは全くありません。

まずは映画をエンターテインメントとして見て頂ければ良いなと思います。そして、もしこれが自分なら、家族や恋人、仲間のために自分はどうするか…という考えるきっかけになればいいかなと。映画館を出た後、いま平和が保たれているなってもう一度改めて感じてもらえればいいかなと思います。

西島:そうですね、手に汗握る戦いを見終わった後には、いまの平和の尊さをきっと実感してもらえると思います。ぜひ劇場に足を運んでいただければと思います。

<第5護衛隊群>メンバー・出演者

西島秀俊 インタビュー|写真17

西島秀俊、佐々木蔵之介率いる航空機搭載型護護衛艦〈いぶき〉には、豪華俳優陣たちが参加している。

群司令・湧井継治:藤竜也
⇒艦長・秋津、副長・新波の上役にあたる群司令。映画『台風家族』に出演の藤竜也が演じる。
第92飛行群群司令・淵上晋:戸次重幸
⇒〈いぶき〉に搭載された多数の航空機。第92飛行群群司令として統括するのは、映画『恋は雨上がりのように』にも出演した、演劇ユニット「TEAM NACS」メンバー・戸次重幸。
アルバトロス隊隊長・迫水洋平:市原隼人
⇒〈いぶき〉の航空機にのるパイロット役には市原隼人。隊長としてアルバトロス隊をまとめている。

護衛艦〈はつゆき〉艦長・瀬戸斉昭:玉木宏
潜水艦〈はやしお〉艦長・滝隆信:髙嶋政宏
護衛艦〈いそかぜ〉艦長・浮船武彦:山内圭哉
⇒〈いぶき〉を囲むようにして進む護衛艦や潜水艦。護衛艦〈はつゆき〉の隊長は、映画『悪と仮面のルール』の玉木宏。潜水艦〈はやしお〉の艦長は髙嶋政宏。護衛艦〈いそかぜ〉の艦長は山内圭哉。

敵駆逐艦と護衛艦《いそかぜ》の攻防シーンでは、山内圭哉演じる〈いそかぜ〉艦長・浮船武彦が話題に。本気モードになるとつい関西弁が出てしまうという個性的なキャラクターで、敵のことを“やっこさん”と呼んだり、砲撃する時には“いてまえー!”と叫ぶなど、一癖も二癖もある艦長を山内が熱演する。

<第5護衛隊群>そのほかキャスト・出演者
■航空機搭載型護護衛艦〈いぶき〉
船務長・中根和久:村上淳
砲雷長・葛城政直:石田法嗣
アルバトロス隊パイロット・柿沼正人:平埜生成
■護衛艦〈あしたか〉
艦長・浦田鉄人:工藤俊作
■護衛艦〈しらゆき〉
艦長・清家博史:横田栄司
■潜水艦〈はやしお〉
船務長・有澤満彦:堂珍嘉邦
■護衛艦〈いそかぜ〉
砲雷長・岡部隼也:和田正人

■政府関連
内閣総理大臣:垂水慶一郎:佐藤浩市
副総理兼外務大臣:城山宗介:中村育二
アジア太洋州局 局長:沢崎勇作:吉田栄作
官房長官:石渡俊通:益岡徹

Photos(20枚)

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