展覧会「正倉院 ザ ショウ(THE SHOW)ー感じる。いま、ここにある奇跡ー」が、東京の上野の森美術館にて2025年9月20日(土)から11月9日(日)までの期間開催される。大阪歴史博物館でも開催される巡回展だ。
正倉院は、8世紀中ごろに奈良県の東大寺旧境内に建てられた高床式の宝物庫。シルクロードを経て日本に渡った舶来品や、東大寺ゆかりの仏具、美術工芸品、さらには光明皇后が奉献した品々など、約9,000件にも及ぶ貴重な宝物を守り伝えてきた。こうした価値が認められ、正倉院は、国宝および世界遺産に登録されている。長きにわたり厳重な保護と管理がなされてきたため、現代でも非常に良好な状態で保たれた宝物が数多く残っている。
「正倉院 ザ ショウ」は、そんな正倉院の約1,300年に及ぶ歴史や、そこに収められた宝物の美しさを五感で体験できる展覧会。宝物を当時と同じ技法と材料を用いて再現した精巧な「再現模造」や、超高精細映像、3Dデジタルデータなどの最先端技術を駆使した展示によって、その魅力を余すことなく表現する。
展示の目玉となるのは、幻の名香「蘭奢待(らんじゃたい)」。正式名称を「黄熟香(おうじゅくこう)」というこの香木は、長さ156.0cm、重さ11.6kgにも及ぶ堂々とした大きさを誇る。その香りは織田信長をはじめとする歴史上の権力者たちを魅了したと伝えられており、彼らが切り取ったとされる痕跡も残されている。今回は、成分分析をはじめとする科学的な調査に基づき、その香りを史上初めて再現。天下人をも魅了したというその謎に包まれた香りを、会場で実際に体感できる貴重な機会となる。
また、「螺鈿紫檀五絃琵琶(らでんしたんのごげんびわ)」や「螺鈿箱(らでんのはこ)」などの有名な宝物を、当時と同じ材料・技法で精密に再現した「再現模造」を展示。高精細3Dデジタルデータを用いて、肉眼ではなかなか捉えられない細部までを忠実に映し取った映像を交えながら鑑賞することで、宝物の新たな魅力に触れることができる。かつての宝物の輝きを間近に感じつつ、その美の背景や、卓越した技巧にも迫る。
さらに、篠原ともえや瀧本幹也をはじめ、ファッション、音楽、写真、陶芸など各ジャンルの最前線で活躍するアーティストたちが、正倉院とその宝物からインスピレーションを得て制作した作品を初公開する。
【詳細】
「正倉院 ザ ショウ(THE SHOW)ー感じる。いま、ここにある奇跡ー」
会期:2025年9月20日(土)~11月9日(日) 会期中無休
会場:上野の森美術館
住所:東京都台東区上野公園1-2
開館時間:10:00~17:00(入館は閉館の30分前まで)
チケット料金:一般 2,300(2,100)円、高校生・大学生 1,700(1,500)円、小学生・中学生 1,100(900)円
※( )内は前売券の料金。前売券は8月初旬に販売開始予定。詳細は決まり次第公式ウェブサイトで告知する。
※未就学児は無料。
※障がい者手帳等保有者と介護者1名までは当日料金の半額。
■巡回情報
大阪会場
会期:2025年6月14日(土)~8月24日(日)
会場:大阪歴史博物館(大阪府大阪市中央区大手前4-1-32)
【問い合わせ先】
TEL:050-5541-8600