特別展「超絶技巧、未来へ! 明治工芸とそのDNA」が、東京・日本橋の三井記念美術館にて、2023年9月12日(火)から11月26日(日)まで開催される。岐阜県現代陶芸美術館などでも開催された巡回展だ。
明治時代には、高い技術を駆使し、「超絶技巧」と形容される精巧な工芸作品が手がけられた。特別展「超絶技巧、未来へ! 明治工芸とそのDNA」は、明治工芸の技巧を受け継ぎつつ、優れた工芸作品を手がける現代作家17人による作品を紹介する展覧会だ。
本展では、金属や木、陶器、漆、ガラス、紙など、さまざまな素材にわたる「超絶技巧」の現代工芸作品を紹介。たとえば、木彫の福田亨(ふくだ とおる)は、木材を着色せずに《吸水》を制作している。蝶の羽は、木材が持つ自然の色を組み合わせた独自の技法「立体木象嵌」で作られており、一方で水滴は、厚みを残して板を彫り下げ、研磨を重ねてツヤを出すことで表現されている。
また、漆工の池田晃将は、切り抜いた貝殻で文様をあらわす螺鈿細工を用いている。そのモチーフは、伝統的な花鳥風月ではなく、数字や光、電気信号など、無機質的、現代的な意匠だ。《百千金字塔香合》では、ピラミッドのような形をとる香合に、0から9の数字を大小5つのサイズで緻密に並べた。
そのほか、会場では、粘菌のようなモチーフを繊細な透明ガラスのインスタレーションで表現する青木美歌(あおき みか)や、微細なパーツを継ぎ合わせ、レースを彷彿とさせる陶磁作品を手がける稲崎栄利子(いなざき えりこ)、動植物など自然に見られる造形物の形を木彫で精緻に写しとる大竹亮峯(おおたけ りょうほう)などの作品を展示する。
さらに、本展では、超絶技巧のルーツである明治工芸も展示。明治時代を代表する蒔絵師・白山松哉(しらやま しょうさい)の作品のうち、繊細さと精緻さを極めたものとして知られる《羽根蒔絵香合》をはじめ、57点の作品を目にすることができる。
特別展「超絶技巧、未来へ! 明治工芸とそのDNA」
会期:2023年9月12日(火)〜11月26日(日) 会期中に一部展示替えあり
会場:三井記念美術館
住所:東京都中央区日本橋室町2-1-1 三井本館 7F
開館時間:10:00〜17:00(入館は16:30まで)
休館日:月曜日(9月18日(月・祝)、10月9日(月・祝)は開館)、9月19日(火)、10月10日(火)
入館料;一般 1,500円(1,300円)、高校・大学生 1,000円(900円)、中学生以下 無料
※20名以上の団体は、( )内の割引料金
※70歳以上は1,200円
※リピーター割引:会期中、一般券ないし学生券の半券の提示により、2回目以降は( )内の割引料金
※障害者手帳(ミライロID可)の提示者および介護者1名は無料
【問い合わせ先】
TEL:050-5541-8600(ハローダイヤル)