第3章では、シルバーやゴールドといった金属において、人々が色を知覚するさいに光が果たす役割を紹介。とりわけ目を引く《コンバーチブル・ソートワール=ブレスレット》は、展覧会の最後を飾る傑作だ。アメシスト、ターコイズ、シトリン、ルビー、エメラルド、ダイヤモンドといった多くの色石が用いられたこのジュエリーは、まるで“万華鏡”のような美しさでブルガリの色彩とその歴史を物語る。
本展では、ジュエリー以外にも、ブルガリの色彩に影響を受けたさまざまな分野のアーティストを紹介。3人の現代アーティスト、森万里子、ララ・ファヴァレット、中山晃子による「色彩」にちなんだ作品を公開する。
ララ・ファヴァレットの《レベル5》は、回転する色とりどりの洗車ブラシで構成されたインスタレーション。柔らかい彫刻のような存在となった洗車ブラシが、動きとリズムをもった色彩アートとして展示される。
また、古事記に着想を得た森万里子の《Onogoro Stone Ⅲ》は、神聖な創造神話を呼び起こすようなスピリチュアルな空間を創出。中山晃子によるダイナミックなインスタレーション《Echo》では、水、音、鉱物顔料が混ざり合いながら移ろい、流動的なフォルムを形成するさまを空間全体に投影する。

イタリアと日本の関係にも着目し、ブルガリ・ヘリテージ・コレクションから2つのジュエリーを公開。古代ローマ神殿のファサードを模した《「テンプル」ペーパーウェイト》と富士山を表現した《「富士山」ブローチ》を、展覧会の幕開けを飾る傑作品として展示する。
展覧会「ブルガリ カレイドス 色彩・文化・技巧」
会期:2025年9月17日(水)〜12月15日(月)
会場:国立新美術館 企画展示室2E
住所:東京都港区六本木7-22-2
開館時間:10:00〜18:00(金・土曜日は20:00まで)
※入場はいずれも閉館30分前まで
休館日:火曜日(9月23日(火・祝)は開館)、9月24日(水)
観覧料:一般 2,300円、大学生 1,000円、高校生 500円、中学生以下 無料
※日時指定制
※障害者手帳の持参者および付添者1名は無料
【問い合わせ先】
ハローダイヤル
TEL:050-5541-8600