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「ガウディとサグラダ・ファミリア展」東京国立近代美術館で、“未完の聖堂”を軸に建築の思想と造形を紹介

企画展「ガウディとサグラダ・ファミリア展」が、東京国立近代美術館にて、2023年6月13日(火)から9月10日(日)まで開催される。その後、滋賀の佐川美術館、愛知の名古屋市美術館に巡回する。

サグラダ・ファミリア聖堂を軸にガウディの建築を紹介

サグラダ・ファミリア聖堂、2023年1月撮影
© Fundació Junta Constructora del Temple Expiatori de la Sagrada Família
サグラダ・ファミリア聖堂、2023年1月撮影
© Fundació Junta Constructora del Temple Expiatori de la Sagrada Família

アントニ・ガウディは、1852年スペインのカタルーニャ地方に生まれ、バルセロナを中心に活動した建築家だ。バルセロナ市内には、サグラダ・ファミリア聖堂を筆頭に、カサ・ビセンス、グエル公園、カサ・バッリョ、カサ・ミラなど、ガウディが手がけた独創的な造形の建築が点在している。

サグラダ・ファミリア聖堂内観
© Fundació Junta Constructora del Temple Expiatori de la Sagrada Família
サグラダ・ファミリア聖堂内観
© Fundació Junta Constructora del Temple Expiatori de la Sagrada Família

企画展「ガウディとサグラダ・ファミリア展」は、ガウディの建築のうち、サグラダ・ファミリア聖堂に焦点を絞った展覧会だ。「未完の聖堂」と言われつつ、完成の時期が視野に収まってきたこの聖堂を中心に、100点超の図面や模型、写真、資料、最新映像を通して、ガウディの建築思想と造形原理を探ってゆく。

ガウディ、その創造の源泉

《サグラダ・ファミリア聖堂、身廊部模型》 2001-02年 制作:サグラダ・ファミリア聖堂模型室 西武文理大学
photo: 後藤真樹
《サグラダ・ファミリア聖堂、身廊部模型》 2001-02年 制作:サグラダ・ファミリア聖堂模型室 西武文理大学
photo: 後藤真樹

ガウディはゼロから独創的な建築を生みだしたのではなく、西欧のゴシック建築、スペインならではのイスラム建築、カタルーニャ地方の歴史や風土など、自らが立つ土壌を掘り下げることで、独自の造形と法則を生みだした。本展では、「歴史」「自然」「幾何学」という3つのポイントから、ガウディの発想の源泉をひもといてゆく。

サグラダ・ファミリア聖堂受難の正面、鐘塔頂華
© Fundació Junta Constructora del Temple Expiatori de la Sagrada Família
サグラダ・ファミリア聖堂受難の正面、鐘塔頂華
© Fundació Junta Constructora del Temple Expiatori de la Sagrada Família

たとえば「歴史」。19世紀後半は、スペインがその文化の源泉としてイスラム建築を再発見した時期にあたる。また、19世紀には、かつてギリシア神殿は極彩色で彩られていたことが明らかにされ、建物の外観を色彩で装飾する考えが西欧に広がっている。こうしたポリクロミー=多彩色の建築を構想したガウディは、初期の「カサ・ビセンス」などにおいて色彩に富んだタイル装飾を試み、のちにタイル破片を用いたモザイク装飾の手法「破砕タイル」で独創性を発揮することになったのだった。

アントニ・ガウディ 《植物スケッチ(サボテン、スイレン、ヤシの木)》 1878年頃 レウス市博物館
アントニ・ガウディ 《植物スケッチ(サボテン、スイレン、ヤシの木)》 1878年頃 レウス市博物館

一方、ガウディは自然を自らの師と呼んでおり、徹底した自然観察から造形原理を引き出し、建築の有機的なフォルムへと結実させた。そればかりでなく、自然のなかに潜む幾何学に光をあて、それを建築の造形へと応用する合理的なアプローチも示している。本展では、ガウディの植物スケッチや自然の造形に基づく装飾などを目にすることができる。

総合芸術としてのサグラダ・ファミリア聖堂

外尾悦郎 《歌う天使たち》 サグラダ・ファミリア聖堂、降誕の正面に1990-2000年の間仮設置 作家蔵
写真提供:株式会社ゼネラルアサヒ
外尾悦郎 《歌う天使たち》 サグラダ・ファミリア聖堂、降誕の正面に1990-2000年の間仮設置 作家蔵
写真提供:株式会社ゼネラルアサヒ

また、総合芸術としてのサグラダ・ファミリア聖堂にも着目。ガウディはサグラダ・ファミリア聖堂において、「降誕の正面」を飾る彫像など、聖書の内容を表す彫刻を自ら手がけるほか、外観や内観の光と色の効果、建物の音響効果にも工夫を凝らしている。本展では、建築や彫刻、工芸を融合するガウディの総合芸術志向に光をあて、聖堂の豊かな世界を紹介する。

「ガウディとサグラダ・ファミリア展」東京会場の様子を紹介

展示風景
展示風景

展覧会概要

企画展「ガウディとサグラダ・ファミリア展」
会期:2023年6月13日(火)〜9月10日(日) 会期中に一部展示替えあり
会場:東京国立近代美術館 1F企画展ギャラリー
住所:東京都千代田区北の丸公園3-1
開館時間:10:00〜17:00(金・土曜日は20:00まで)
※入館はいずれも閉館30分前まで
休館日:月曜日(7月17日(月・祝)は開館)、7月18日(火)
観覧料:一般 2,200円(2,000円)、大学生 1,200円(1,000円)、高校生 700円(500円)
※( )内は20名以上の団体料金、および前売券料金(5月15日(月)から6月12日(月)まで販売)
※中学生以下、障害者手帳の所持者および付添者(1名)は無料(入館時に学生証などの年齢のわかるもの、障害者手帳などを提示)
※入館方法などについては追って告知
※内容は変更となる場合あり(最新情報については展覧会公式サイトなどにて確認のこと)

■巡回情報
滋賀会場
会期:2023年9月30日(土)〜12月3日(日)
会場:佐川美術館
住所:滋賀県守山市水保町北川2891
愛知会場
会期:2023年12月19日(火)〜2024年3月10日(日)
会場:名古屋市美術館
住所:愛知県名古屋市中区栄2-17-25(芸術と科学の杜・白川公園内)

【問い合わせ先】
TEL:050-5541-8600(ハローダイヤル)

Photos(13枚)

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