兵庫の芦屋市立美術博物館では、リニューアルオープン記念 特別展「芦屋の美術、もうひとつの起点 ─伊藤継郎」を、2023年4月15日(土)から7月2日(日)まで開催する。

伊藤継郎を起点に関西の洋画界を紹介

伊藤継郎(いとう つぐろう)は、昭和期から平成期にかけて、芦屋を拠点に活動した画家だ。1907年大阪に生まれた伊藤は、28年芦屋に移り住み、2年後にアトリエを構える。二科会をはじめ複数の美術団体展で腕を磨いたのち、41年からは新制作派協会(現・新制作協会)を拠点に作品を発表。48年には芦屋市美術協会の創立に携わるなど、芦屋の美術の中心で活躍した。

伊藤の作品は、日常のいち場面や人物、動物、旅先の風景、異国の人びとなど、自身が心惹かれた身近なモチーフを見つめ描くものであった。「ものを見て、絵具で描く」というシンプルな考え方を基にしつつ、絵具を扱う独自の技法によって、質感豊かな絵肌に仕上げている。

特別展「芦屋の美術、もうひとつの起点 ─伊藤継郎」は、1994年に伊藤が没したのち公立美術館では初となる、大規模な回顧展だ。約60点の伊藤作品を一堂に展示し、「モチーフ」と「技法」という観点からその内実に迫り、画業を再検証する。

また、昭和期から平成期にかけて、芦屋の美術の中心的な存在であった伊藤は、多彩な画家と交流を重ねている。本展では、赤松麟作、小出楢重、小磯良平、吉原治良、白髪一雄など、関西の洋画史を彩る20人の画家の作品や資料もあわせて展示し、当時の洋画界の様相にも光をあてる。

展覧会概要

リニューアルオープン記念 特別展「芦屋の美術、もうひとつの起点 ─伊藤継郎」
会期：2023年4月15日(土)～7月2日(日)
会場：芦屋市立美術博物館
住所：兵庫県芦屋市伊勢町12-25
開館時間：10:00〜17:00(入館は16:30まで)
休館日：月曜日
観覧料：一般 800円(640円)、高校・大学生 600円(480円)、中学生以下 無料
※( )内は20名以上の団体料金
※ 高齢者(65歳以上)、身体障がい者手帳、精神障がい者保健福祉手帳、療育手帳の所持者および介護者は各当日料金の半額
※ 5月5日(金・祝)・20日(土)・21日(日)は観覧無料
※歴史資料展示室の観覧料を含む

■出品作家
伊藤継郎、松原三五郎、赤松麟作、黒田重太郎、小出楢重、鍋井克之、古家新、田川寛一、猪熊弦一郎、小磯良平、田村孝之介、小松益喜、山本直治、吉原治良、井上覺造、藤井二郎、松井正、吉田一夫、西村元三朗、白髪一雄、村上三郎

【問い合わせ先】
芦屋市立美術博物館
TEL：0797-38-5432