企画展「佐野ぬい:まだ見ぬ「青」を求めて」が、青森県立美術館にて、2025年7月19日(土)から10月13日(月・祝)まで開催される。
佐野ぬいは、「青」の画家として知られる洋画家だ。1932年青森・弘前に生まれた佐野は、青を基調に、選び抜いた色彩を対比させながら画面構成を行う作風により、独自の抽象表現を確立。2023年に世を去るまで、佐野の作風は少しずつ変化していったものの、その軸には常に「青」という色があった。
企画展「佐野ぬい:まだ見ぬ「青」を求めて」は、70年以上にわたる佐野の画業を展観する展覧会。14歳の年に故郷の街角を描いた作品から、展覧会の出品作を含む大型の代表作、最後にサインを施した作品、筆を入れ始めたばかりの絶筆まで、100点超の作品と関連資料を一堂に集めて公開するとともに、これまで紹介される機会の少なかった、学生時代からのスケッチブックやドローイングにも光を当てる。
1932年弘前に生まれた佐野は、10代半ばの頃、パリの街を描いた洋画家・佐伯祐三の作品に魅了され、弘前の街をパリに見立てて描くようになった。その後、上京し女子美術大学に学び、卒業後は研究室の助手を務めつつ画家として歩み始めることとなる。この時、創作の要となったのが、「青」という色だ。本展の序盤では、《くるまの唄》など、風景や自動車などをモチーフにデフォルメを施した、初期の作品を目にすることができる。
1960年頃より、佐野の作品からは具体的なモチーフが消えてゆき、1960年代半ばには、ダークブルーを基調に、モチーフや文様が浮かぶような作品が登場。その後、1960年代後半から1970年代にかけては、多彩な青に暖色を加えた、明るくリズミカルな作品が手がけられている。会場では、1960年代の《青の歴》や1970年代の《青い背理1》などとともに、佐野の抽象表現の展開をたどってゆく。
1990年代以降の佐野は、音楽を連想させる「ブルーノート」や「オペラ・ノート」、あるいはさまざまな イメージを彷彿とさせる「余白」や「時間」などをタイトルに持つ作品を発表している。また、画面内ではさまざまな形と線が隣りあい、色とりどりの色彩はより洗練されていった。本展の後半では、《ブルーノートの構図》や《青の時間》といった作品に加えて、晩年の《セルリアンブルーの街》などを目にすることができる。
企画展「佐野ぬい:まだ見ぬ「青」を求めて」
会期:2025年7月19日(土)〜10月13日(月・祝)
会場:青森県立美術館
住所:青森県青森市安田字近野185
開館時間:9:30〜17:00(入館は閉館30分前まで)
観覧料:一般 1,700円(1,500円)、大学生 1,000円(800円)、18歳以下・高校生 無料
※( )内は20名以上の団体料金
※前売券(一般 1,500円)は、青森県立美術館ミュージアムショップにて販売
※セット券(佐野ぬい展+コレクション展)は、一般 2,000円、大学生 1,10 円
※心身障がい者および付添者1名は無料
【問い合わせ先】
佐野ぬい展実行委員会(青森県立美術館内)
TEL:017-783-3000