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「ルーヴル美術館展 愛を描く」国立新美術館で、ブーシェやフラゴナールなどの絵画から探る“愛”の表現

展覧会「ルーヴル美術館展 愛を描く」が、東京・六本木の国立新美術館にて、2023年3月1日(水)から6月12日(月)まで開催される。その後、6月27日(火)から9月24日(日)まで、京都市京セラ美術館に巡回する。

西洋絵画に見る愛の諸相

フランソワ・ジェラール《アモルとプシュケ》、または《アモルの最初のキスを受けるプシュケ》1798年 油彩/カンヴァス 186×132cm パリ、ルーヴル美術館
Photo © RMN-Grand Palais (musée du Louvre) / Tony Querrec / distributed by AMF-DNPartcom
フランソワ・ジェラール《アモルとプシュケ》、または《アモルの最初のキスを受けるプシュケ》1798年 油彩/カンヴァス 186×132cm パリ、ルーヴル美術館
Photo © RMN-Grand Palais (musée du Louvre) / Tony Querrec / distributed by AMF-DNPartcom

人間の根源的な感情とされる「愛」は、古来、西洋美術の根幹をなすテーマのひとつであった。ギリシア・ローマ神話を題材とする神話画や、現実の人びとの日常生活を捉えた風俗画には、誰かに恋焦がれる神や人間の情熱や欲望、官能的な喜び、そして苦悩や悲哀が、さまざまなかたちで描かれている。一方、宗教画では、神が人間に注ぐ無償の愛、そして人間が神に寄せる愛が、聖家族、キリストの磔刑、あるいは聖人の殉教といった主題のもとで象徴的に表現されている。

ジャン=オノレ・フラゴナール《かんぬき》1777-1778年頃 油彩/カンヴァス 74×94cm パリ、ルーヴル美術館
Photo © RMN-Grand Palais (musée du Louvre) / Michel Urtado / distributed by AMF-DNPartcom
ジャン=オノレ・フラゴナール《かんぬき》1777-1778年頃 油彩/カンヴァス 74×94cm パリ、ルーヴル美術館
Photo © RMN-Grand Palais (musée du Louvre) / Michel Urtado / distributed by AMF-DNPartcom

展覧会「ルーヴル美術館展 愛を描く」では、フランス・パリのルーヴル美術館が有する膨大なコレクションのなかから選んだ74点の絵画作品を通して、「愛」の多彩な表現を紹介。古代神話やキリスト教の主題から、優雅な恋の場面、そしてロマン主義の悲劇まで、16〜19世紀の名画を一堂に集めて展示する。

西欧文化の源泉、古代ギリシア・ローマとキリスト教

フランソワ・ブーシェ《アモルの標的》1758年 油彩/カンヴァス 268×167cm パリ、ルーヴル美術館
Photo © RMN-Grand Palais (musée du Louvre) / Gérard Blot / distributed by AMF-DNPartcom
フランソワ・ブーシェ《アモルの標的》1758年 油彩/カンヴァス 268×167cm パリ、ルーヴル美術館
Photo © RMN-Grand Palais (musée du Louvre) / Gérard Blot / distributed by AMF-DNPartcom

ヨーロッパ文化の大きな源泉に、古代ギリシア・ローマとキリスト教のふたつを挙げることができる。ルネサンス期以降の画家は、古代神話、そして聖書や聖人伝を題材に、愛という感情をさまざまなかたちで描いた。ここで、これら両者において愛のあり方は互いに異なっている。ギリシア・ローマ神話の愛とは、愛する者の身も心も所有したいという強烈な欲望と溶け合っている一方、キリスト教の愛では、たとえば親子愛に見るように、愛する者のために自己を犠牲にするというかたちをとったのだった。

サッソフェラート(本名 ジョヴァンニ・バッティスタ・サルヴィ)《眠る幼子イエス》1640-1685年頃 油彩/カンヴァス 77×61cm パリ、ルーヴル美術館
Photo © RMN-Grand Palais (musée du Louvre) / Stéphane Maréchalle / distributed by AMF-DNPartcom
サッソフェラート(本名 ジョヴァンニ・バッティスタ・サルヴィ)《眠る幼子イエス》1640-1685年頃 油彩/カンヴァス 77×61cm パリ、ルーヴル美術館
Photo © RMN-Grand Palais (musée du Louvre) / Stéphane Maréchalle / distributed by AMF-DNPartcom

本展では、ギリシア・ローマ神話を題材とした作品からは、アントワーヌ・ヴァトー《ニンフとサテュロス》やアントワーヌ・ヴァトー《ニンフとサテュロス》など、強烈な欲望に突き動かされる神々や人間の愛の表現を紹介。一方、サッソフェラート《眠る幼子イエス》やウスターシュ・ル・シュウール《キリストの十字架降下》などから、キリスト教における愛のあり方にも光をあてる。

人間たちの愛

ハブリエル・メツー 《ヴァージナルを弾く女性と歌い手による楽曲の練習》、または《音楽のレッスン》1659-1662年頃 32×24.5cm パリ、ルーヴル美術館
Photo © RMN-Grand Palais (musée du Louvre) / Tony Querrec / distributed by AMF-DNPartcom
ハブリエル・メツー 《ヴァージナルを弾く女性と歌い手による楽曲の練習》、または《音楽のレッスン》1659-1662年頃 32×24.5cm パリ、ルーヴル美術館
Photo © RMN-Grand Palais (musée du Louvre) / Tony Querrec / distributed by AMF-DNPartcom

17世紀のオランダ、そして18世紀のフランスでは、現実に生きる人間たちの愛が描かれるようになった。音楽を奏でる男女を描いたハブリエル・メツーの作品などからは、現実のいち場面をいきいきと切り取ったかのようなオランダの風俗画表現にふれることができるだろう。一方、18世紀フランス絵画の名品・フラゴナール《かんぬき》は、26年ぶりの来日。悦楽にも暴力にも通じうる性愛の側面を、ドラマチックな明暗と繊細な描写で描きだしている。

牧歌的恋愛とロマン主義的悲劇

ウジェーヌ・ドラクロワ《アビドスの花嫁》1852-1853年頃 油彩/カンヴァス 35.5×27.5cm パリ、ルーヴル美術館
Photo © RMN-Grand Palais (musée du Louvre) / Franck Raux / distributed by AMF-DNPartcom
ウジェーヌ・ドラクロワ《アビドスの花嫁》1852-1853年頃 油彩/カンヴァス 35.5×27.5cm パリ、ルーヴル美術館
Photo © RMN-Grand Palais (musée du Louvre) / Franck Raux / distributed by AMF-DNPartcom

1789年のフランス革命を経て身分制が解体されたフランス社会では、結婚において、身分や家柄ではなく愛情が重んじられるようになってゆく。このような価値観の転換を背景に、手つかずの自然のなかで純朴な若者たちが愛を育むというロマンティックな牧歌的恋愛と、情熱的な愛で結ばれた恋人たちが不幸な結末を迎えるロマン主義的な悲劇が好んで取り上げられるようになった。会場では、フランソワ・ジェラール《アモルとプシュケ》やウジェーヌ・ドラクロワ《アビドスの花嫁》などから、19世紀フランスにおける愛の表現にふれることができる。

展覧会概要

展覧会「ルーヴル美術館展 愛を描く」
会期:2023年3月1日(水)~6月12日(月)
会場:国立新美術館 企画展示室1E
住所:東京都港区六本木7-22-2
開館時間:10:00~18:00(金・土曜日は20:00まで)
※入場はいずれも閉館30分前まで
休館日:火曜日(3月21日(火・祝)、5月2日(火)は開館)、3月22日(水)
観覧料:一般 2,100円、大学生 1,400円、高校生 1,000円、中学生以下 無料
※障害者手帳の持参者(付添者1名含む)は入場無料
※2023年3月18日(土)から31日(金)までは高校生無料観覧日(要学生証提示)
※事前予約制(日時指定券)を導入(詳細については展覧会ホームページを参照)

■巡回情報
・京都市京セラ美術館
会期:2023年6月27日(火)〜9月24日(日)
住所:京都府京都市左京区岡崎円勝寺町124

※画像写真の無断転載を禁ずる。

【問い合わせ先】
TEL:050-5541-8600 (ハローダイヤル)

Photos(21枚)

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