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ドン・ホール監督らにインタビュー

左から)クイ・グエン(共同監督・脚本)、ロイ・コンリ(製作)、ドン・ホール(監督)
左から)クイ・グエン(共同監督・脚本)、ロイ・コンリ(製作)、ドン・ホール(監督)

映画『ストレンジ・ワールド/もうひとつの世界』を手掛けたドン・ホール(監督)、クイ・グエン(共同監督・脚本)、ロイ・コンリ(製作)にインタビューを実施。作品に込めたメッセージや、制作背景について話を聞くことができた。

<未来の子供たちのために、どんな地球を残せるか?>

インタビュー|写真11

映画『ストレンジ・ワールド/もうひとつの世界』は、どのようなアイデアから生まれたのでしょうか。

クイ・グエン:「未来の子供たちのために、僕らはどんな世界を残せるか」という発想から、物語をつくり始めました。世界は今、戦争やダイバーシティといった様々な問題を抱えていますが、個人的に最も気がかりだったエネルギー問題、そして環境問題にフィーチャーした物語になっています。

物語の舞台となる国・アヴァロニアのエネルギー源である植物「パンド」が、絶滅の危機を迎えたことをきっかけに、主人公たちの冒険がスタートします。

クイ:“化石燃料に頼ってしまっている世界”と地球を、寓話として伝えようというアイデアから、物語を作り上げていきました。架空の国であるアヴァロニアを、今わたしたちが生きている世界に見立てているわけです。主人公のサーチャーたちは、アヴァロニアを救うため、地底に広がる“もうひとつの世界<ストレンジ・ワールド>”へ、足を踏み入れていきます。

インタビュー|写真5

“もうひとつの世界”は、今まで見たことも無いような不思議な世界でした。この不思議な世界や生き物たちは、どのように作られていったのでしょうか。

ロイ・コンリ:地底に広がる“もうひとつの世界”は、物語の最後に明らかになる“最大の秘密”から逆算して、細かな設定を考えています。ネタバレしないように説明するのが、本当に難しい作品なのですが(笑)。カラフルな植物や、スライムのようなキャラクターたちは、スタッフのアイデアから生まれたものもあります。

監督のドンさんやクイさんだけでなく、制作チームが発案したアイデアも盛り込まれているのですね。

ロイ:ドンさんやクイさんは、スタッフのアイデアをどんどん取り入れるタイプ。監督の中には、自分のビジョンを全く崩さずに、「俺についてこい!」といってリーダーシップを発揮する人もいますが、ドンさんとクイさんは、そうではない。「美しい世界を、みんなで一緒に作っていこう」という考え方のもと、チーム一丸となって作品を作り上げています。

アイデアが出すぎて、実現できなかったものも沢山あるのですが(笑)、だからこそ、選ばれしアイデアが凝縮されています。本当にユニークなキャラクターばかりです。

<誰もが感情移入できる“親子”の物語>

インタビュー|写真12

メインキャラクターは、祖父のイェーガー、父のサーチャー、孫のイーサン。この3人の親子が、ストーリーの軸になっています。

ドン・ホール:「自分は子供たちに何を残していくべきか」、そして「自分の父親はどんなレガシーを残してくれたのか」を考えることから物語をつくり始めたので、主人公が親子3世代になるというのは、自然な流れでしたね。

エネルギー問題や環境問題に対するメッセージは、どうしても教訓めいた、説教じみた内容になりがち。でも、『ストレンジ・ワールド/もうひとつの世界』は、環境に関するメッセージを、普遍的な“親子の物語”に落とし込んでいるので、誰もが共感できるエモーショナルで、パーソナルなストーリーに仕上がったと自負しています。

“親子の対立関係”、“親子の考え方の違い”を明確にしたキャラクター設定が印象的でした。

ドン:祖父のイェーガーは、「昔の方が良かった」「あの頃に戻りたい」と思いがちなキャラクター。孫のイーサンは、これからの未来に向かって、新しいものを創り出していく能力や、自由さがある。父のサーチャーは、そんな2人に挟まれている世代ですね。

インタビュー|写真15

ロイ:親子なのに、そして親子だからこそ、3人とも違う考え方を持っていて、そのコントラストがとても面白い。

・祖父イェーガーは、伝説的な冒険家なので、目の前にある物事を“乗り越えよう”、“克服しよう”とする人物。

・祖父に反発し、冒険嫌いになった父サーチャーは、農夫ということもあって、物事を“コントロール”しようとする人物。

・好奇心旺盛な孫のイーサンは、今ある物事を“保護しよう”、“守っていこう”とする人物。

僕は、このように捉えました。

どんな世代の人が見ても、必ず誰かに感情移入することができると思います。僕たち3人は、父サーチャーの世代ですかね?いずれは、イェーガーになってしまうと思うのですが…(笑)。

ドン:そうですね(笑)。

共感できるポイントが、作品を見るタイミングによって変わっていくのも、この物語の面白さです。僕らは今、サーチャーとして物語を見ているけれど、過去にはイーサンだった時代もあったし、いずれはイェーガーになる。誰もが、見る時代や立場によって、イェーガーにも、サーチャーにも、イーサンにもなりうる。

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3人の中でも、孫のイーサンは、物語の鍵を握るキャラクターとして、特に印象的に描かれていました。

ドン:イーサンは、若さゆえの“自由”さがある。ただ、それと同時に、未来の地球に目を向ける“責任”もあると思うんです。

でも実は、明日について考えていく“責任”というのは、世代に関わらず、今を生きている人、全員が持っていなければならない。イーサンは、祖父や父に「未来について考えなければいけない」ということを思い出させるキャラクターとして、重要な役割を担っています。

イーサンには、上の世代に訴えていく“責任”もあると。

ドン:そうです。どうしても、年を重ねるにつれて、自分が重要だと思うことにしか、目が向かなくなっていく。価値観を変えることは、誰にとっても難しいことです。だからこそ、イーサンのように若い世代が声を上げること、そして僕たちがそれに耳を傾けていくことが大切だと思うんです。

イーサンの言葉から、新しい気づきを得る大人も多そうですね。

ロイ:イーサンが、祖父や父の考えに対して「いや、そうじゃないんだ」と訴える姿や、「こういう風にやっていくべきなんだ」と教えている姿は、この物語の最も美しいところだと、僕も思います。

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原田泰造&鈴木福が日本版声優に

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映画『ストレンジ・ワールド/もうひとつの世界』の日本版声優として、原田泰造&鈴木福が参加。冒険嫌いの父・サーチャーと、好奇心旺盛な息子・イーサンという、“正反対”な親子役を演じる。また、サーチャーがコンプレックスを抱える、唯一無二の冒険家でありサーチャーの父であるイェーガーは、大塚明夫が演じる。

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