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映画『セッション』狂気のドラムレッスン描く衝撃作 - デイミアン・チャゼル監督にインタビュー

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サンダンス映画祭グランプリをはじめ、数多くの映画祭で賞レースを圧巻している話題作、映画『セッション』が、2015年4月17日(金)に公開される。

映画『セッション』狂気のドラムレッスン描く衝撃作 - デイミアン・チャゼル監督にインタビュー | 写真

世界的ジャズ・ドラマ―を目指し、名門音楽学校に入学した主人公ニーマンを待っていたのは、伝説の鬼教師フレッチャー。常人に理解できない完璧を求め、浴びせられる容赦ない罵声。やがてレッスンは狂気を帯び、加速の一途を辿る―。

狂気に満ちた怪演で最も注目されているのが、鬼教師フレッチャー役のJ・K・シモンズだ。映画『スパイダーマン』ではコミカルな編集長に、他にも『JUNO/ジュノ』などで名脇役として活躍してきた大ベテランの彼は、そのキャリア最高と評される演技で世界中の映画賞を独走した。

弱冠28歳 - わずか3億円の制作費で、オスカー3本の奇跡を起こした天才監督

映画『セッション』狂気のドラムレッスン描く衝撃作 - デイミアン・チャゼル監督にインタビュー | 写真

そして、1985年生まれ、弱冠28歳という若さでこの衝撃作『セッション』を作り上げたのは、長編2作目となるデイミアン・チャゼル監督。高校時代にジャズドラムに傾倒した彼は、名門バンドでプレイするほどの才能を開花させるが、鬼コーチのスパルタ指導がトラウマとなり、音楽の道を断念。その後、ハーバード大学に入学し映画を先攻したものの、バンド時代の悪夢にうなされる日々が続く。そしてデイミアンは、この悪夢を克服するために、自らの経験を映画化する事を決意した。

許された撮影期間はわずか19日間。その過酷な撮影スケジュールの間中に交通事故に合うという悲劇が起きても、翌日には執念で現場復帰し、撮影を進めたという。結果的に、わずか3億円という制作費で作られた『セッション』は、アカデミー賞に5部門のノミネート、うち3部門受賞という快挙を達成。

自らのトラウマ、そして撮影における逆境を乗り越えて作品を作り上げた、デイミアン・チャゼル監督が語る、映画『セッション』とは?

デイミアン・チャゼル監督にインタビュー

映画『セッション』狂気のドラムレッスン描く衝撃作 - デイミアン・チャゼル監督にインタビュー | 写真

“決して到達できないゴールに到達しようとする、絶え間ない苦痛。力強いサスペンススリラーのような音楽映画を作りたかったんです”

ーーーデイミアン・チャゼル

映画『セッション』狂気のドラムレッスン描く衝撃作 - デイミアン・チャゼル監督にインタビュー | 写真

映画のストーリーについて教えてください。

この映画は、いつの時代においても偉大と言われるドラマーの一人に必死でなろうとする若者の物語を描いています。彼は、型破りの方法で自分を追い込んでいく鬼教師フレッチャーに出会いますが、「偉大になるためなら、どこまでやるのか?」という、音楽家にとって非常に苦しい決断を迫られることになるんです。

脚本はご自身の体験に基づいているそうですが、どうしてそれを映画にしたのでしょうか。

音楽の喜びと楽しさ、そして優れたミュージシャンが作られていく過程を描いた映画はたくさん観てきました。でも、音楽において僕が経験したような“恐怖”を描いた映画は多くありません。それは、舞台と指揮者、バンド仲間への恐怖です。間違ってしまうことへの恐怖。そして、決して到達できないゴールに到達しようとする、絶え間ない苦痛です。

鬼教師フレッチャーというキャラクターについて。

彼のやり方については、意見が分かれます。完全に虐待だと言う人もいるし、彼の言動を正当化する人もいるかもしれません。でも、基本的に彼がやっていることは、処罰の対象になる攻撃とみなされるでしょう。しかし、彼のバンドは輝かしい成功を収めているから、学校側も目をつぶらざるを得ないんです。

フレッチャー役のJ・K・シモンズは、見事アカデミー賞・助演男優賞を受賞しましたね。

彼は、人を笑わせ、そして怖がらせるのがとてもうまいんです。簡単に聞こえてしまいますが、その二つを同時に、しかも一つのセリフの中で表現出来る技術をもつ俳優は数少ない。そしてそれこそが、フレッチャー役にとって何よりも重要なことでした。

主人公アンドリューと鬼教師フレッチャーの関係性とは?

フレッチャーは、厳しい態度で主人公のアンドリューを追いつめていますが、彼のことを信じているんです。つまり、アンドリューの中に優れたミュージシャンになる可能性を見出した。フレッチャーは、現代社会において、子供の可能性のためなら、彼らにつらく当たることは罪ではないと感じています。むしろ子供の可能性に気づくために、できる限りのことをしないことこそ罪なんだと。

映画『セッション』狂気のドラムレッスン描く衝撃作 - デイミアン・チャゼル監督にインタビュー | 写真

最後に、これから『セッション』を見る人にメッセージをください。

力強いサスペンススリラーのような音楽映画を作りたかったんです。映画を見る皆さんには、不安や恐怖、そしてそういったネガティブな感情をも覆す音楽の世界独特の高揚感を感じてほしいですね。

■監督プロフィール
デイミアン・チャゼルは、1985年、アメリカ、ロードアイランド州生まれ。ハーバード大学の学生だった頃に、初めての映画『Guy and Madeline on a Park Bench』(09)で、ゴッサム賞にノミネート。その後、『セッション』の脚本を執筆。続いて、この脚本の一部に基づく短編映画『Whiplash』(13)を監督し、サンダンス映画祭のアメリカ短編映画審査員賞を受賞したことで『セッション』製作の道を開く。セッションの次に手掛けたのは、エマ・ワトソン、ライアン・ゴズリング出演のミュージカル映画『ラ・ラ・ランド』で、デイミアン・チャゼルは見事アカデミー監督賞を受賞した。

【ストーリー】
名門音楽大学に入学したニーマン(マイルズ・テラー)は、伝説の鬼教師フレッチャー(J・Kシモンズ)のバンドにスカウトされる。ここで成功すれば偉大な音楽家になるという夢は叶ったも同然。だが、待ち受けていたのは常人には理解できない“完璧”を求める狂気のレッスンだった。浴びせられる罵声、仕掛けられる罠…。ニーマンの精神は追い詰められていく。恋人、家族、人生さえも投げ打ち、フレッチャーが目指す極みへと這い上がろうともがくニーマン。しかし…。

【作品情報】
『セッション(原題:Whiplash)』
公開日:2015年4月17日(金) TOHOシネマズ新宿ほか全国順次ロードショー
監督・脚本:デイミアン・チャゼル
出演:マイルズ・テラー、 J・K・シモンズ
(c)2013 WHIPLASH, LLC All Rights Reserved

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