企画展「川口起美雄 Thousands are Sailing」が、神奈川県立近代美術館 鎌倉別館にて、2025年11月1日(土)から2026年2月1日(日)まで開催される。
川口起美雄(かわぐち きみお)は、目に見えるものを描きながら、誰も見たことのない光景を現出させる作家だ。1951年長崎に生まれた川口は、ウィーンで北方ルネサンスの古典技法を研究。この地で習得したテンペラ絵具と油絵具の混合技法で描かれた川口の絵画は、美麗な質感と寓意が交錯するものであり、しばしば詩に喩えられてきた。
川口は1970年代以降、「故郷を喪失したものたち」の旅の記録者として、作品を手がけてきた。その背景にあるのは、ウィーン在住時に経験した、国を追われた学生との出会いや、国内外の不安定な政治情勢であるという。川口の作品は、いわば安住の地を求める人々のために描かれた景色であり、懐かしさを呼び起こす。
企画展「川口起美雄 Thousands are Sailing」は、公立美術館では10年ぶりとなる川口の個展。《柘榴(グラナダ・アプフェル)》、《背中》、《フランツ・Kの街》、《机の上の旅》など、初期の代表作から初公開となる最新作まで、約40点の絵画とオブジェ作品を一挙公開する。
企画展「川口起美雄 Thousands are Sailing」
会期:2025年11月1日(土)〜2026年2月1日(日)
会場:神奈川県立近代美術館 鎌倉別館
住所:神奈川県鎌倉市雪ノ下2-8-1
開館時間:9:30〜17:00(入館は16:30まで)
休館日:月曜日(11月3日(月・祝)・24日(月・振)、1月12日(月・祝)は開館)、12月29日(月)〜1月3日(土)
観覧料:一般 700円(600円)、20歳未満・学生 550円(450円)、65歳以上 350円
※( )内は20名以上の団体料金
※中学生以下、障害者手帳・ミライロIDなどの提示者および介助者原則1名は無料
※11月3日(月・祝)「文化の日」は入館無料
※ファミリー・コミュニケーションの日(毎月第1日曜日:11月2日、12月7日、1月4日、2月1日)は、18歳未満の子ども連れの家族は割引料金(65歳以上除く)で観覧可
【問い合わせ先】
神奈川県立近代美術館 鎌倉別館
TEL:0467-22-5000