広瀬すずの主演映画『ゆきてかへらぬ』が、2025年2月21日(金)より全国公開。木戸大聖や岡田将生が共演する。
映画『ゆきてかへらぬ』の舞台は大正時代。実在した女優の長谷川泰子を主人公に、詩人の中原中也、評論家の小林秀雄という男女の三角関係を濃密に描いた作品だ。劇中で描かれるのは、3人の壮絶な青春。踊り狂ったダンスホール、夜の遊園地、手を取り合い滑ったローラースケート、刹那的な青春を謳歌する3人の煌びやかで歪な関係性が映し出される。
長谷川泰子とは?
1904年、広島県に生まれた長谷川泰子は、女優を志して家出。京都にて中原中也と運命的な出逢いを果たし、やがてふたりは愛し合うこととなる。上京後は、中也の友人である小林秀雄と同棲。小林と別れた後は松竹キネマに入社した。自伝書「ゆきてかへらぬ 中原中也との愛」では、中原や小林との三角関係や自身の人生を綴っている。1993年、88歳でこの世を去った。
主人公・長谷川泰子を演じるのは、『いのちの停車場』や『流浪の月』、『キリエのうた』など、あらゆる作品で存在感を放つ広瀬すず。中原中也は、2017年に俳優デビューし、アニメーション映画『きみの色』では声優にも挑戦する木戸大聖、小林秀雄は『ゆとりですがなにか インターナショナル』や『ラストマイル』など、話題作への出演が絶えない岡田将生が務める。
長谷川泰子…広瀬すず
芽の出ない20歳の女優。自身の夢のため奮闘する中、まだ学生だった中原中也と出逢い、互いに惹かれあう。
中原中也…木戸大聖
後に不世出の天才詩人と呼ばれることになる17歳の青年。泰子に惹かれ一緒に暮らしはじめる。
小林秀雄…岡田将生
後に日本を代表することになる文芸評論家。友人の中原の家を訪れたことをきっかけに、新進女優の泰子の魅力に惹かれる。
富永太郎…田中俊介
中也の数少ない友人のひとり。詩人や画家としても活躍。
鷹野叔…トータス松本
泰子の辛い過去を知る謎の男。
長谷川イシ…瀧内公美
泰子の母。
泰子が出入りする撮影所のスター女優…草刈民代
辰野…カトウシンスケ
秀雄の友人。大学に勤める教授。
中原孝子…藤間爽子
のちに中也の妻となる女性。
泰子が東京で出会う勤め人…柄本佑
脚本は、薬師丸ひろ子が主演を務めた1981年の映画『セーラー服と機関銃』を手掛けた田中陽造が担当。田中が40年以上も前に書いた幻の脚本をもとに、『探偵物語』や『ヴィヨンの妻 〜桜桃とタンポポ〜』などで知られる根岸吉太郎が監督を務める。
映画『ゆきてかへらぬ』の主題歌は、シンガーソングライター・キタニタツヤが書き下ろした新曲「ユーモア」。中原中也の文学に陶酔していたというキタニタツヤが、愛とリスペクトをこめて制作した楽曲だ。なお、キタニタツヤが長編映画の主題歌を担当するのは今回が初となる。
京都。まだ芽の出ない女優・長谷川泰子は、まだ学生だった中原中也と出逢った。20歳の泰子と17歳の中也。どこか虚勢を張るふたりは、互いに惹かれ、一緒に暮らしはじめる。価値観は違う。けれども、相手を尊重できる互いの気立てが共通していた。
東京。泰子と中也が引っ越した家を、中也の友人で、のちに日本を代表する文芸評論家になる小林秀雄が訪れる。泰子は、男たちの仲睦まじい様子を目の当たりにして、才気あふれるクリエイターたちにどこか置いてけぼりにされたようなさみしさを感じ、複雑な気持ちを抱える。
一方、本物を求める小林は、新進女優の泰子の魅力に気づく。そうして、複雑でシンプルな関係がはじまる。重ならないベクトル、刹那のすれ違い。ひとりの女が、ふたりの男に愛されること。それはアーティストたちの青春でもあった。
【作品詳細】
映画『ゆきてかへらぬ』
公開日:2025年2月21日(金)
監督:根岸吉太郎
脚本:田中陽造
出演:広瀬すず、木戸大聖、岡田将生、田中俊介、トータス松本、瀧内公美、草刈民代、カトウシンスケ、藤間爽子、柄本佑